1日2本のナスが高血圧を下げる! カギとなる「コリンエステル」を効率的に摂る調理法&研究者おすすめレシピ

1日2本のナスが高血圧を下げる! カギとなる「コリンエステル」を効率的に摂る調理法&研究者おすすめレシピ

さまざまな料理に活躍するナス。実はナスには血圧を下げる「コリンエステル」という栄養成分が豊富に含まれているそうです。今回はTJ MOOK『薬いらずの特効法 血圧を下げる50のコツ』から、コリンエステルの効果について紹介します。信州大学農学部農学生命科学科生命機能科学コース准教授の中村浩蔵先生がおすすめするナスレシピも必見です。

TJ MOOK『薬いらずの特効法 血圧を下げる50のコツ』

放置すると血管がもろくなり、脳卒中や心疾患などの大病を引き起こす高血圧。
国民の3人に1人が高血圧といわれる日本において、高血圧対策は他人ごとではありません。
本誌では、14名の医師・博士が自ら実践して血圧を下げ、臨床の現場でも「続けやすい」「効果が出た」と高評価を得た“血圧を下げるコツ”を厳選して紹介。
「食べ方」「食べ物」「飲み物」「お手軽な運動」など、“血圧が下がった”体験談を交えて解説します。

TJ MOOK『薬いらずの特効法 血圧を下げる50のコツ』を購入する!

宝島社公式通販サイト「宝島チャンネル」なら電話注文もOK! 詳しくはこちらをクリック
【電話注文専用TEL】0120-203-760
【受付時間】9:00~18:00(土日祝日を除く)

 

最高血圧150~160が110台で安定! 博士も実践! 1日2本のナス食習慣

1日2本のナスが高血圧を下げる! カギとなる「コリンエステル」を効率的に摂る調理法&研究者おすすめレシピ
ナスは高血圧対策の切り札!

ナスに血圧改善作用があることが、大学の研究で実証された。交感神経の過剰な働きを抑制する効果があるコリンエステルが豊富に含まれているので、丸ごと加熱してから切り分けて調理しよう。

大学の研究で実証されたコリンエステルの血圧改善作用

ナスは夏から秋にかけての定番野菜だが、どんな栄養が含まれているのかを知っている人はさほど多くない。そのため、「ナスは栄養が少ない」と考えている人もいるかもしれないが、実は高血圧の改善効果があることが、最新の研究で実証された。

研究を行ったのは、信州大学学術研究院の中村浩蔵准教授、北海道情報大学、素材メーカーのADEKA(アデカ)などによる共同研究グループ。中村先生はナス研究の成果を事業化するため、ナスサプリメント製造・販売を手がける信州大学発のベンチャー、株式会社ウェルナスを創業している。
「ナスに血圧の改善効果があるのは、コリンエステルという成分が含まれているからです。納豆やヨーグルトなど天然由来の食品にも含まれていますが、ナスはこの成分が特に豊富で、一般的な野菜の約3000倍もあります」(中村先生)

中村先生はコリンエステルの研究を始めて20年近くになるが、もともとは信州特産のソバで機能性食品を作るのが目的だった。そして、すんき漬けという漬け物の製法で作ったソバスプラウト乳酸発酵食品に、血圧を下げる効果があることがわかった。さらに2013年には、その働きがコリンエステルによるものだということが明らかになった。

その後、ほかの食品のコリンエステルの量を調べたところ、ナスに多く含まれていることを突き止めた。2019年には、共同研究グループによる臨床実験の成果が国際科学雑誌『Nutrients(ニュトリエンツ)』で発表されたが、これは世界で初めての「ナス由来の成分による血圧改善の実証」となった。
「日頃からストレスを感じている1型高血圧者(最高血圧140~159mmHg、最低血圧90~99mmHg)と、普段血圧が高めな健常者(最高血圧130~139mmHg、最低血圧85~89mmHg)に、ナス由来のコリンエステル2.3mgを含むナス搾汁(さくじゅう)粉末を12週間継続摂取してもらいました。その結果、どちらのグループでも血圧が改善することが確認できました。降圧効果は、普段の血圧が高い1型高血圧者のほうが顕著でした。血圧改善の個人差はありますが、効果が大きな人だと上の血圧が24mmHg、下の血圧が21mmHgも下がりました」(中村先生)

コリンエステルの血圧改善作用で最も注目されるのは、交感神経の働きを抑える効果だ。
「強いストレスを受けると、心拍数や血圧を上げる交感神経が過剰に働きます。それによって血管が収縮し、血圧上昇につながりますが、コリンエステルが交感神経の働きを抑えることで血圧の低下につながります」(中村先生)

また前述の臨床実験では血圧の低下だけでなく、ネガティブな気分も改善することがわかっている。睡眠の質もよくなることが別の研究でわかったが、これもコリンエステルが交感神経の過剰な働きを抑制したことによるものだと思われる。
「これらの点を踏まえると、ストレスが多い生活を送っていて、血圧が上がりやすい人ほどナスを食べるべきです。実は私も以前は血圧が高めで、上の血圧が150~160mmHgでしたが、コリンエステルを含む食べ物を摂って数値が改善しました。今はナスを毎日食べており、上の血圧は110mmHg台と落ち着いています」(中村先生)

コリンエステルの含有量

1日2本のナスが高血圧を下げる! カギとなる「コリンエステル」を効率的に摂る調理法&研究者おすすめレシピ
食品100g中に含まれるコリンエステル量(mg)

トマト、ピーマン、キュウリ、キャベツ、にんじん:約0.19mg
ナス:約570mg
→ナスはほかの野菜の約3000倍含まれる!

