33年前の11/10、ベルリンの壁が崩壊! そもそも壁はなぜ作られた? [河合塾世界史講師 監修]

33年前の11/10、ベルリンの壁が崩壊! そもそも壁はなぜ作られた? [河合塾世界史講師 監修]

西ドイツと東ドイツを分断したベルリンの壁。長きに渡り、両国は壁を挟んで対立をしていましたが、1989年に壁は崩壊し、両国は統一されました。今回は河合塾世界史講師の神野正史さんが監修した、書籍『その日何があったかがわかる 1日1話5分で身につく歴史の教養365』から、ベルリンの壁の建設から崩壊までの出来事を解説します。

書籍『その日何があったかがわかる 1日1話5分で身につく歴史の教養365』

監修:神野正史

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【1989年】11月10日 ベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦終結への風穴となる

33年前の11/10、ベルリンの壁が崩壊! そもそも壁はなぜ作られた? [河合塾世界史講師 監修]
ベルリンの壁に登る市民たち

1961年8月13日、ドイツ民主共和国(東ドイツ)は、西ベルリンの全周に「ベルリンの壁」を建設。当初は石でバリケードをつくり、町を横切るように有刺鉄線を張ったが、その後、壁は改築と伸長を繰り返す。1975年頃には、ベルリンの中心部を横切る形で西側部分をぐるりと取り囲む、総延長約155キロメートル、高さ3メートルのコンクリート製の壁となった。こうしてベルリンの西側部分は、東ドイツと東ベルリンから分離された。

壁がつくられた理由は、東西ベルリンの格差にあった。東ドイツが建国されてから、毎年2000人もの市民が西ベルリンを経て西ドイツへと亡命し続けており、とくに熟練労働者、専門職、知識人らが逃げ出し、東ドイツの経済を揺るがしていたからだ。1950〜60年頃になると、東ドイツの経済状況は悪化。対して西ドイツは経済成長を続けており、2つのドイツでは格差が広がり続け、西ドイツへの亡命がいっそう増えていった。それに危機を感じた東ドイツは、物理的に亡命を阻止せんとして、壁でベルリンを隔てることにしたのだ。この壁を乗り越えようとした者も多くいたが、逮捕、あるいは銃殺され、東西ドイツの民族分断の象徴となった。また、西側では「恥辱の壁」とも呼ばれるなど、冷戦時代の資本主義と共産主義の対立の象徴でもあった。それから28年あまり。壁は2つのベルリンを分断し、東ベルリンの人々は近くて遠い国へと思いをはせ続けたのだ。

東西の関係に変化が起こったのは、大国ソ連の動きがきっかけだった。1985年、ソ連のゴルバチョフ書記長が「ペレストロイカ」を提唱。東欧諸国では、独裁政権への反発と民主化要求が高まった。東ドイツも例外ではなく、共産主義政権は崩壊し、1989年11月9日の夜には、東ドイツ政府によって国外旅行と国外移住手続きの簡略化と実施が発表されたのだ。

事実上の国境開放の一報を聞いた東西ベルリン市民は、すぐさま壁へと駆けつけたという。数万人の市民が詰めかけ、1989年11月10日未明には市民の手でベルリンの壁は崩壊。市民の念願がかなって、2つのベルリンはようやく行き来できるようになったのだ。これは、ドイツ民族再統一の第一歩であり、東西冷戦に風穴が開いた劇的瞬間でもあった。翌年には東西ドイツは統一、1991年にソ連も崩壊した。

11/10に起こった、その他の出来事

1918年・ホーエンツォルレン朝、滅亡
1982年・ブレジネフ、死去

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このコンテンツの監修者は……神野正史 (じんの・まさふみ)

【PROFILE】
河合塾世界史講師。1965年名古屋市生まれ。立命館大学文学部史学科西洋史学専攻卒。世界史ドットコム(http://sekaisi.com)主宰。学びエイド世界史鉄人講師。ブロードバンド予備校世界史講師。ネットゼミ世界史編集顧問。歴史エヴァンジェリスト。河合塾で長年にわたって教壇に立ち、圧倒的な支持を受け続けてきたベテラン世界史講師。また、TV出演、講演、雑誌取材、ゲーム監修なども多彩にこなし、著作家としても活躍している。おもな著書・監修書に『「世界史」で読み解けば日本史がわかる』(祥伝社)、『世界史劇場』シリーズ(ベレ出版)、『現代への教訓! 世界史』(PHP研究所)、『イラスト図解 感染症と世界史 人類はパンデミックとどう戦ってきたか』(宝島社)などがある。

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(抜粋)

書籍『その日何があったかがわかる 1日1話5分で身につく歴史の教養365』

監修:神野正史

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【1日1話365日】
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編集/株式会社クリエイティブ・スイート
執筆/奈落一騎、佐藤賢二、つるたちかこ、目片雅絵、倉田 楽

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