閉経を迎える50代女性は「萎縮性膣炎」になりやすいといわれています。
萎縮性膣炎は性交痛の原因のひとつ。
治療法や、痛みが心配なときにパートナーとのスキンシップを楽しむ方法についてご紹介します。
50代女性に多い「萎縮性膣炎」
50代女性で性交痛があるとき、よく見られる原因のひとつが萎縮性膣炎です。
原因は女性ホルモンの減少
萎縮性膣炎とは、更年期以降に女性ホルモンの分泌が減少することで、腟の粘膜が乾燥・萎縮し、炎症を起こしやすくなった状態のこと。
別名「老人性膣炎」とも呼ばれます。
女性ホルモンには膣の粘膜の潤いを保つ働きがあります。
女性ホルモンの分泌が少なくなることで、膣の粘膜が薄くなり、さまざまな症状を引き起こすといわれています。
デリケートゾーンの症状
萎縮性膣炎の症状には、性交痛や、性交時の摩擦による出血、色のついたおりもの、外陰部のかゆみや痛み、違和感などがあります。
性交痛があると、パートナーとの性行為に積極的になれなかったり、性行為での満足感を得られにくかったりなど、性生活における悩みが生じやすくなります。
主な治療法は女性ホルモンの補充
萎縮性膣炎の主な治療法は女性ホルモンの補充です。
膣錠(膣に入れる小さな錠剤)や内服薬で女性ホルモンを補うことで症状を改善します。
自分でできる対策としては、レギンスなど肌に密着した衣類を避け、通気性のよい下着やゆったりとした衣類を着るようにしましょう。
ほかの病気が原因のケースも
性交痛はほかの病気が原因で起こることもあります。
50代以降の女性に多い病気として「子宮体がん」が挙げられます。
子宮体がんの症状は、性交痛のほか、もっとも多い症状として不正出血があります。
性交痛や不正出血、そのほかデリケートゾーンのトラブルがあるときは婦人科を受診しましょう。
パートナーとのスキンシップを楽しむ方法
性行為を望みながらも性交痛の不安があるときに、パートナーとのスキンシップを楽しむ方法をご紹介します。
潤滑剤を使う
ひとつは、潤滑剤を使って性交痛を軽減する方法です。
潤滑剤は膣内の潤い不足によって起こる性交痛を和らげるアイテム。
潤滑剤を使うことで滑りがよくなり、性交痛の緩和が期待できます。
挿入のない性行為をする
もうひとつは、「挿入のない性行為」をする方法です。
挿入のない性行為は「バニラセックス」と呼ばれています。
バニラセックスの魅力は、挿入しないことで身体的な負担が少ないことや、挿入せずに相手を満足させるためにはどうすればいいかを考えることで、思いやりの気持ちが芽生えることです。
また、ときにはカップルで使えるプレジャーアイテムを取り入れて、挿入以外の新しい刺激を試してみるのも手です。
いずれの場合も、パートナーとのコミュニケーションが大切です。
求めているスキンシップの取り方について、お互いの気持ちを言葉で伝え合いましょう。
(まとめ)
萎縮性膣炎は更年期以降の女性に起こる自然な現象です。
体力や性欲の低下など、加齢に伴うからだの変化は男性にも起こります。
そうした中で、スキンシップの取り方が年齢とともに変化するのは自然なことといえるでしょう。
体の変化をポジティブに捉え、お互いを思いやることで、二人にとって理想のスキンシップが見つかるのではないでしょうか。
構成・文/大人のおしゃれ手帖編集部 画像協力/PIXTA
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