レンジで加熱して切り分けて調理する

コリンエステルを効率よく摂るなら、電子レンジで丸ごと加熱したあと、切り分けて調理するのがおすすめ。ナスにはコリンエステラーゼというコリンエステルを分解する酵素も含まれているが、加熱すると失活(しっかつ)して機能しなくなるので、レンジで温めるのが効果的なのだ。
「私の場合、レンジで加熱したナスを5mm程度の斜め切りにして、缶詰や焼き魚をほぐしたもの、ネギ、ショウガ、ミョウガを加えてポン酢で味つけした『ナスのたたき』で食べています。ナス以外の栄養成分もしっかり摂れるのでおすすめです」(中村先生)

ナスに含まれるコリンエステルの量は、品種や収穫時期、栽培方法などによってそれぞれ異なるが、機能性表示食品として販売されている「高知なす」なら、1日2本で血圧改善効果が期待できる。いろいろな調理法でナスを食べて、血圧の改善を目指そう。

<中村先生おすすめレシピ>
レンジで丸ごと加熱してから切り分けて作る ナスのタタキ

1日2本のナスが高血圧を下げる! カギとなる「コリンエステル」を効率的に摂る調理法&研究者おすすめレシピ

作り方
ナス2本を1本ずつラップで包み、電子レンジ500Wで4分ほど加熱し、5mm程度の斜め切りにする。青魚の缶詰や焼き魚の身をほぐしたもの、ネギ、しょうが、ミョウガ、大葉といったお好みの薬味をのせ、ポン酢をかけていただく。写真は、ナスにサバ缶、すりおろしたしょうが、大葉、ミョウガ、ネギを組み合わせ、ポン酢をかけたもの。

意外なスーパーフード、煮あずき! 抗がん作用や血圧&血糖値↓、更年期障害にも!? 医師が解説

ココアや乳酸菌飲料で血圧が下がる! 高血圧向けの飲み物を医師が厳選

このコンテンツの監修者は……信州大学農学部農学生命科学科生命機能科学コース准教授 中村浩蔵(なかむら・こうぞう)先生

1日2本のナスが高血圧を下げる! カギとなる「コリンエステル」を効率的に摂る調理法&研究者おすすめレシピ
信州大学農学部農学生命科学科生命機能科学コース准教授
中村浩蔵(なかむら・こうぞう)先生

【PROFILE】
1992年広島大学工学部卒業、1996年同大学大学院工学研究科博士課程修了。JSPS特別研究員、信州大学大学院農学研究科助手などを経て現職。健康長寿社会の実現に向け、地域資源を活用した機能性食品の開発を行っている。

コロナ禍で“隠れ高血圧”が増加! 医師も気付かず脳卒中&心筋梗塞リスクが上がる症状&対策法は? [医師 監修]

高血圧には“酢コーヒー”! 動脈硬化の予防も期待できる成分&1日何杯飲むかを医師が解説

(抜粋)

TJ MOOK『薬いらずの特効法 血圧を下げる50のコツ』

放置すると血管がもろくなり、脳卒中や心疾患などの大病を引き起こす高血圧。
国民の3人に1人が高血圧といわれる日本において、高血圧対策は他人ごとではありません。
本誌では、14名の医師・博士が自ら実践して血圧を下げ、臨床の現場でも「続けやすい」「効果が出た」と高評価を得た“血圧を下げるコツ”を厳選して紹介。
「食べ方」「食べ物」「飲み物」「お手軽な運動」など、“血圧が下がった”体験談を交えて解説します。

TJ MOOK『薬いらずの特効法 血圧を下げる50のコツ』を購入する!

宝島社公式通販サイト「宝島チャンネル」なら電話注文もOK! 詳しくはこちらをクリック
【電話注文専用TEL】0120-203-760
【受付時間】9:00~18:00(土日祝日を除く)

 

血圧を改善する7つの生活習慣|きのこならまいたけ・寝るときは“口テープ” etc.[医師 監修]

編集・執筆/株式会社はる制作室、真瀬 崇、坂本夏子、石野宏幸
執筆協力/常井宏平
撮影/中川晋弥
写真・イラスト協力/Shutterstock、photolibrary

※ 画像・文章の無断転載はご遠慮ください

WEB編集/FASHION BOX

RELATED CONTENTS

関連コンテンツ