体の不調が一気に増えてくる更年期。あとまわしにせず、未病のうちにケアできる知恵と知識を持ちましょう。ぜひ、体の声に耳を傾けて、セルフチェック習慣を身に付けたいですね。
今回は、血液検査で調べられる病気について医師に伺いました。たくさんあるオプション検査のどれを選べばいいかわからない、時間や体の負担が心配……という人も、まずは採血だけで気軽に受けられる血液検査について知っておきましょう。
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教えてくれたのは……
東京国際クリニック副院長 宮崎郁子先生
医学博士、総合内科専門医、消化器病専門医、消化器内視鏡専門医。食生活アドバイザーとしても活躍。
たくさんある検査からオプションはどう選べばいい?
血液検査でこんなにたくさん調べられます
今は、血液検査で肺、頭頸部(舌)、食道、胃、大腸、肝臓、胆のう、膵臓、腎臓、甲状腺、脳腫瘍、乳房、卵巣、子宮頸部などのがんを最も早い段階で調べることができるうえ、更年期障害、脳梗塞、心筋梗塞、アルツハイマー病の発症リスクまでわかります。
内視鏡やCT、MRIなどの検査は、前日から準備することもあり、時間や体への負担がかかります。血液検査なら、採血をするだけで調べられるので、健康診断や人間ドック(基礎ドック)のオプションにプラスしてみて。
これらの血液検査の結果をもとに、さらにエコーやCT、MRI、内視鏡など詳しい検査を行うことで、がんの早期発見やさまざまな病気の予防につながります。
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採血でわかる検査例
ピロリ菌
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)に感染しているかを調べる検査。ピロリ菌は、胃がんや慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因になることがわかっています。血液検査や尿検査で抗体を測定する方法以外に、内視鏡で胃や粘膜組織を採取する方法などがあります。
アルツハイマー型認知症リスク判定
アルツハイマー病の前段階であるMCIのリスクを判定。アルツハイマー病はアミロイドベータペプチドという老廃物が脳に蓄積し、神経細胞を破壊することで発症。この検査では、アミロイドベータペプチドの排除や毒性を弱める機能を持つ血液中の3つのタンパク質を調べます。
女性ホルモン値
エストラジオール(エストロゲン)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、プロラクチンの数値を測定する検査。閉経までに残された年数の目安、更年期障害の対策に。不調の原因が更年期だとわかれば、ホルモン補充療法や漢方やサプリメントなど適切な治療を受けられます。
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膵臓がん
早期発見が難しく、がんの中でも最も治療が困難と言われている膵臓がん。臓器から出るがんの特異的なマイクロRNAなどを検出し、がんの超早期発見につながります。既存の腫瘍マーカー検査ではがんがある程度進行してからでないと上昇しないため見逃し例がありましたが、最も早い段階でリスクがわかります。同様の血液検査(ミアテストプラチナ)で肺、頭頸部(舌)、食道、胃、大腸、肝臓、胆のう、膵臓、腎臓、甲状腺、脳腫瘍、乳房、卵巣、子宮頸部のがんの検査も可能。
ロックスインデックス
(脳梗塞、心筋梗塞の発症リスク予測)
血液中に隠れている動脈硬化を引き起こす原因物質「変性LDL」と「LOX-1」の量を調べ、動脈硬化の進行から将来の脳梗塞、心筋梗塞の発症を予測。画像検査では動脈硬化が進行しないと梗塞を見つけられないが、前段階でリスクがわかるため、家族に脳梗塞や心筋梗塞になった人がいる人などにおすすめ。
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編_安藤彩紀[vivace], FASHION BOX
(大人のおしゃれ手帖 2019年8月号
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