産後の尿もれから子宮脱まで。
さまざまな臓器を支える骨盤底筋がカギ
「人には言えないけど、産後ふとした拍子に尿もれをするようになった」「お友達とおしゃべりして大笑いしたときにヒヤッとした……」。聞いてみると、多くの成人女性が尿モレの経験があるんです。そこで、尿もれを防ぐ筋肉とその鍛え方について、「WOMB LABO」ディレクターの岡本佳央理さんにお話を伺いました。
和式トイレや雑巾がけ……。
昔の人は日常的に膣トレしていた!?
「誰にも言えない尿もれ。でも大丈夫、実は多くの現代女性が抱えているお悩みです。尿もれを改善するには、骨盤底筋を鍛えることが大事。骨盤底筋とはその名の通り、骨盤の底にある筋肉です。骨盤内にある膀胱や子宮、直腸などの臓器を正しい位置に保ったり、尿道を締めて尿もれを防ぐなど重要な役割を担っています。ところが出産のダメージや加齢によって骨盤底筋がゆるんでいると、くしゃみや咳をしたり腹圧がかかったときに尿がモレてしまうんです。さらに進むと、ゆるんだ膣から子宮が出てきてしまう『子宮脱』になる可能性が高くなるため、尿もれを放置しないことが大切です。昔は和式トイレや雑巾がけで日常的に鍛えられていたのですが、生活スタイルの変化とともに骨盤底筋が衰えてしまうように」。
尿もれまではしないけれどちょっと不安……という人は、以下のセルフチェックをしてみて。
・トイレでの排尿時に途中で尿を止められない
・お風呂から出たあと、膣から水が垂れてくる
岡本さんご自身も、3人目のお子さんを出産後に初めて尿もれを体験。さっそく膣トレを開始したそう。「腕や足の筋トレと同じく、膣トレを行うことで何歳からでも骨盤底筋を鍛えられます。ただ、ピラティス経験者等でない限り、骨盤底筋の位置を感覚的につかむのは難しいかもしれません。そんな人には、トレーニングボールがおすすめです。膣にボールを入れることで、簡単にトレーニングが始められます。素材、入れやすさ、重量、ご自身のライフスタイルに合わせて選ぶといいですね。何十年もの間、女性の体に大きく関わる大事な筋肉なので、気になったその日からぜひ始めてみてください!」
まずは1日5分から!
最新膣トレアイテム
教えてくれたのは・・・・・・岡本佳央理さん
植物療法士・森田敦子さんと共に、デリケートゾーンケアブランド『アンティーム オーガニック』の開発・ローンチに10年以上携わった後、生理痛、更年期障害、セックスレスといった悩みに応えるメディア『WOMB LABO』(https://womblabo.com/)のディレクターに就任。プライベートでは3児の母であり、子世代にも伝わるフェムケア・性教育の啓蒙を行っている。
宝島社では女性誌11誌男性誌2誌、計13誌合同によるフェムテック・フェムケア啓発プロジェクト「もっと話そう! Hello femtech」を2021年12月25日(土)より始動しました。
フェムテックの認知度向上を通じて、女性の健康問題に係わる具体的な話題を話す機会を増やすことで、女性がより活躍できる社会に繋げ、ひいては男女関係なくヒトが生きやすい社会を目指すための活動です。
Hello Femtech 特設ページはこちら
→https://fashionbox.tkj.jp/femtech
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
取材・文=吉田彰子