丸山隆平|主演の初ミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』大好きな作品で幸福感と苦しさが入り混じる[インタビュー]

関ジャニ∞丸山隆平|舞台『ヘドウィグ~』で初ミュージカルに挑戦![インタビュー]

men's holiday/丸山隆平

関ジャニ∞の丸山隆平さん主演で、ブロードウェイミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』が、2月からスタートし5都市で上演される。映画版が大好きだという丸山さんが、芝居と歌のライブパフォーマンスでどう魅せてくれるのか期待が高まる。

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観客と一緒に違う世界にトリップできることが楽しみ

大好きな作品に出演できる幸福感と苦しさが入り混じる

丸山さんにとって初ミュージカルにして、4年ぶりの舞台となる『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』。ジョン・キャメロン・ミッチェル作、主演で上演、その後映画化され、ブームとなった名作だ。

「今回のお話をいただいた時、うれしかったです。ただこの作品はテーマが難しく、それをどう落とし込むのかというところで役に追われている感覚です。もちろん出演できるのはうれしくて幸福感がありますが、苦しさもあるという感じです(笑)」

出演が決まってうれしかった理由の一つに、映画版への思いがある。

「僕にとって新しい愛の起源と形を提示してくれた大好きな作品です。ヘドウィグが自分のカタワレを探す物語であるとともに、自分とどう向き合っていくのかを描いています。人は自分のことはなかなかわからないと思いますが、人と出会ったことで新しい自分と出会ったり、気づいたりすることもありますよね。僕たち自身も、ヘドウィグという一人の人物と自分を重ね合わせながら探していくことができます。作品を観る人はきっとヘドウィグと一緒に人生を旅しているように感じられると思います」

少年・ハンセルが性転換手術の失敗で怒りのアングリーインチという悲しみを抱え、性別を超えたロックシンガー・ヘドウィグとしてバンドのライブステージに降臨する。

「彼女は弱いからこそドラァグクイーンの姿で武装して強く見せるけど、ライブ中に弱音を吐いてしまったり、泣き言を言ってしまったり、人のことを罵ってしまったり、時には自分も責めたり。とても人間らしくて愛しい人物だと思います。誰しもの中にある感情をマグマのように抱えていて、いつ爆発してもおかしくない危うさがあるんですけど、人に対しての優しさを持っている人なんですよね」

原作者のジョン・キャメロン・ミッチェルが初めて舞台版の演出をすることも話題だ。リモートでの打ち合わせの際かけてもらった言葉が、丸山さんの支えになっているという。

「『自由にやっていいよ』って言ってくれました。とても心強い一言でしたね。生みの親が、ヘドウィグに旅をさせてくださいって言ってくれている。好きに旅をさせてもらって、ジョンに少しでも喜んでもらえたらと思います。あと、ジョンからの言葉では、『ようこそヘドウィグへ』という言葉も印象的でした。この作品の一員になっていいって言ってもらえたと受け止め、自分が内包しているものをすべて出していきたいとより気が引き締まりました」

物語は、ヘドウィグによって生い立ちから現在までの心情を表す歌とともに、一人語りで進行していく。演技に歌のライブパフォーマンスと、丸山さんの魅力をたっぷり味わえる舞台になるのは間違いない。

「お客さんには自由な感覚で観てもらいたいです。自分のグッとくるポイントを楽しみながら会場を出て、あのシーンよかったなってそう思えるシーンが一つでもあったらうれしい。舞台が映像と圧倒的に違うのは、お客さんの目の前で演じるので、作品に没頭してもらえること。画面上では伝わりづらい空気感や体感が舞台の魅力だと思うので、一緒に違う世界にトリップできることが僕自身楽しみです。また、今回生バンドなので、ここでしか見られないメンバー編成やサウンドも楽しんでいただけると思います。やっぱり音楽は生がいいです!」

理想の休日は地方を巡りその土地を満喫したい

この冬は、レギュラー番組出演、1月までの関ジャニ∞の全国ツアーに加えて、本作の稽古、本番といつも以上に大忙しだ。

「舞台の稽古に入ったらどうなるかわかりませんが、普段は1日丸々お休みをもらえています。昼ぐらいに起きて、お昼食べて、録画していたものやニュースを観たり、エゴサーチしたりしていますね(笑)。あと、映画観たりしているうちに夕方になって、1杯飲み出す感じです。翌日ゆったりスタートなら、近所に飲みに行ったりもしますが、基本的に家で何でもない一日をまったりのんびり過ごしています」

こんな休日を過ごせたら幸せだろうなと思うのは、一体どんな休日だろうか。

「温泉に行きたいですね。そして、例えば金沢の蟹だったり、その土地でしか食べられないものを美味しくいただいて、夜は地元のスナックに行っておばちゃんの人生の深い話とか聞きたいですね。あと、各地のドラァグクイーンに会って、ヘドウィグ巡りもしてみたいです。叶うならそういう役作りをしたいんですけど、残念なことにそんなに長いお休みはもらえず、時間的に叶わないんですよね(笑)。でも、作品に没入し、役に侵食されていく感覚が好きなので、稽古中や本番中に休みがなくても気にならないと思います。作品は、走り出したら本当に楽しいんですよね。一人ではなく、みんなで一緒に作って、みんなで青春できることが幸せでたまらないです」

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stage information
ブロードウェイミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』

性転換手術の失敗で股間に「怒りの1インチ」が残ってしまったヘドウィグが、己の存在理由を問いながら“カタワレ”を探し求める姿を描く。共演はさとうほなみ。2月3日(木)〜13日(日)、EX THEATER ROPPONGIを皮切りに大阪、福岡、名古屋、札幌で上演後、東京凱旋を予定。

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profile/丸山隆平(まるやま・りゅうへい)

1983年11月26日生まれ、京都府出身。2004年に関ジャニ∞として『浪花いろは節』でCDデビューを果たす。俳優としても活動し、ドラマ、映画、舞台など幅広く活躍。近年の主な出演作に、ドラマ「着飾る恋には理由があって」、主演映画『泥棒役者』などがある。情報番組「サタデープラス」ではメインキャスターを務める。

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取材・文=杉嶋未来
InRed 2022年3月号

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WEB編集=FASHION BOX

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