コロナ禍で“隠れ高血圧”が増加! 医師も気付かず脳卒中&心筋梗塞リスクが上がる症状&対策法は? [医師 監修]

コロナ禍で“隠れ高血圧”が増加! 医師も気付かず脳卒中&心筋梗塞リスクが上がる症状&対策法は? [医師 監修]

新型コロナウイルスの影響で生活が大きく変化し、ストレスの発散が難しくなった方も多いのではないでしょうか。現在、ストレスの影響による「隠れ高血圧」と呼ばれる人の増加が予想されているそうです。隠れ高血圧とは、どのような状態を指すのでしょうか。今回は、TJ MOOK『薬いらずの特効法 血圧を下げる50のコツ』から、隠れ高血圧について紹介します。芝浦スリーワンクリニック名誉院長の板倉弘重先生が、自分でできる隠れ高血圧対策についても教えてくれました。

TJ MOOK『薬いらずの特効法 血圧を下げる50のコツ』

放置すると血管がもろくなり、脳卒中や心疾患などの大病を引き起こす高血圧。
国民の3人に1人が高血圧といわれる日本において、高血圧対策は他人ごとではありません。
本誌では、14名の医師・博士が自ら実践して血圧を下げ、臨床の現場でも「続けやすい」「効果が出た」と高評価を得た“血圧を下げるコツ”を厳選して紹介。
「食べ方」「食べ物」「飲み物」「お手軽な運動」など、“血圧が下がった”体験談を交えて解説します。

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生活様式の変化による隠れ高血圧に注意を!

ストレスがかかり続ける生活が日中の高血圧を引き起こす

コロナ禍で“隠れ高血圧”が増加! 医師も気付かず脳卒中&心筋梗塞リスクが上がる症状&対策法は? [医師 監修]
健康な血管内のイメージ図

2020年春頃から大きく様変わりした日本の生活様式。ウイルス感染を警戒して外出を自粛し、働き方も人づき合いも息の抜き方も変容を余儀なくされ、ストレスの多い日々が続く。

ストレスがかかり続ける生活は、人体に悪い影響を及ぼす。緊張や怒り、不安を感じると、自律神経の「交感神経」が優位になり、血管が収縮して血流が滞(とどこお)る。そして高血圧や免疫力の低下などを引き起こすのだ。

実際、この1年半で、「高血圧患者の状態が悪化している」という報告もある(記事下の高血圧関連トピックスのトピックス2)。

そして、増加が予想されているのが「隠れ高血圧」だ。仮面高血圧とも呼ばれるもので、「病院の診察室で測った血圧だけが正常で、早朝や昼間、夜間に高血圧状態になっていること」をいう。診察室では正常なので医師は気づかず、本人も自宅では測らないので安心してしまう。そのために放置され、動脈硬化が進み、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高くなってしまうのだ。

診察室で正常値だからと安心してはいけない

隠れ高血圧のなかで最も懸念が大きいのが、日中のストレスが増したことによる、「昼間高血圧」の増加だ。

もともと、血圧は起床後に上がり始め、日中は上がった状態を維持し、夜に向けて下がっていく。しかし、日中の血圧上昇が高血圧の基準値を超えてしまっては危ない。また、夜になっても正常値に下がらない「夜間高血圧」も同様だ。

今、自分で始められる「隠れ高血圧」対策とは?
「朝と就寝前の2回、毎日自宅で血圧を測る習慣を作りましょう。朝は起床後1時間以内に、トイレを済ませてから測ります。朝食と降圧剤の服用は、測定後にしてください。朝も夜も、すわって1~2分安静にしてから測ると正確な数値が出やすくなります。測定を習慣づければ、その数値から、血圧の異常やその前兆が見えるようになります。

また、高血圧と診断されていなくても、血圧を上げる生活習慣は見直すこと。高血圧は自覚症状がないままに血管を傷つけ、命を危険にさらす“サイレントキラー”です。早めの対策が大切なのです」(板倉先生)

高血圧を薬で抑えている状態を長く続けるのも危険だ。国立がん研究センターなどが行っている長期間追跡調査では、「降圧剤の長期使用は、がんのリスクを高める」と報告する。
「現在高血圧の治療中の方は、かかりつけ医と相談しながら生活習慣を見直し、なるべく早く降圧剤をやめられるようにしたいもの。高血圧は薬なしでも改善できますから」(板倉先生)

