南果歩さん『大人のおしゃれ手帖』連載「I am Here!」
『大人のおしゃれ手帖』で連載中の南果歩さんの「I am Here!」。Apple TVで配信中のドラマ『PACHINKO』に出演した果歩さん。オーディションを受け、外国のキャストやスタッフたちに囲まれて臨んだ撮影は果歩さんにとって新たな挑戦だったそう。いったい、どんなエピソードがあったのでしょうか。
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「レッドカーペット」
2021年の1月から3月まで、バンクーバーに単身滞在して『パチンコ』というドラマの撮影に取り組んでいました。
ミンジン・リーさんの原作の同名小説のドラマ化で、その前年にオーディションを受けていたのです。
私にとって、コロナ禍の中での新たな挑戦でした。
長期間のリモートオーディションを経て、なんとか「エツコ」という日本人役を得たのです。日本人の役なのでセリフは日本語でしたが、スタッフとのやり取りやメールで送られてくる情報がすべて英語なので、日本での仕事とは勝手が違い、簡単には理解できないことだらけでした。
それでもなぜ、わざわざオーディションを受けてまで新しい場所に行こうとしているのかと問われると、答えは簡単です。ワクワクドキドキ、ときめきたいから。ただそれだけのことです。
予想のつかないこと、先が読めないこと、初めてのこと。そしてこの物語の中に入ってみたいと思えること。これが私の原動力なのです。
そしてアメリカのスタッフや韓国のキャストからすると、Kaho Minamiって誰だ?となります。でもそこが面白いんです。誰も自分を知らない状況で仕事ができるなんて、日本では望めないことですから。再び新人にかえったような気持ちでした。
何か新しいことを始める際は、もちろん不安も付いてくるし、自信を持てないこともあります。いつも以上に勢いとエネルギーも必要になります。
それでもやらないよりもやってみるほうが価値がある。
これは私のモットーでもあるのですが、やらない後悔よりもやってみて失敗する方が数倍良い、失敗こそ一番の栄養になると思っているのです。
『パチンコ』のオーディションは受かったのですが、それ以外のアメリカ作品のオーディションはことごとく落ちていますからね。それは英語の問題もあったでしょうし、役が合っていないということも勿論あったと思います。
それでもめげずにやり続けていなければ、今回のように役を得ることはできなかったはずです。失敗を恐れずに、いつも新鮮な気持ちで前進あるのみ、ですね。
そして3月25日から、いよいよApple TVで『パチンコ』の配信が始まりました。エピソードは全8話。その中で私は5話分に出演します。登場シーンは決して多くはありませんが、配信に先立ちロサンゼルスでのプレミアに参加することになりました。
まさかこんな日が来ようとは!
本当に人生は何が起こるか分からないものですね。私が自分の作品で、アメリカのレッドカーペットを歩く日がくるなんて。
プレミアには息子と娘(息子のお嫁さん)も出席してくれました。家族そろっての晴れ舞台です。
プレミアの前々日に小さなパーティーがあり、キャストとスタッフに再会しました。皆、お披露目前の緊張感と期待に包まれていました。そして当日。レッドカーペットを独り歩きながら、私の人生は本当に面白く出来ているなと、笑顔が自然に溢れていました。
人生はチャレンジして開かれるもの。それを体現した瞬間でした。
『パチンコ』キャストとロサンゼルスで再会。プレミアでのワンシーン。
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PROFILE/南 果歩(みなみ・かほ)
兵庫県出身。短大在学中に映画『伽倻子のために』(小栗康平監督、1984年)のヒロインオーディションに応募、主役に抜擢されてデビュー。3/25よりAppleTV『PACHINKO』が全世界に配信スタート、映画『おそ松さん』が公開。また『GENSAN PUNCH~(義足のボクサー)』(ブリランテ・メンドーサ監督)、『MISS OSAKA』(ダニエル・デンシック監督)がそれぞれ今年公開予定。
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photograph:Takashi Noguchi(San Drago)
styling:Kuniko Sakamoto
hair & make-up:Kei Kokufuda
text:Kano Minami
(大人のおしゃれ手帖 2022年5月号)
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