スマルナステーション

性の悩みを誰にも知られず、専門家に無料相談 ユースクリニックのかかり方

ピル処方、妊娠不安、パートナーとの関係性など、身近な人には話しにくい性の悩み。もしも誰かに相談できたら安心できるのに……。そんな気持ちに寄り添ってくれる存在が、「ユースクリニック」です。スウェーデン発祥のあらゆる性の悩みを無料で相談できる場所のことで、昨今では日本にも少しずつ増えてきています。

今回はユースクリニックで相談できる内容や利用方法などを、大阪・心斎橋にあるユース向けの相談施設「smaluna station(スマルナステーション)」の助産師・神保ゆうこさんに教えていただきました。

 

一人で悩まずに、専門家に相談を

 

Q ユースクリニックとはどんな場所ですか?

12歳~20代前半までの若い世代が、性に関する悩みやトラブルに直面したときに専門家に無料で相談できる場所です。性の悩みはデリケートなものですから、誰にも言えないまま望まない状況になったり、病気が進行してしまったりすることを防ぐ、受け皿のような役割も担っています。

本場・スウェーデンでは助産師・看護師・臨床心理士・産婦人科医が常駐する場合が多いそうですが、スマルナステーションでは基本的に助産師が対応。医療の助けが必要な場合は同じビル内の婦人科クリニックをはじめ、地域のクリニックと連携する形態をとっています。

sumaluna

▲スマルナステーションの相談室。プライバシーに配慮した個室で、助産師に話を聞いてもらえる

 

Q どんな悩みで相談に来る方が多いのでしょうか?

相談の内容は、生理痛やPMS、生理不順から、性感染症、妊娠不安、避妊失敗とアフターピル、中絶、陰部の症状、パートナーとの関係性、セクシュアリティに関する悩みまでさまざまです。

以前に「PMSがつらくてピルを飲みたいけれど、お母さんがダメと言う」と相談に来られた方には、まずご本人のお気持ちを聞いてから、後日お母さまと一緒に改めてお越しいただいて、ご本人に代わってピルへの理解を深めていただくための説明をしたことも。ほかにも、「妊娠したかもしれないけど、一人で検査結果を見るのが怖い」という方に付き添って、婦人科で検査結果を一緒に見たこともありますね。人によって抱えているお気持ちや悩みに至った背景も違うものですから、まずはしっかりとお話を聞き、つらさを受け止めることが大切。そのうえで、どんな選択肢があるかをご提案し、解決に向けて一緒に歩んでいくような、お一人お一人に合った対応ができるように心がけています。

 

Q 利用方法を教えてください

スマルナステーションでは、オンラインLINE相談と対面相談がご利用いただけます。初対面の人には話しづらい、恥ずかしいと思われる方もいらっしゃるでしょうから、最初はLINEでご連絡をいただくことがほとんどですね。LINEだけで抱えている問題が解決に向かう方もいれば、やりとりするうちに対面に移る方もいます。LINEでは私たち助産師がどのような対応をするのか、きちんと話を聞いてくれそうかなどを感じていただくきっかけにもなっているようです。

 

Q どのような場合に婦人科に紹介されるのでしょうか?

お話を聞く中で、ピルの処方や、痛みやかゆみなどの症状があるときの治療、検査など医療的な対応が必要と判断した場合には、婦人科にご紹介することがあります。相談のハードルを下げるためスマルナステーションのご利用はすべて無料ですが、婦人科での保険診療・自由診療は費用がかかりますので、ご紹介する際にはその都度お伝えするようにしています。

 

Q 相談したことを家族やパートナー、友人に知られたりしませんか?

「誰にも相談できない」と悩む方が、安らげるようになるまで寄り添っていく、そんな相談相手になれたらと思っています。決して治療を無理強いしたり、勝手に親御さんやパートナーに口外したりもしません。「こんなことで相談してもいいのかな」というちょっとしたことでもかまいませんので、悩みごとがあれば一人で抱えずに一度ご相談ください。


smaluna station(スマルナステーション)
所在地/大阪市中央区東心斎橋1-14-14 T・Kビル3F
相談対応時間/9:30~18:30(土曜は9:30~12:30)
定休日/木曜日、日曜日、祝日 https://smaluna-station.com/

▼オンラインLINE相談
公式LINE/@672acioe
対応時間/10:00~18:00(木曜日、日曜日、祝日以外)

▼対面相談
公式HPより予約

 

 

取材・文=リンネル編集部

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