急に気温や湿度が下がり、寒くなってきました。そうなると、妊婦さんにとって心配なのが、風邪やインフルエンザなどの感染症です。お薬との付き合い方、感染した場合の胎児への影響などについて産婦人科医の三井真理先生にお伺いしました。
インフルエンザ、コロナ、ノロウイルスなどに注意!
――これから本格的な冬を迎えますが、この時期にいちばん気を付けたい病気はなんですか?
「いちばんは感染症ですね。感染といっても種類はたくさんあります。インフルエンザやコロナなど呼吸器系からくるのはもちろんですが、ノロウイルスなど吐き気や嘔吐などを発症するケースも見られます」(三井先生)
――確かに、妊婦さんに限らずこれらの感染症は冬の時期にニュースになりますから。仮に、だるさや食欲不振など、風邪のような症状を感じた場合、まずどうすればいいでしょうか?
「倦怠感、咳など風邪の初期症状が出たときは、まずは休養がいちばんです。それと念のためにかかりつけの病院に連絡しましょう」(三井先生)
妊娠中は抵抗力が下がっているので症状が悪化することも
――これから本格的な冬を迎えますが、この時期にいちばん気を付けたい病気はなんですか?
「いちばんは感染症ですね。感染といっても種類はたくさんあります。インフルエンザやコロナなど呼吸器系からくるのはもちろんですが、ノロウイルスなど吐き気や嘔吐などを発症するケースも見られます」(三井先生)
――確かに、妊婦さんに限らずこれらの感染症は冬の時期にニュースになりますから。仮に、だるさや食欲不振など、風邪のような症状を感じた場合、まずどうすればいいでしょうか?
「倦怠感、咳など風邪の初期症状が出たときは、まずは休養がいちばんです。それと念のためにかかりつけの病院に連絡しましょう」(三井先生)
感染症対策は、うがい手洗いを徹底すること
――冬の体調管理は妊婦さんにとって大事ですね。先生は、いつもどんなアドバイスをされていますか?
「感染対策は基本的に手洗いうがいを徹底することがいちばんです。コロナのときはみなさん手洗いやマスクをしていましたが、コロナが5類になったことで少し緩んでいるようです。しかし、冬はコロナ以外にもいろんな菌が繁殖し、感染症が流行します。何かしらに感染した場合、私たち医師は症状を良くすることはできても、感染した事実をゼロにすることはできません。ですから、日ごろからご自身で気を付けていただき、最初からかからないようにすることが生まれてくる赤ちゃんを守ることにつながります」(三井先生)
――もし、何かの感染症にかかった場合、胎児に影響はありますか?
「風邪やノロなど感染症の病気が原因で胎児に影響を与える可能性はあります。例えば、ノロウイルスに感染し、激しい嘔吐や吐き気が続いた場合、妊娠中は比較的短時間で脱水症状になります。また、38℃以上の熱がずっと続いている場合にも負担がかかり、頻脈などの症状がでることがあります」(三井先生)
――少しの風邪でもほおっておかないほうがいいですね。
「さきほどお話した自分は風邪だと思っていても、じつは子宮の病気の可能性もあります。子宮から何らかの原因でばい菌が入感染を引き起こした場合、胎児の命にかかわることはあります。風邪なのか子宮の病気なのかという線引きは自分ではできないので、何かあったときはやはりかかりつけ医に相談してください」(三井先生)
まずはうがい手洗いを徹底して感染症対策をすること、そして人混みが多い場所はなるべく避けることなど、身の回りでできる対策を心がけることが大切です。そして、少しでも体調に不安を感じたら、自分で判断せずに、遠慮なくかかりつけ医に話してくださいね!
教えてくれたのは…国立研究開発法人 国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター 不育診療科 診療部長 女性の健康総合センター プレコンセプションセンター 三井真理先生
【PROFILE】日本大学大学院医学研究科博士課程修了。医学博士。日本周産期・新生児医学会認定 周産期(母体・胎児)専門医・指導医。日本産婦人科学会認定 産婦人科専門医・指導医。
取材・文=夏目 円
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