普段の自分に縛られずキャラを確立させることで最強の男になる。
ナンパ師・零時レイ×恋愛マスター・くじらが語る究極の恋愛&ナンパ術(前編)
「ナンパであらゆる悩みは解決する!」。
5年間の引きこもり生活を経て、ナンパでコミュ障を克服。圧倒的自信とモテ力を身につけ、ついには社長の座に収まった異色の経歴の持ち主、零時レイさん。すご腕ナンパ師の理論とNLP(神経言語プログラミング)理論を組み合わせて編み出したナンパ術と、その自己啓発力を解説する『ナンパが最強のソリューションである』。その刊行を記念し、「くじらの恋愛相談LINE@」の登録者数が1万9千人を突破し、「恋愛マスター」の異名を持つ芸人のくじらさんと、零時レイさんの対談が実現。
おふたりが考える運命を切り開くナンパ力とは? 理想の恋愛とは?
(構成:葉月涼)
《目次》
■コンプレックスを開示するのは、「優しさ」
くじら 『ナンパが最強のソリューションである』を読みました。俺は芸人をずっとやっているので、スベったところからが勝負だ!というところはすごくわかります。
零時レイ(以下、零時) ありがとうございます。
くじら お笑いの現場って、スベってからが勝負なんです。「こうやって笑いを取ろう」と頭で考えていくと、収録現場じゃぜんぜん上手くいかない。どう転んでも絶対に対応してやる!っていう心持ちでいくと、意外と言葉が出てきたり、MCの人が助けてくれたりする。それと、コンプレックスは、隠すより認めてしまったほうがいい。
零時 そうっすね。隠そうとすると、頭でっかちになるというか。言っちゃった方が、その場での自分の状態がマシになるんですよね。そういう状態をちょっとでも作っていく。
くじら 俺なんて、芸人を目指したきっかけがコンプレックスだから。思春期には、コンプレックスについて、何か言われたくない、ツッコまれたくない、知られたくない、みたいな気持ちがありました。それを気にしないようになりたかった。ただ、お笑いの世界に入ると、コンプレックスを隠しながらはやれないんです。太ってるヤツは太ってることをイジらせないまま芸人活動はできない。それを、どんどんイジられて笑いにしていくうち、すごく楽になっていくんですよ。
零時 ナンパでも、自分がとらわれているものを外していく、軽くしていくことで、自分がしゃべれる状態を作っていくっていうのがあります。
くじら 俺ももう44なんで、何をイジられてもいいやと思っている。恋愛ってコミュニケーションの延長だから、こういう人のほうが強いのかなって思います。
零時 くじらさんみたいにコンプレックスがわかっていればいいんですが、自分が何に弱いか、自覚していない場合もあるんですよ。俺は今、ナンパ研究所「スパルタ部」でナンパ術を教えています。スベるのが嫌な人もいれば、かっこつけることにすごく抵抗がある人もいるんです。「人前でこんなにかっこつけるとか、ありえない!」って、自分で自分を抑え込んでいる。でも、「自分をかっこいい」と思っていない人が、女の子を魅了できるわけがないんです。「そこ、すごいブレーキあるよね。そこからやっていこうか」と指摘して、みんなの前でかっこつけさせる。まずコンプレックスを自覚させて、ちょっとずつ外していくと楽になっていくんです。
くじら コンプレックスを自分で開示するって、優しいと思うんですね。女性の方も必ず何かしらコンプレックスがあると思うから。それを先に開示してあげることで、「こんなことは大したことじゃないんだよ」って見せてあげる。そうすると、「あ、私もこんな面を出せるんだ」って。先に自分を出すのは、恋愛においてすごい優しさなんじゃないかなと思うんです。どんどん先に恥をかいてやるというか。
零時 なるほど。
くじら 合コンで、「よし、まず、みんな顔だけで選んでくれ!」って言ってみる(笑)。そうすると、「この人は見た目でイジってもいいんだな」となる。それは優しさだと思うんですよね。
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■クズを引き受けて下からいく強さ
零時 ナンパをしていても、やたら防衛本能が強い女の人に対しては、自分から下に下に、スキを見せてあげないといけない。そうでもない人には、1回イジってそれをどう受け取ったかを見てから、後でフォローする。「お前、友達いねえだろ」って言ってから、「俺、もっといねえから」ってかぶせるとか。「友達いねえわ、おい、今、気が付いたけど、敵100人ぐらいいるわ」とむしろオーバーにやっていく。女の人の中にも、相手としゃべりたいっていう気持ちが絶対あるんです。それを、「ナンパ師としゃべっちゃダメ」と我慢しているんですよ(笑)。それをスッと引き出してあげるんです。
