いまや世界の海運を支えているスエズ運河ですが、開通にいたるまで、さまざまな出来事があったそうです。今回は河合塾世界史講師の神野正史さんが監修している、書籍『その日何があったかがわかる 1日1話5分で身につく歴史の教養365』から、スエズ運河の歴史について解説します。
書籍『その日何があったかがわかる 1日1話5分で身につく歴史の教養365』
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【1日1話365日】
歴史を見る目が変わる!
1月1日から12月31日まで
その日起こった歴史の大事件がすぐわかる
1日1話読み進めていくだけで、その日世界で何が起きていたのかをインプット。自分の幅を広げる教養としてはもちろん、今日会う人との会話の切り口にしても。今日その日に起こった出来事だから、より身近に感じて覚えやすくなります。歴史に生きる偉人たちや大事件を知り、その生き方・動きを知れば、これから自分が進む方向に影響する可能性も。1日5分、1年間で広く深い教養を身につけましょう。
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【1869年】11月17日 世界の海運を支えるスエズ運河が開通する
エジプトのスエズ地峡に運河を設けるというアイデアは古来から存在したという。エジプトの王が実際に運河をつくり、運用していた時代もあるが、大規模かつ永続的なものではなかった。そんななか、エジプトのスエズ地峡にある地中海とスエズ湾、紅海、インド洋までを結ぶ本格的な運河開設の事業に乗り出したのは、フランス人の元外交官レセップスだった。
彼がスエズ運河構想を立てたのは、エジプト領事時代。退官後、国際スエズ運河会社を設立して開削を手がけた。1854年、レセップスはエジプト総督サイードに運河敷設を提案する。領事時代にサイードとも特別な友好関係にあったことや、エジプトが宗主国オスマン帝国から自立の道を模索していたことなどもあり、交渉は比較的スムーズに進み、1859年に着工を迎えた。
しかし、実際の掘削工事はエジプト農民の無償労働だったため難航を極める。4万人ほどが動員され、2万人の死者が出たともいい、いかに過酷な作業が行なわれていたかが想像できる。
工事の難度を上げたもう1つの理由は、イギリスからの横槍だ。イギリスはスエズ運河計画は失敗すると判断し、債権者側に名を連ねなかったが、工事が進むと妨害に動き出す。エジプト以東からインドに向けたイギリスの権益が脅かされる可能性などを考慮した結果、スエズの開港には反対の立場を取った。イギリスはエジプトやオスマン帝国にさまざまな圧力をかけたため、計画はしばしば危機に見舞われたという。
苦難を乗り越え、1869年、約162キロメートルに及ぶスエズ運河が完成した。地中海側の入口には、総督サイードの名から「ポートサイド」という新港、中間地点にはサイードの次の副王イスマーイールの名から「イスマイリア」という新都市が建設される。1869年11月17日イスマイリアで行なわれた祝賀会にはフランス皇后を乗せた船を先頭に、48隻の各国船が運河に入り、盛大に完成を祝った。
スエズ運河はアジアとヨーロッパを最短距離で結ぶ航路であり、世界の海上交通を大幅に時間短縮。のちに拡張工事も行なわれて、現在は大型タンカーも運航できるようになった。現在も毎日多くの貨物船やタンカーが行き交っており、世界の海運を支えている。
11/17に起こった、その他の出来事
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このコンテンツの監修者は……神野正史 (じんの・まさふみ)
【PROFILE】
河合塾世界史講師。1965年名古屋市生まれ。立命館大学文学部史学科西洋史学専攻卒。世界史ドットコム(http://sekaisi.com)主宰。学びエイド世界史鉄人講師。ブロードバンド予備校世界史講師。ネットゼミ世界史編集顧問。歴史エヴァンジェリスト。河合塾で長年にわたって教壇に立ち、圧倒的な支持を受け続けてきたベテラン世界史講師。また、TV出演、講演、雑誌取材、ゲーム監修なども多彩にこなし、著作家としても活躍している。おもな著書・監修書に『「世界史」で読み解けば日本史がわかる』(祥伝社)、『世界史劇場』シリーズ(ベレ出版)、『現代への教訓! 世界史』(PHP研究所)、『イラスト図解 感染症と世界史 人類はパンデミックとどう戦ってきたか』(宝島社)などがある。
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(抜粋)
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編集/株式会社クリエイティブ・スイート
執筆/奈落一騎、佐藤賢二、つるたちかこ、目片雅絵、倉田 楽
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