完全室内飼育の猫であっても、猫は遊びたくてたまらない動物です。たくさん遊んであげることで、猫のストレスを解消したり、肥満を防止したり、愛情が深まったりのいいことずくめ。野矢雅彦先生が猫との遊び方について詳しく教えてくださいました。
教えてくれたのはこの方
野矢雅彦(のや まさひこ)
ノヤ動物病院院長。日本獣医畜産大学獣医学科卒業。1983年にノヤ動物病院を開院。ペットの診察・治療はもちろん、動物と人とのよりよい関係を作るために幅広く活動中。ペット関連書籍の執筆・監修も多く手がけています。病院ではパピークラス、しつけ相談開催の他、ペットの預かりにも対応しています。
ノヤ動物病院
埼玉県日高市上鹿山143-19 TEL:042-985-4328
猫にとって大切な「運動」
猫は都会の野生動物といわれるほど、本能が強く残っています。完全室内飼育であっても、狩猟や探索をしたい、体を動かしたい、という欲求があります。これらが満たされない場合、ストレスが蓄積して健康に悪影響を及ぼす恐れがあります。また、運動は健全な骨格や筋肉を作るために欠かせません。
子猫の頃は活発に動きますが、成長するにしたがって目的のない動きが減り、省エネで暮らすようになります。野生動物は狩猟や探索の時を除き、休息する習性があるからです。猫本来の欲求を満たして運動させるために、遊びを取り入れましょう。
飼い主さんとの遊びはコミュニケーションにも役立ちます。遊ぶ時には市販のおもちゃを活用するとよいでしょう。まずは猫の好みや性格に合わせて探します。猫じゃらしタイプが最もポピュラーですが、さまざまな形状や素材のおもちゃがあります。新しいものを好む好奇心旺盛な猫なら、飽きさせないように種類を変えるのもひとつの方法です。
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猫の遊び
おもちゃ
釣り竿、猫じゃらし、ボール、ライトなど、さまざまな形状のおもちゃが市販されています。布製、プラスチック製、毛皮製など素材も多種多様。猫の好みのものを見つけましょう。
追いかけっこ
飼い主さんがおもちゃを持って誘導しながら、追いかけっこを楽しみましょう。相性がよい猫同士の多頭飼育であれば、高低差を移動しながら猫同士追いかけっこができます。
じゃれ合い
猫同士ならではのプロレスごっこなので、飼い主さんとの遊びとは違った充実感を得られるかもしれません。興奮が高まるとトラブルの恐れがあるので注意しましょう。
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猫の好きな動きを覚えよう
ネズミの動き
急に走ったり立ち止まったりするネズミの動きを真似しておもちゃを動かします。スピードに変化をつければ、猫はハンターのような気分で夢中になって追いかけるはずです。
虫の動き
落ち葉の下でカサコソと動く虫や、ヒラヒラと飛ぶ虫のような動きも猫は好みます。おもちゃを布の下に隠して動かしたり、空中で不規則に動かしたりしてみましょう。
鳥の動き
飛んでいる鳥のように、おもちゃを空中のやや高い位置で動かしましょう。鳥の羽ばたきに似ているバサバサという音が出るおもちゃもあるので、上手に活用しましょう。
待ち伏せの動き
猫は獲物の動きを予測して先回りする習性があります。おもちゃの動きを先回りして追うようになったら、その裏をかくように予想外の方向に動かしてみましょう。
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猫の運動に関する疑問を解消!
Q:遊びの誘いには乗るべき?
A:猫の遊びは短時間集中型なので、急ぎの用事がなければ時間を割いて誘いに乗ってもよいでしょう。難しい場合は無視をしていればやがてあきらめます。時には猫の誘いに乗って楽しい時間を過ごすことも大切です。
Q:運動嫌いの猫を運動させるには?
健康な猫には活動意欲があります。もし動きたがらない場合は、体に痛みがあるのかもしれません。まずは動物病院に相談し、必要に応じて検査を受けたほうが安心です。問題がなければ遊ばせ方を見直しましょう。
Q:遊びのやめ時は飼い主さんが決めてOK?
遊びは互いにとって楽しい時間であることが大切です。飼い主さんと猫のどちらかが遊びに飽きた時がやめ時かもしれません。やめるタイミングはルールのように決めず、自分や猫に合わせましょう。
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(抜粋)
TJ MOOK『幸せ猫の長生きBOOK』
https://tkj.jp/book/?cd=TD295538
監修:野矢雅彦
編集/コサエルワーク
編集協力/高橋ヒカル、コダマユミコ
協力/森 瑞(4TuneBox)
執筆/市川知世子、小嶋ひろみ、東 志津
撮影/奧村くみ子
写真協力/PIXTA
編集/FASHION BOX
(TJ MOOK『幸せ猫の長生きBOOK』)
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