スマホは生活に欠かせない便利な道具。そんなスマホを使う上でのルールは家庭それぞれで違っていてOK。でも「これだけは外せない」全家庭共通の絶対必須ルールがあります。ネットの正体を知れば、自然とこのルールの大切さが理解できるはず。これが「わが家のルール」づくりへの第一歩です。家族でスマホのルールを決めるときは、具体的なリスクを知り、どんなルールならそのリスクを回避できるのかを知ることが重要。決して自由な世界ではないインターネットの正体を知って、「わが家のスマホルール」を決めましょう!
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ネットに載せられるのは、玄関に貼れるものだけ
多くの人はインターネットを、匿名で発言できる自由な世界だと思っています。しかし、これはまったくの勘違いです。何か問題になるような、悪い注目を集めるような投稿をすれば、必ず批判の集中砲火を浴び、身元特定に至ってしまいます。
ネットは、誰が投稿したかではなく、何を投稿したかによって、集まってくる人間の数が0から100万、1000万に変わります。そして、集まった大勢の中には、投稿者を知っている人間が必ずいて、身元が特定されてしまうのです。
法に触れる行為は論外ですが、些細な行き違いからトラブルに至ることもあります。ではどうすれば良いのか。ネットはすべて、自宅の「外」だと思ってください。ネットに投稿するということは、表札のついた玄関ドアに貼り出すのと同じこと。ネットに違法行為や迷惑行為の動画を流すということは、玄関の前でそのような行為をしているのと同じことです。
家の玄関に貼れるものはネットに書いてもいいし、家の玄関に貼れないものはネットには書かない。玄関の前でできない行為は、ネットで見せるべきではありません。家の玄関に貼れるもの、玄関の前でできることは限られています。ネットの自由なんてそんな程度です。匿名の自由な空間だと思って、好き勝手にやれば、必ず炎上する。これがインターネットの正体です。
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ルールの目的は守ることではない
親子でスマホのルールをつくるとき、「ルールを守ってさえいれば安心。ルールを守ることが重要」と考えるのは失敗のもとです。ルールを守っても、問題の解決や状況の改善ができなければ意味がないのです。
たとえば、「スマホは9時まで」というようなルール。親は勉強や睡眠の時間を確保させたいのですが、9時以降のスマホを禁止することに、勉強時間の確保や寝不足解消の直接的な効果はありません。目的を達成するためには、「わが家は何時間勉強しなければいけない」「何時間睡眠をとらなければいけない」というルールにするべきです。
スマホのルールは状況に応じて変えましょう。特に夏休みに入る、部活動を始める、といった環境の変化があれば、その都度、ルールの見直しを。それまでのルールが成立しないこともあるのです。環境の変化によってルールが守れなくなってしまったというケースは、実は珍しくありません。
フィルタリングは自賠責と心得る
フィルタリング(サイトやアプリへのアクセス制限)は車社会でたとえると自賠責保険。入るべきとか必要ないとかいう議論以前に、国が決めたルールです。子どもがスマホを買うときに、フィルタリングを入れないというのであれば、親はそのことに関して承諾の一筆を提出する必要があります。
では、国のルールに従えば安心かというと、決してそんなことはありません。フィルタリングは自賠責にすぎないので、明らかな薬物サイトやわいせつサイト、出会い系サイト、自殺サイトなど、真っ黒なサイトをカバーするだけなのです。
とはいえ、フィルタリングは子どもを有害サイトから守る基本的な機能。親はその仕組みを理解し、的確にチューニングしましょう。子どものキャラクターや成長度合いに応じて、制限の強さを調整することで、「使いにくいからフィルタリングを外そう」とならないようにすることが大事です。
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このコンテンツの監修者は……
小木曽 健(おぎそ・けん)
【Profile】
1973年、埼玉県生まれ。IT企業でCSR部門の責任者を務める傍ら、書籍執筆や連載、メディア出演などを通じて情報リテラシーに関する情報発信を幅広く行っている。著書は『11歳からの正しく怖がるインターネット』(晶文社)、『ネットで勝つ情報リテラシー』(ちくま新書)など。
(抜粋)
監修/小木曽 健
取材・文/浅羽 晃
イラスト/大室絵里、Illust AC
写真提供/photo AC、フォトライブラリー
編集/青木康洋、小山田花子(OT EDIT)、高野成光(OT EDIT)
WEB編集/FASHION BOX
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※ 記事に掲載されている情報は、いずれも2019年9月時点のものです
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