女性を取り巻く健康課題の認知・理解・解決を目的として、社会的に注目されている「フェムテック」というキーワード。
今回は、そのフェムテック領域のひとつでもあり、男性にも大いに関係してくるトピックである「妊活」をテーマにお届け。
意外と知らないことも多いと思うので、パートナーがいて妊活を考えている人はもちろん、今はまだ妊活を考えていない人も、今後のためにぜひ知識として覚えておこう。
不妊というと、女性側の問題と思っている人が多いかもしれないけれど、約半分は男性側に原因があるとWHO(世界保健機関)の報告から明らかになっている。男性不妊にも様々な症状があるけれど、例えば無精子症であれば、日本人男性の約100人に1人の割合といわれている。
また、世界的にみても現代人の精子数は減少しており、欧米男性の精子の濃度が過去40年ほどの間に半減したという驚くべき研究発表も。「射精できているし、精液の量もあるから大丈夫だろう」と思いがちだが、その中に精子がいるかどうか、きちんと動いているかどうかは調べないと分からないもの。
子どもを望んでいる人、男性不妊が気になる人は一度検査をしてみるのがいいだろう。
#01 まずは自分の体を知ろう
今すぐ子どもを望んでいなくても、自分の今の精子の状態を知ることで、その後の人生プランを立てやすくなることも。最近は自宅で簡単に自身の精子をチェックできる「検査キット」があるので、まずは健康診断のような感覚で気軽にトライしてみては? 自分の精子の状態を初めて見るのは少し勇気がいるかもしれないけれど、いざ子どもが欲しいというときに不妊を疑って検査するよりも、思い立ったときに検査をしておいたほうがメンタル的にもよさそう。
セルフチェックで精子の状態がよくないことが分かれば、病院できちんと検査をしたり、早めに治療をスタートすることにつながる。男性側に問題があるようなら、まずその要因から解決することで、パートナーの検査など体への負担を減らすことができる。
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高性能ボールレンズを使ってスマホで簡単に精子を観察
550倍のレンズをスマホのカメラに装着し、採取した精液をプレートに塗布。カメラモードにして観察しよう。ひとつ買うと4回チェックできるお手頃価格もうれしい。精子の状態は体調や食べ物によって毎日変動するので、何度か観察することでより正確な状態を知ることができる。iPhoneユーザーは、専用アプリで解析も可能。「精子を見てみる」という好奇心を、生活習慣の見直しや妊活への興味につなげよう。
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クラウド上で精子の状態を解析しアプリで管理できる
スマートフォンのフロントカメラ部分に、採取した精液をセットした検査キット本体を装着。専用アプリ「コウノトリ」で撮影するだけなので、忙しい日でも簡単に測定できる。クラウド上で自動解析して、 精子の数や活動状況を観察&測定。解析結果を元に精子の総合評価を確認できる。
《セット内容》コウノトリ本体、採取キット(チャンバー、採取用スティック、採取用使い捨てコップ)2回分
#02 不妊の原因になるような生活を変える
精子が作られるまでには70日間以上かかるといわれており、日常生活や健康状態に密接に関係している。精子の質を上げるために心がけたい生活習慣を5つ紹介。
バランスのとれた食事をする
精子の量や質を低下させないためにも、様々な食材を取り入れて、栄養バランスのとれた食事をすることが大切。精子の質を向上させるといわれる抗酸化作用の高い食べ物や、男性ホルモンの合成を促進して精子の運動率を上げるといわれる亜鉛を含む食材などを積極的に取り入れたい。
サプリメントを取り入れる
食事だけで必要な栄養素をすべてとるのは難しい場合もあるので、食事と併せてサプリメントを取り入れるのもひとつの手段。最近は、男性用の妊活サプリメントや、男女兼用のサプリメントも増えてきたので、足りない栄養素を補うのに役立てたい。
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弱った精子を元気にして妊活を応援するサプリメント
医師監修のもと、男性の妊活を徹底的に考えたサプリメントがこちら。精子の育成、増強に有効だと報告されているプリマビエを1日摂取量あたり200mg配合。さらに、体の老化や生活習慣病を予防するといわれるコエンザイムQ10や、亜鉛、ビタミンC、ビタミンEも配合。
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精液成分へ働きかけ、精子のまい進力をサポート
これまでの妊活では注目されてこなかった精液成分に着目した男性用の妊活サプリメント。「クレアチン」と「エルゴチオネイン」の2つの成分を配合し、精液成分へ働きかける。顆粒状で、ぬるま湯か水に溶かして飲む。2週間飲み切りタイプで、甘さ控えめのスポーツドリンク風味。
禁煙、お酒を控えめにする
喫煙していると精子の量や質が低下してしまうので妊活中は禁煙に取り組むのがベスト。過度な飲酒は、勃起不全や遅漏などの射精障害につながることがあるので、お酒は控えめに。
適度な運動を行い、しっかり休養をとる
適度な運動によって血液の循環をよくすると、体の機能が向上し、勃起力や射精能力が高まる。疲労とストレスをため込むと、男性ホルモンの減少、精子の質の低下につながるので、きちんと休養をとり自分に合ったリラクゼーションを上手に取り入れよう。
いつも股間は涼しく!
精巣は「熱に弱い」という特徴があり、熱のあるところでは精子をつくる働きを弱めてしまう。通気性のよい下着をつける、長時間の入浴やサウナを避けることなどが対策になる。
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熱のこもりがちな睾丸部の温度上昇をセーブ!
オリジナル仕様のレースバンド内蔵により陰茎を上向きにキープし、 睾丸部との密着部分を軽減することで睾丸部の温度上昇を抑えるアンダーウェア。ジャストフィットなのに圧迫感のない穿き心地が人気。オーガニック繊維テンセル™生地を使用しているので、蒸れにくく清潔で快適な穿き心地を実現。
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NASAのために作られた温度調整素材を使用
布地に温度調整素材(Outlast)を使用することで、温度変化を緩やかにし快適な温度を保てるように設計されたボクサーブリーフ。フロントポケットにゆとりを持たせつつ、太股部分はタイトに裁縫しているので、陰嚢が内腿や鼠径部に触れにくく、快適な温度をキープ。妊活用のパンツというとデザインがいまいちなものが多いなか、デザイン性や穿き心地もGOOD!
#03 妊活はふたりで一緒に始めること
ライフプランについて話し合ったり、これからのアクションについて一緒に考えたり、「妊活をふたりで一緒に始める」ことがいちばん大切。女性だけがいろいろな検査をするのではなく、男性も検査をしたりできることに取り組むことで、お互いの体のことを気づかえるようになり、ふたりで一緒に妊活しているという意識の高まりにつながる。女性だけが頑張っている状態にならないように、しっかりとコミュニケーションをとる努力をしよう。
今までは、女性からアクションを起こすことが多かった「妊活」。男性不妊の実態が分かってきたこれからは、男性側からも積極的に妊活に関する知識を深めたり、検査に参加したりと取り組んでいってほしいものです。
EDIT&TEXT_ERIKO SUZUKI