妊活や不妊治療って実際どんなことをするの? パートナーと取り組む不妊治療について、男性不妊についてなどタレントの安田美沙子さんと産婦人科医の岡田有香先生に語ってもらいました。
体外受精は年間55万件。多くの方が挑戦している
岡田(有香先生):2022年の4月から不妊治療の保険適用が始まったんですけど、そこで大きく変わったのが、保険適用で体外受精を始める時は、必ずパートナーも同席するようになったんです。ご主人がなかなか来院できないという方が多かったのですが、ここ1〜2年でようやくパートナーと来られる方が増えましたね。
安田(美沙子さん):やっぱり二人のことっていう意識が高い方がいいですね。
岡田:そうですよね。そこをちゃんとパートナーも理解して、一緒に取り組むことは大切だと思います。原因としては、男性不妊も半分ぐらいありますしね。
安田:結構多いですね。
岡田:現代人は忙しすぎて、射精の回数が減っているんですよね。1週間溜めた精子は運動率が悪いので、ベストなタイミングであっても妊娠にたどりつかない場合も多いです。
安田:知らなかった〜! 私は子宮内膜症の治療のためにピルを飲んでいたので、妊活のために服用をやめて、タイミング法を試したのですが、そもそもタイミングを合わせるって難しいですよね。
岡田:そうですね。やっぱり自分の生理周期をちゃんと記録して、排卵日をある程度予測できるようにしておくのが大事です。週に1回タイミングを持っていても、排卵日じゃなければ、その月はチャンスがなくなってしまうので。
安田:そうですよね。私のまわりだと、不妊治療や体外受精をしている人って、けっこういるんですが、先生のクリニックでも増えていますか?。
岡田:働く女性が増えているので、不妊治療でないと授かれないという人は増えていますね。卵子の数は限られているので、パートナーがいなくても30代に入ったらAMH検査で卵子の在庫を調べてもいいかもしれません。さらに35歳が近づいてきたら、卵子凍結という選択肢も。卵子凍結の推奨年齢は36歳未満というガイドラインがあって、東京都の卵子凍結の助成金は 39歳までは適応になるので、そこが一つ年代的には考えるポイントかなと思います。
チェックしておきたい妊活にまつわる助成金
東京都特定不妊治療費(先進医療)助成
体外受精・顕微授精の際、保険適用された治療と併用して自費で行う先進医療の費用を一部助成する制度。治療開始日の妻の年齢が39歳までの夫婦は6回まで、40歳から42歳までの夫婦は3回まで受けられる。先進医療にかかった費用の10分の7まで、15万円が上限。東京都のほか、各自治体が独自で実施している助成もあるので、チェックを。
卵子凍結に係る費用への助成
採卵を実施した日の年齢が39歳までの女性が対象で、採卵準備のための投薬、採卵、卵子凍結における助成。卵子凍結を実施した年度に上限20万円を受けられる。東京では2023年にスタートしており、全国各地で進んでいるので、自分の住まいの自治体で確認して。
対談したのはこのお二人!
タレント 安田美沙子さん
俳優、タレントとして活躍。現在は2児の母。趣味はランニングで、数々の大会に参加。食育インストラクター、健康食コーディネーターなどの資格を取得。
岡田有香先生
グレイス杉山クリニックSHIBUYA院長。2014年聖路加国際病院に入職、出産や不妊治療に関わる。2021年から杉山産婦人科でも不妊治療を学ぶ。妊活関連の情報をインスタグラムで発信中。
@dr.yuka_okada
撮影=イマキイレカオリ スタイリング=河野素子 ヘア&メイク=NANA 取材・文=弓削桃代
※InRed2024年12月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
※画像・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください。