年金だけで老後の生活を支えるのは難しい時代。若いうちから老後資金について考えることが大切です。そこで注目したいのが投資です。まとまったお金がないとできないと思われがちですが、そんなことはありません。ファイナンシャルプランナーの松方ヒロさんが投資を始めるための準備、年代別の投資への考え方を教えてくださいました。
教えてくれたのはこの方
松方ヒロさん
ファイナンシャルプランナー。主に情報誌を中心に、お金の貯め方、使い方、増やし方について取材・執筆活動を続ける。
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投資は早く始めるほど、じっくり時間をかけながら複利の効果でお金を増やしやすくなります。しかも、一気にまとまったお金を用意する必要はありません。
とはいえ、誰でもすぐに投資を始めていいわけではありません。投資に回していいのは余裕資金だけ。すぐに必要になるお金や、いざというときのお金は、預金など元本が保証されていて自由に引き出せるもので管理しましょう。また、老後が近づくほど投資のリスクを下げることも大切です。
貯蓄も投資も、自分や家族の将来のために行うもの。「攻め」と「守り」を使い分け、賢くお金を用意しましょう。
投資スタートまでにクリアすべき3つのSTEP
STEP 1:3〜6カ月分の生活費を貯める
月収の3〜6カ月分の貯蓄があれば、万が一仕事を辞めることになったり、病気をしたりしても対処しやすくなります。先取り貯蓄の仕組みを整えて、預金など換金性が高く、元本が保証されている金融資産で用意しましょう。
“非常事態”が起きても大丈夫かチェック!
□急に病気になったり、入院したりしたときの医療費は支払える?
□会社に万が一のことがあっても転職するまでの生活費がある?
□急な引っ越し、冠婚葬祭などに使えるお金はある?
STEP 2:直近の大きな出費への備えをする
減らしてはいけないお金は投資に回さないのが鉄則。結婚や出産、マイホームの購入など1〜2年以内に大型支出の予定がある場合は、生活費とは別の口座に準備資金を蓄えておきましょう。
□結婚、出産、子どもの学校入学など、1〜2年以内に予定しているライフイベントへの資金準備は万端?
□車やマイホームなど、近々大きな支出を伴う買い物をする予定はない?
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STEP 3:この先の収入のメドを確認
月収や年収のメドが立っていれば、「毎月このくらいなら積み立て投資に回してOK」と把握しやすくなります。とはいえ、無理は禁物。積立額を多めに設定すると、結果的に表向きの家計が赤字になったり、挫折してしまったりする可能性があるので要注意です。
→余裕資金で少しずつ投資を始めてもOK!
年代別 投資にまつわる「攻め方」「守り方」のコツ
20代:いざというときのお金を貯めつつ少額からでも投資をスタート!
突発的な支出に備えて、安全性が高い預金でお金を貯めるところから始めて。収入が安定している人は、100円からスタートできる投資信託の積み立てや、ポイント投資サービスなどで投資感覚を養うのもいいでしょう。
POINT
□投資信託の積み立てなど、「コツコツじっくり」増やすことを意識
□「ポイント投資」などで、投資の向き・不向きや感覚を知るのも手
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30代・40代:「攻め」と「守り」を見極め手元のお金を上手に“配分”して
ライフスタイルによってお金の計画が大きく変わる年代。子どもがいる人は低リスクの金融商品を使って、教育資金など中期的に必要となるお金の準備を。ボーナスは中長期的な投資に回し、老後資金の準備も始めましょう。
POINT
□教育資金など、この先必ず必要になるお金はリスクが少ない金融商品で準備
□老後に向けて、ボーナスなどの余剰資金を投資に回したい
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50代:資産を取り崩す老後に向けて少しずつ「守り」へと移行したい
老後資金を準備するには最後のタイミング。リスクが高めの金融商品で運用してきた人は、安全性と流動性が高い資産への移行を始めて。早期退職でまとまったお金が入っても、一気に投資につぎ込むのは避けましょう。
POINT
□株やアクティブ型の投資信託など「攻め」の資産が多い人は、少しずつ「守り」の資産に切り替えを
□「退職金で一括投資」など、一気にお金を増やそうとするのはNG!
(抜粋)
TJ MOOK『お金の不安をなくす本』
https://tkj.jp/book/?cd=TD295262
監修:梅田泰宏、西山美紀、松浦建二、松岡賢治、松方ヒロ
執筆・編集/山口佐知子、西山美紀、松岡賢治、松浦建二、木村 敬、松方ヒロ
イラスト/大野文彰(大野デザイン事務所)、水谷慶大、achaca
編集/FASHION BOX
(TJ MOOK『お金の不安をなくす本』)
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