くじら 下からいくのは有利ですよね。この間、婚活イベントにゲストとして出たんです。フリータイムになったら、明らかに男人気ナンバーワンの女性と、女人気ナンバーワンの男性がふたりきりでしゃべっている。他の人は、誰も行かないんです。それを見ていて、俺だったら絶対行くなって思ったんですよ。「ここがふたりでカップルになるのって、当たり前すぎてつまんなくない?」って。
零時 なるほどなるほど。
くじら 「好きな芸能人のタイプって、誰なの?」「福山さんか…よし!(ガッツポーズ)」 「お前、違うじゃん」みたいな(笑)。楽しい人だなと思ってもらえれば、連絡先の交換はできて、友達にはなれる。俺なんか下からいっているから、断然有利になっちゃう。
零時 あー。たしかに。
くじら 「自分をこう見せたい」っていうのがあると、厳しいと思うんですよ。まず、「別にどう思われてもいいや」が大前提としてある。俺、『踊る!さんま御殿!!』に4回出演したことがあるんです。最初に呼ばれたとき、俺以外のゲストはみんな売れている芸能人ばかり。もう芸能人として出ても笑いを取るのは無理だから、一般人として出ようと思ったんです。
零時 一般人(笑)!?
くじら 芸能人みたいな顔をして(明石家)さんまさんとやり取りしたって、ウケないんですよ。だけど、話をふられたとき、一般人として「俺、こんなすげえ人とお笑いなんかやれないよ。普段は同じような人とやってるんだから、話しかけないでください!」ってやったら、どっかんどっかんウケて。
零時 おおー!
くじら あの番組で史上初の3回連続踊るヒット賞を取ったんです。下から行くことは、圧倒的に武器になると実感しました。誰よりもピエロになってあげることで、器も見せられる。何か言われたら、「うるせーな!」って怒るんです。怒れるっていうことは、「別にそんなこと気にしてないんだよ」っていうことにもなるし。
零時 ナンパでもそういうことがありますね。死ぬほどクズをやってあげると、女の子はけっこう安心するんです。「こいつ、ほんとにクソだね」みたいな。たとえば、本気じゃないけど、恵比寿にあるすっごい汚い公衆便所に連れて行こうとしたりとか。
くじら (笑)!
零時 「どう思われてもいいや」って行動を、相手の想定を外すぐらいガンガン率先してやってあげる。そうすると、結局、楽になってるんですよ、女の人が。しかもその後、「もうしゃーねえ、諦めるよ、家でいっか」って言ったら、すごく妥協してあげたみたいな空気になります(笑)。「くっそクズ」を引き受けるっていうことを、今の一般男性はやっていないんですよね。昔はいっぱいいたと思うんですよ。あと、芸能界には、今もけっこういますよね。
くじら めちゃくちゃいますね。
零時 自分をかっこよく見せないことで、「どんだけ強いメンタルがあるの?」「こいつ、今まで何を経てきたんだろう」と、興味を引くことができる。こっちがクズをやると、相対的に向こうが上がりますからね。
くじら それって、下がっているように見せかけて、下じゃないんですよね。これは演出であって、卑屈になるってことじゃない。下からいってるように見せて、自分は下げないっていうのが大事。
零時 どっかでいばっているとか。
くじら イジられても、「俺、ダメだもんね、そうだよね、へへへ」だと気持ち悪くなるけどね。「うるせーな、どこがダメなんだよ」って怒んないとダメだと思う。下に見せるくせに、イジられたら怒る、ツッコむ。コンプレックスじゃなくて、受け入れて、それを全部エンターテインメント化している。その度量を見せるんです。さっき零時さんが出したクズの話だと、クズの人といっぱい触れ合うと、自分の度量が広くなってくるんですよね。他のクズを見ても驚かないとか。そうすると、人に対して許せるようになってくる。こんな人もいるんだ、こんな生き方もあるんだって。価値がどんどん広がっていくから、人に対して優しくなれるんです。俺、最大の愛情表現は人を許すことだと思うんですよ。そこができるようになると、愛情ってすごく深くなっていくはず。
■ナンパのよさは、コミュニティに縛られないこと
くじら 俺は、恋愛の本質って確率だと思うんですよ。2人にアプローチして1人がOK してくれる人もいれば、10人に1人、30人に1人という人もいる。その確率を、自分自身で知ることが大事。もし30人に1人だったら、300人に行けば10人、3,000人行けば300人の中から選べるわけです。その中で好きな恋愛をしていくっていうのがいい。ナンパは、自分の行動力でそれをどうにでもできるわけですよね。
零時 そうですね。
くじら よくいるのが、自分が好きになった人に、好きになってもらおうとする人。それって、相手次第ですよね。自分でどうにもならないことに自分をゆだねるっていうのが、俺は一番苦しくなってしまうと思う。それと、「モテない」ことですごく悩んでいる人も多いですよね。むしろ、モテない人のほうが普通だし、モテるほうがマイノリティ。だから、モテないことを引け目に感じず、自分からどんどん行動して、いろんな人に声をかけて、自分の好きな恋愛を掴んでいくのは、俺は素晴らしいことだと思う。
零時 ナンパで一番いいのは、普段の自分に縛られないことなんです。中学や高校、会社では、コミュニティ内で一度キャラを確立しちゃうと、その範囲でしか動けなくなってしまう。何かやらかすと恥の歴史として残っちゃうので、空気を読めば読むほど動けなくなるんです。でも、ナンパの場合は、そのコミュニティでの自分から自由になれるわけですよ。
くじら うんうん。
零時 ナンパだったら一度声をかけた女性に二度と会うことはないんです。だから、急にモデルみたいな勘違い野郎になってもいい。コミュニティ内でやったら、全員から「おめー、そんなんじゃねえだろ」とイジられるけど、それが一切ないんですね。そうすると、普段出していなかった自分がヒュッと出てくる。
くじら 「転校初日」みたいなノリですね(笑)。転校だと一発目に失敗するとその後がつらいけど、ナンパならフラれても次に行けばいいだけの話だもんね。
零時 くじらさんの著書、『君はモテないんじゃない、フラれてないだけだ』(扶桑社刊行)、『世の中には、誰とでも幸せになれる人と、誰といても幸せになれない人の二通りしかいない。』(宝島社刊)を読ませていただきました。基本、悩みがコミュニティ内にとどまっている女の人が多いですよね。
くじら 結局、モテる人は、モテるコミュニティにいるんですよね。モテない者同士で集まって、「いつかいい人と付き合おう」っていうのは無理。だから、何が一番早いかっていったら、モテるコミュニティに図々しく入っていくことだと思うんです。俺みたいなのがモテるコミュニティにバッと入っていくと、最初は「なんなの? この人?」ってなる。次に、「こんなに堂々としているんだから、何かあるんじゃないの?」と入り口が柔らかくなってくる。そこからいろいろしゃべるようになると、「何か面白い人じゃない?」と、友達にはなれる。そうするうちに、どこかで恋愛が始まる、と。結局、図々しい人のほうがモテるから。
零時 「図々しい人がモテる」。まさにそう思いますね…。
くじら (笑)。
零時 モテるコミュニティに入っていくって、すごく厳しいと思うんですよ。そこを突破してこそだとは思うんですけど。ナンパの場合だと、一人の女性をとりあえず騙す――というか、錯覚させればいいんです。そうすると、モテる奴だと見てくれる。最初は2秒、3秒錯覚させるところから始めて、2分、3分…1時間、2時間と延ばしていく。それがずっと冷めなかったら、その女性の中に、「モテる奴」として自分を定着させることができる。いろんなタイプの女性に対して同じことを成功できれば、モテる自分を確立する、みたいなことが起こせます。
くじら 人間って、変わる、変えられると思うんです。コミュニティの中だけにいて、「自分はこういう人間だ」って決めちゃうのは、俺はすごくもったいないなと思っていて。人間って、自尊心や自己肯定感は、生まれた瞬間が一番高い。それが、大人になるにつれて、 こんなことがあったな、こんなこと言われたなって積み重なって、「自分はこういう人間なんだ」と自分の可能性をぎゅうぎゅうに縛りつけるようになる。それを違うコミュニティに行くことで、自尊心を取り戻す。「なんでもいいんだ、俺なんて」と宣言してみる。それはすごくいいやり方な気がします。
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(書籍紹介)
『ナンパが最強のソリューションである』
「モテ、コミュ力、仕事での交渉力。すべての悩みはナンパで解決する!」。5年間の引きこもりを経て、33歳のときにナンパに出会い、その自己啓発力に気づいた著者。すご腕ナンパ師たちの技を、心理学、行動経済学、NLP(神経言語プログラミング)などをもとに体系化し、誰でも習得可能な形にして伝授。実体験をまじえ、ナンパのタイプ別にわかりやすく解説する。