誰もが「隠れ我慢」をしない社会を目指す ツムラの<#OneMoreChoice 研修>をレポート

医療用漢方薬メーカーの<ツムラ>は、誰もが不調を無理に我慢することなく、心地よく生きられる健やかな社会を目指して2021年3月から<#OneMoreChoice プロジェクト>に取り組んでいます。

2022年8月27日、女性誌11誌・男性誌2誌の計13誌合同で<もっと話そう! Hello Femtech(フェムテック)>を実施している宝島社から、<#OneMoreChoice プロジェクト>の一環として開発された企業向け研修プログラム<#OneMoreChoice 研修>に社員男女32名が参加しました。

<#OneMoreChoice 研修>は、自分の隠れ我慢タイプやライフステージと起こりうる不調、その対処法などの知見を深め、 我慢以外の選択肢である#OneMoreChoiceについて考えることで、一人でも多くの「隠れ我慢」※1を減らせるようにすることを目的にしています。

ツムラが実施した調査※2で20〜50代女性の約8割が、心身の不調を我慢していつも通りに仕事や家事を行っていることが明らかになり、まずは“ツムラの社員が不調を「隠れ我慢」しない企業”を目指したいと考え、社内にてワーキンググループを発足。その活動の一環として、グループメンバーで研修を開発し、社内研修に加えて企業や団体など社外へも提供しています。
※1 「隠れ我慢」とは、心身の不調を我慢していつも通りに仕事や家事を行うこととツムラが定義 
※2  2021年3月 「隠れ我慢に関する実態調査」(全国20〜50代女性10000人対象)

司会進行はツムラ コーポレート・コミュニケーション室の大山尚美さんが担当。専門的なお話は各ジャンルのプロフェッショナルな先生に、ムービーを通じて講演していただきました。

このレポート記事では、<#OneMoreChoice 研修>の内容をはじめ、陥りがちな「隠れ我慢」や参加者の気づき等をお伝えします。


<#OneMoreChoice プロジェクトサイトより> https://www.tsumura.co.jp/onemorechoice/

01 「隠れ我慢」を知る

ツムラが20~50代の女性を対象に行った調査の中で、約8割の女性が疲れやだるさ、イライラなどの不調を我慢しているという結果がわかりました。
ほかにもこの調査を通じて、“周囲の不調”に関してはほとんどの人が「休むようすすめる」と答えている一方で、自身の不調を周りに伝えることのできる女性が半数を下回っており、“自分の不調”を我慢してしまうという傾向がわかっています。
また、「隠れ我慢をしなくても良いという自分自身の意識の変化が必要」と感じている女性が半数に上るという実態も。


(<#OneMoreChoice 研修>資料 2021年1⽉16日〜1⽉18⽇実施 全国の20〜50代⼥性10000⼈ ⼈⼝構成⽐に基づくインターネット調査より)

詳しいアンケート結果:https://www.tsumura.co.jp/onemorechoice/survey/

ワーク01 自分の我慢タイプを知ろう

ツムラの<#OneMoreChoice プロジェクトサイト>には、心理カウンセラーであり、MR(メンタルレスキュー)協会理事長 兼 シニアインストラクターを務める下園壮太先生が監修した<「隠れ我慢」チェッカーhttps://www.tsumura.co.jp/onemorechoice/checker/home/>というコンテンツがあります。今回の研修の最初のグループワークでは、A、B、Cの3つのグループに分かれて<「隠れ我慢」チェッカー>を実践し、チェックの結果わかった自分のタイプについて発表し合いました。

[隠れ我慢のタイプ]

○自分の成長のために前向きな我慢をする「頑張りやさんタイプ」
○自分よりも周りを優先してしまう「気遣いさんタイプ」
○感覚や感情の変化を感じ取りやすい「敏感さんタイプ」
○心身の不調を我慢しながら過ごしている「不調さんタイプ」
○我慢が癖になってしまっている「慣れっこさんタイプ」

・敏感さんタイプ(20代女性社員)
「大きい音が苦手だったり、季節の変わり目に体調を崩しやすいのは、変化に敏感だからなのかも。すごく当てはまると思いました。」
・頑張りやさん&気遣いさんタイプ(20代女性社員)
「私は2つに当てはまりました。生理痛がひどかったり、気圧で頭痛がすることがよくあるんですが、薬を飲めば大丈夫かなと乗り切ろうとするところがあるので、そういう部分は当てはまるなと感じました」
・気遣いさんタイプ(20代女性社員)
「体調だけではなく、人と比べてしまったりしがちなので、心のストレスも無視してはいけないんだなと感じました」
・頑張りやさんタイプ(40代女性社員)
「“頑張ってる自分が好き”という解説に共感しました。なんとなく我慢をしないのは逃げのように感じてしまうので、そんなところが当てはまるのかなと思いました。我慢が癖になっているのかもしれません」

注意すべき「隠れ我慢」

実際にそれぞれのタイプを確認したうえで、我慢には、成長につながる<効く我慢>と、辛く苦しいだけの<効かない我慢>があると下園先生からお話を伺いました。


(<#OneMoreChoice 研修>資料より)