診察や健診をすり抜ける早朝・昼間・夜間高血圧

コロナ禍で“隠れ高血圧”が増加! 医師も気付かず脳卒中&心筋梗塞リスクが上がる症状&対策法は? [医師 監修]
出典/Kario K,et al. Clinician’s Manual on Early Morning Risk Management in Hypertension.Science Press;2005

診察室血圧
最高血圧140mmHg以上
かつまたは
最低血圧90mmHg以上
→診察時は正常なので気づきにくい

高血圧関連トピックス

急変する社会のなかで日々更新される健康情報。血圧に関する最新ニュースを紹介。

1:最も危ないのは運動しない習慣 たった12分間の運動でも血圧や血糖値の改善に有効

「たった12分間の運動でも、血圧や血糖値、脂質代謝などの改善に有効である。最も危ないのは、“運動をしない”習慣だ」。米国のマサチューセッツ総合病院が中心となった研究チームが、「411人の中年の男女を対象に、12分間の運動の後の588種の代謝物の変化」を調査した結果より。(2020年11月)

2:外出自粛や行動制限の慢性疾患への悪影響 ストレスを抱えた人々の家庭内血圧が悪化

「ストレスを抱えた人は、診察室血圧だけでなく、家庭内血圧の有意な悪化が見られた」。高血圧の治療中の患者を対象に調査した結果、重症化報道を受けて患者の約3分の2が恐怖心を抱き、さらに外出自粛や行動制限のストレスが高血圧など慢性疾患に悪影響を与えていることが判明した。

●第9回日本臨床高血圧フォーラム/内科クリニックこばやし院長・小林一雄氏の報告「コロナ禍のストレスと血圧変動について」(2021年5月)より。※出典/Medical Tribune

3:生活習慣を見直して薬とサヨナラを! 降圧薬の長期使用はがんリスクを高める

「降圧薬の内服がない人と比べ、10年以上内服している人は、がんの罹患リスクが全部位で1.08倍、大腸で1.18倍、腎臓で2.14倍高くなる。5~10年内服している人は、腎臓で3.76倍高くなる」。約6万8000人を対象とした追跡調査より。

●国立がん研究センター 社会と健康研究センター 予防研究グループによる、日本人の生活習慣病予防などを目的とした長期間追跡調査による多目的コホート研究「JPHC Study」のデータより。

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このコンテンツの監修者は……芝浦スリーワンクリニック名誉院長 板倉弘重(いたくら・ひろしげ)先生

コロナ禍で“隠れ高血圧”が増加! 医師も気付かず脳卒中&心筋梗塞リスクが上がる症状&対策法は? [医師 監修]
芝浦スリーワンクリニック名誉院長
板倉弘重(いたくら・ひろしげ)先生

【PROFILE】
医学博士。認定臨床栄養指導医。東京大学医学部卒業。同大学第三内科講師、国立健康・栄養研究所臨床栄養研究部部長などを経て現職。『血糖値・血圧・高コレステロールを食べ物で大改善!』(宝島社)ほか、著書・監修書多数。

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(抜粋)

TJ MOOK『薬いらずの特効法 血圧を下げる50のコツ』

放置すると血管がもろくなり、脳卒中や心疾患などの大病を引き起こす高血圧。
国民の3人に1人が高血圧といわれる日本において、高血圧対策は他人ごとではありません。
本誌では、14名の医師・博士が自ら実践して血圧を下げ、臨床の現場でも「続けやすい」「効果が出た」と高評価を得た“血圧を下げるコツ”を厳選して紹介。
「食べ方」「食べ物」「飲み物」「お手軽な運動」など、“血圧が下がった”体験談を交えて解説します。

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血圧を改善する7つの生活習慣|きのこならまいたけ・寝るときは“口テープ” etc.[医師 監修]

 

編集・執筆/株式会社はる制作室、真瀬 崇、坂本夏子、石野宏幸
執筆協力/常井宏平
撮影/中川晋弥
写真・イラスト協力/Shutterstock、photolibrary

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WEB編集/FASHION BOX

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