77年前の11/24、東京大空襲が開始｜東京の半分が焼け野原に……［河合塾世界史講師監修］

第二次世界大戦中に、東京の都市部を標的とした東京大空襲が起きました。今回は河合塾世界史講師の神野正史さんが監修する、書籍『その日何があったかがわかる 1日1話5分で身につく歴史の教養365』のなかから、東京大空襲とよばれる爆撃が始まった日のことを解説します。

書籍『その日何があったかがわかる 1日1話5分で身につく歴史の教養365』

監修：神野正史

≪乃木坂46・山崎怜奈推薦！≫

【1日1話365日】
歴史を見る目が変わる！

1月1日から12月31日まで
その日起こった歴史の大事件がすぐわかる

1日1話読み進めていくだけで、その日世界で何が起きていたのかをインプット。自分の幅を広げる教養としてはもちろん、今日会う人との会話の切り口にしても。今日その日に起こった出来事だから、より身近に感じて覚えやすくなります。歴史に生きる偉人たちや大事件を知り、その生き方・動きを知れば、これから自分が進む方向に影響する可能性も。1日5分、1年間で広く深い教養を身につけましょう。

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【1944年】11月24日非戦闘員への攻撃東京大空襲が始まる

77年前の11/24、東京大空襲が開始｜東京の半分が焼け野原に……［河合塾世界史講師監修］ — B-29爆撃機

1945年8月15日に終戦を迎えた第二次世界大戦。戦争末期には連日アメリカのB-29が来襲し、東京を中心に、日本中に焼夷弾や爆弾を落とした。東京で初めて本格的な爆撃があったのは1944年11月24日。終戦まで100回以上続いた東京大空襲の始まりだ。

本土での空襲が始まったのは1944年夏。アメリカ軍がマリアナ諸島を占領し、新型の長距離超重爆撃機B-29の爆撃圏内に日本本土全体が入ったからだ。以降、連日の空襲が始まる。その規模は延べ4900機130回、38万9000発以上の焼夷弾と、1万発以上の爆弾が投下されたという。

当初、爆撃は軍需工場などを狙ったものだった。しかし、しだいに住宅密集地への無差別爆撃に変わっていく。「小さな町工場を爆撃する」ことが目的だったというが、住宅地への絨毯（じゅうたん）爆撃により戦意をくじく意図は明らかだった。木造住宅が密集する日本の都市構造や、防空壕程度しか備えがなかった状況からすると、焼夷弾を用いた爆撃は非常に有効な攻撃だったと考えられる。

最も大規模だったものは1945年3月10日未明の、東京の下町地区に対する爆撃だ。下町が狙われたのは、小さな工場が点在しており、一帯を焼き払った際の影響が大きいからだと考えられる。夜中0時過ぎから始まった爆撃は2時間半ほど続いた。300機ほどのB-29が低空飛行し、町工場と住宅がひしめく市街地に2000トン近い焼夷弾を落としたという。強風にもあおられ大火災が発生し、江東区・墨田区・台東区にまたがる40平方キロメートルが廃墟と化した。100万人が罹災、4万人が負傷、死者は8万人とも10万人ともいう。また27万戸が焼失、東京の全建物の4分の1が破壊され、100万人が家を失った。東京大空襲での死傷者は沖縄戦や広島・長崎への原爆投下と並ぶ大戦災であり被害は甚大。さらに4月、5月にも空襲が繰り返し起こり、東京の半分は焼け野原になったという。

終戦の日まで続いた空襲には非戦闘員への攻撃として異論もあったというが、戦争末期の混乱もあり、それほど大きな問題にはならなかったようだ。しかし1949年、武力紛争に直接参加しない者、傷病者、難船者、捕虜、文民などへの保護を目的とした保護条約ジュネーブ条約が全面修正されるなど、以降の戦争では一般市民が標的とされるような攻撃は起こりにくくなっている。

11/24に起こった、その他の出来事

1859年・『種の起源』出版
1954年・日本民主党、結成
1966年・アジア開発銀行、設立

11/8はF=ローズヴェルトが米大統領に初当選した日！争点は「大恐慌からの復活」［河合塾世界史講師監修］

33年前の11/10、ベルリンの壁が崩壊！そもそも壁はなぜ作られた？［河合塾世界史講師監修］

このコンテンツの監修者は……神野正史（じんの・まさふみ）

【PROFILE】
河合塾世界史講師。1965年名古屋市生まれ。立命館大学文学部史学科西洋史学専攻卒。世界史ドットコム（http://sekaisi.com）主宰。学びエイド世界史鉄人講師。ブロードバンド予備校世界史講師。ネットゼミ世界史編集顧問。歴史エヴァンジェリスト。河合塾で長年にわたって教壇に立ち、圧倒的な支持を受け続けてきたベテラン世界史講師。また、TV出演、講演、雑誌取材、ゲーム監修なども多彩にこなし、著作家としても活躍している。おもな著書・監修書に『「世界史」で読み解けば日本史がわかる』（祥伝社）、『世界史劇場』シリーズ（ベレ出版）、『現代への教訓！世界史』（PHP研究所）、『イラスト図解感染症と世界史人類はパンデミックとどう戦ってきたか』（宝島社）などがある。

11/15は「ベルリン会議」が始まった日｜アフリカ植民地化の影響は現在まで続く［河合塾世界史講師監修］

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（抜粋）

書籍『その日何があったかがわかる 1日1話5分で身につく歴史の教養365』

監修：神野正史