企業が推進するフェムテックの現在/エムティーアイ
今注目されているフェムテック。女性の健康サポートサービスの先駆けのルナルナを開発したエムティーアイでは、“フェムケーション”という新プロジェクトがスタート。プロジェクトの内容やこれから目指していきたいことなどを、執行役員でヘルスケア事業本部ルナルナ事業部事業部長の日根麻綾さんとヘルスケア事業本部ルナルナ事業部の本田亜姫さんに直撃取材を行った。
『MonoMax』最新号を購入する!
宝島社公式通販サイト「宝島チャンネル」なら電話注文もOK! 詳しくはこちらをクリック
【電話注文専用TEL】0120-203-760
【受付時間】9:00~18:00(土日祝日を除く)
「フェムケーション」を通じて女性のヘルスケア活性化を目指すエムティーアイ
婦人科医療への道筋を整備するのがルナルナの役目
中央に座っているのは、ルナルナのキャラクター、ルナうさ。左は甘えん坊でみんなの人気者、デイビッド。右はルナうさたちに勉強を教える真面目な先生、アルフレッド。
女性の悩みを理解し浸透させる3つの活動
――貴社が開発したルナルナは女性の健康サポートサービスの先駆けですが、ルナルナの新プロジェクト『フェムケーション』はどのように誕生したのですか?
日根:ルナルナが2020年11月でサービス誕生20周年を迎え、何か新しいことを行おうと計画していました。同じ時期に、女性が偏見なく自分に必要なサービスを使うためには、世の中にもっと女性の体や心の問題が理解される必要があるという課題が出てきたんです。そこで、我々サービスを提供する企業が、女性の体の仕組みや悩みなどを理解・浸透させていく活動をすべきとなり、ルナルナの20周年のプロジェクトとして誕生したのがフェムケーションです。
本田:今のフェムケーションの活動は大きく分けて3つ。【1】セミナー提供、【2】企業とのコラボ、【3】調査発表になります。【1】は、女性の生理からPMS、妊娠、更年期までを医師から学ぶセミナーを企業に提供。現在は動画メインで社内の研修資料としてお使いいただいています。【2】は、フェムテック関連のイベントを考えている企業や、女性の健康課題改善の活動をされている企業とのコラボ。【3】は、女性の体や心に関する実態を独自に調査し、データ化して公表。【2】はこれまでに、ジーユーさんとオムロンヘルスケアさん、カネボウさんのトワニーというブランドなどとコラボしました。
日根:一社でフェムケーションを行うよりいろんな企業とコラボしたほうが、よりたくさんの人たちに届くのではと思っているので、ここは今後も力を入れていきたい部分です。
本田:【1】も銀行から中小企業まで幅広くお問い合わせいただいており、フェムテックの広がりを実感しています。
日根:今、フェムテック流行りで、商材やサービスがたくさん登場しています。それ自体は競争原理が働き、消費者が恩恵を受けるので喜ばしいですが「それ、本当に問題解決になってる?」というものもあったりするので、そういうものは淘汰されてほしいですね。ルナルナが目指しているのは、婦人科医療の力で女性の悩みやつらさを解決することです。女性の体の悩みは大体婦人科医療で解決または軽減できるんですね。そのために、女性の健康にまつわる知識を浸透させて、婦人科医療に通いやすい空気感を醸成したいです。我々は医療行為をできないので、女性と婦人科医療をつなぐ道筋を作ることで、女性の幸せの実現に貢献できればと考えています。
エムティーアイはルナルナを開発した会社
ルナルナとは、2000年に誕生し、ライフステージや悩みにあわせて女性の一生をサポートする健康情報サービス。生理日管理や排卵日予測ができ、妊活・妊娠・出産まで女性の健康全般をサポートするアプリの草分け的存在。
【医師監修】経血量が多い人は注意! 月経過多に潜むリスク
月経カップを試してみた! 話題の生理グッズリアル体験レポート
フェムケーションとは?
フィメール(female/女性)とエデュケーション(education/教育)をかけ合わせた造語。女性の体の仕組みやそれにまつわる心の悩みなどについて正しく学ぶ機会を創出し、性別年齢を問わず、社会全体で寄り添いあえる環境を目指すプロジェクトを意味する。
フェムケーションを社内でも実施している
医師を招いたリアルセミナー(2020年1月実施)。管理職や男性社員が数多く参加した。普段から生理や妊活などが身近にある職場だけに、男性社員の女性の健康問題に対する意識は非常に高いそう。フェムケーションが浸透するモデルケースの一つが同社かもしれない。
宝島社公式通販サイト「宝島チャンネル」なら電話注文もOK! 詳しくはこちらをクリック
【電話注文専用TEL】0120-203-760
【受付時間】9:00~18:00(土日祝日を除く)
生理中の女子には“甘いもの”を差し入れると喜ばれる(かも)!? 男性向け「女性のカラダ」講座
生理用品を開発するユニ・チャームが手がける「みんなの生理研修」が話題! 男性ライターの受講レポ
三菱地所が「まるのうち保健室」で働く女性の健康課題をサポート! 男性が参加できるプログラムも
取材・文/金山 靖
取材写真/米玉利朋子(G.P.FLAG)
写真提供/エムティーアイ
(MonoMax 2022年6月号)
※ 画像・文章の無断転載はご遠慮ください
WEB編集/FASHION BOX