02 ライフステージと起こり得る不調

自身の「隠れ我慢」タイプを把握したところで、次はライフステージのタイミングと、年齢ごとに起こる不調について、かしわの葉レディースクリニック院長の岡村麻子先生よりお話を伺いました。


(<#OneMoreChoice 研修>資料より ライフ・キャリアプランの記入例)

ワーク02 キャリアプランと体の変化

ライフステージのタイミングと年齢ごとに起こる不調については、ワークシートを使いながら進めました。加齢や環境などによって体の状態が変化し、なりやすい病気や症状も異なってきます。それを踏まえ、女性社員は<女性ならではのライフステージと不調>をイメージしてもらいながら記入。男性は自分のパートナーや家族を想像して記入しました。
また、記入してみた感想として下記のような意見がありました。

「子どもや親のことも全部関わってくるので、日々忙しさを感じています。今後は子どもの受験のことも考えないといけないタイミングに差し掛かってきているので、不測の事態に備える心構え的な意味でも、可視化できるというのはとてもいいなと思いました」(40代女性社員)
「予測していても大変なのに、予期せぬことが起こるということを改めて実感しました。過剰に心配しすぎることなく、ほどよく余裕を持って備える心構えをしようと考えるきっかけになりました」(40代男性社員)

女性ならではのライフステージと不調

グループワークの後、岡村先生は年代別の女性の体の変化について以下のようにお話くださいました。

「女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量は思春期に増え始め、20代後半にピークを迎えて、その後減少していきます。女性ホルモンは女性の全身に作用しているため、各年代ごとに、心身に大きな影響を与えます」


(<#OneMoreChoice 研修>資料より)

03 不調時の対処法

健康を管理していても不調が生じることは誰にでもあります。不調の際に「我慢」以外の選択肢としてどのようなものがあるのか、ツムラでは<健康管理><コミュニケーション><社内制度>の3つの選択肢を提案しています。


(<#OneMoreChoice 研修>資料より)

健康管理は、自分で行う<セルフケア><西洋医学><漢方医学>の3種類が主に挙げられます。

日本東洋医学会認定 漢方専門医・指導医でもある岡村先生から、漢方薬についても詳しい解説がありました。女性特有の不調・胃腸の不調・ストレス・自律神経の乱れ・冷えなどに用いられる漢方薬とその効能など、漢方薬について新たな知識を得られる大変充実した内容になっていました。

最後に、おさらいを兼ねて司会進行の大山さんより、
○体質や症状に応じた漢方薬も選択肢の1つになること
○生活習慣の見直しとして、適度な運動や湯船に浸かること、冷え対策やバランスのよい食事を心がけること
○20代からかかりつけの婦人科を持つこと
○定期的に健康診断や自分の年代に多いがんの検診を受けること
といった健康管理の方法を、#OneMoreChoiceの提案として挙げていただきました。

04 コミュニケーションでできること

#OneMoreChoice プロジェクトサイトでは、「隠れ我慢」をしない、させないための社会生活を送る上でのヒントをちりばめた「隠れ我慢画」を掲載しています。


(<#OneMoreChoice 研修>資料より)
隠れ我慢画 https://www.tsumura.co.jp/onemorechoice/gamanga/

<隠れ我慢画>は、仕事や家庭で遭遇する「隠れ我慢」のあるあるエピソードを一コマ漫画で掲載中(現在episode.13まで)。
「こんなときはどうしたらいいのか」という具体的な対策を、コミュニケーション研究家、コラムニストの藤田尚弓先生が日常に起こりうる「隠れ我慢」に対し、ひとつひとつ丁寧に解説&アドバイスしています。

05 これがわたしの#OneMoreChoice

#OneMoreChoice プロジェクトサイトでは、様々な業界で活躍している方がご自身の言葉で発信する「これがわたしの#OneMoreChoice」というインタビューを読むことができます。
これにちなんで、最後のグループワークとして、研修を通じて感じた<新しい選択肢>を参加者それぞれが考えて持ち寄り、発表を行いました。

(※Teams画面より 宝島社社員それぞれの「これがわたしの#OneMoreChoice」)

おわりに

最後のまとめとして、ツムラの大山さんから、今後もこのような活動を通じて「周りのつらさを思いやるきっかけづくり、誰もがもっと心地よく生きられる健やかな社会づくり」に貢献する取り組みを行っていくことが宣言されました。

<#OneMoreChoice 研修>を通じて、多くの人が抱える「隠れ我慢」の実態と対処方法を学び、受講した社員の中での「隠れ我慢」や「我慢に代わる選択肢」に関するリテラシーが向上しました。

<#OneMoreChoice 研修>は、希望する企業・団体等であれば無償で研修を受けられるプログラムです。この記事を読んで自社でもやってみたいと思われたら、#OneMoreChoice プロジェクトサイト(https://www.tsumura.co.jp/onemorechoice/learning)から申し込みください。

宝島社社員は、男女問わず幅広い世代に情報発信を行うメディアの一員でもあります。今回の経験を経て、<もっと話そう! Hello Femtech>がより一層有意義なものとなることを確信しています。

問い合わせ先
株式会社ツムラコーポレート・コミュニケーション室広報グループ(宮城、大山)shuzai@mail.tsumura.co.jp

取材・文/アダチミカ
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