更年期うつ

放置しないで。更年期のうつ・メンタルダウンに効果的な対策

更年期の女性には体や精神のさまざまな症状が出ることがあり、そのひとつにうつがあります。
つらい症状に我慢は禁物。治療方法やセルフケアなどの対策をご紹介します。

更年期のうつについて

更年期うつ1

更年期症状のひとつにうつがあります。
更年期症状の主な原因は、女性ホルモンであるエストロゲンの減少が関与しているといわれています。
エストロゲンの減少により、体や精神のさまざまな症状が出やすくなり、そのひとつがうつと考えられています。

ほかに、子どもの自立や夫婦の問題、親の介護、職場の人間関係などの「社会的要因」、加齢による体力の衰えなどの「身体的要因」、本人の性格などの「心理的要因」なども、更年期に伴ううつの原因と考えられます。
このように、更年期の女性はさまざまなストレスに晒されやすい時期であり、複数の要因が関与してうつを発症します。

うつの症状として、気分の落ち込みや集中力の低下、気力の低下、自分を責めてしまう、物事を楽しめない、などがあります。

医療機関での治療方法

更年期うつ

うつを含め、更年期症状は日常生活に支障をきたすようなら更年期障害となり、医療機関での治療が必要です。
更年期障害かどうかにかかわらず、本人がつらいと感じるなら我慢せず、医療機関で相談しましょう。

更年期に伴ううつの主な治療法には、「ホルモン補充療法」「漢方療法」「向精神薬」「精神療法・認知行動療法」があります。
ホルモン補充療法とは、加齢により減少した女性ホルモンを補充することで症状を改善するものです。
漢方薬とは、薬効のある植物などの生薬(しょうやく)を組み合わせてつくられた薬です。
西洋薬では改善が難しい症状の緩和が望めるものもあり、漢方薬は近年注目されています。

向精神薬は、中枢神経系に作用する薬で、睡眠薬や気分安定薬などがあります。
精神療法・認知行動療法とは、心療内科・精神科で、薬を使わずに話をしたり、話を聞いたりすることで症状を改善する治療法です。

医療機関で相談するときの受診科は、婦人科、漢方外来、心療内科、精神科などです。
心療内科や精神科に行きづらいと感じる場合は、まず婦人科を受診して症状が更年期によるものかどうか診察を受ける、あるいは、まず漢方外来で相談する、という方法もあります。

セルフケアの方法

更年期うつ3

うつの症状がある時は、一人で抱え込まず、家族など身近な人に理解してもらうことが大切です。
そのうえで、無理のない範囲で家事や仕事ができないか相談してみましょう。

市販されている漢方薬やサプリメントを取り入れてみるのも手です。
市販の漢方薬の中には、どのような症状や悩みを持つ人におすすめかが具体的に記載されているものもあります。
こうした漢方薬であれば比較的自分で選びやすいかもしれません。
サプリメントでは、女性ホルモンと似た働きをするとされている「大豆イソフラボン」などの成分を配合したものなどがあります。

なお、大豆イソフラボンは豆腐や納豆、豆乳などの大豆製品にも含まれているので、普段の食事で大豆製品をとるのもおすすめです。
大豆製品には、大豆イソフラボンの他にもタンパク質やカルシウムなどの豊富な栄養素が含まれています。
また、ウォーキングやヨガなどの適度な運動はストレスに効果的であるといわれています。

(まとめ)
50代の女性は、更年期症状があっても医療機関を受診していない人が多いという調査結果も出ています。
うつを含め、更年期に伴う不調の改善が望める治療方法にはさまざまな選択肢があります。
つらいときは我慢や放置をせずに医療機関へ相談して、更年期とうまく付き合っていきましょう。

 

構成・文/大人のおしゃれ手帖編集部 画像協力/PIXTA
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