スマホが体に悪いというさまざまな説が、ネットを中心に流布しています。老眼や認知症をまねいたり、ブルーライトが悪影響を及ぼすといった噂は本当なのでしょうか? 専門家に真偽を伺いました。
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スマホを悪者にせず情報の信憑性を確かめる
たとえば、スマホ老眼。スマホを長時間見続けていると、水晶体の厚みを変えてピントを合わせる毛様体と呼ばれる筋肉が凝り固まり、ピント調節ができなくなることで老眼の症状があらわれるというのです。
たしかに、目に近いものを見続けていれば、ピント調節が難しくなることもあるでしょう。少なくとも目が疲れることは、多くの人が体験的に知っているはずです。しかし、それはスマホの問題なのでしょうか。
本を読み続けていても目は疲れるし、場合によってはピント調節が難しくなるかもしれません。スマホにしても本にしても、見続けて目が疲れる前に、遠くを見るなり、目を閉じるなりして、目を休ませればいいのです。スマホの弊害に関する情報に対しては、「その情報を流すことで得するのは誰か?」といった視点を持つようにしましょう。
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スマホ認知症という言葉もあります。スマホを使うとマルチタスクになって脳が疲弊し、認知症になるというのですが、研究段階であり、タバコと発がん性のような誰もが納得するエビデンスがあるわけではありません。
ただ、スマホのメモ機能を使うと、脳で記憶する必要がないため、記憶力が低下するということは考えられます。しかし、これもスマホが悪いということではないでしょう。
20年以上前は、親戚や親しい友人、取引先の電話番号などは暗記したものです。ところが、携帯電話が普及し、電話帳機能を使うようになると、記憶する必要がなくなりました。便利になることで脳を使わなくなることは、いろいろとあります。根拠もなしにスマホを悪者扱いするのではなく、記憶力の低下が不安であるのなら、脳のトレーニングに励めばいいのです。
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スマホのブルーライトが問題視されることもありますが、これは物事を分けて考えるべきでしょう。ブルーライトは青空の青であり、ブルーライト自体が有害ということはありません。スマホのブルーライトを浴び続けても、問題はないのです。
しかし、就寝前にブルーライトを浴びると、青空の下にいるのと同じことですから、質のいい睡眠の妨げになります。また、スマホでネットを見たり、SNSでやり取りしていると、リラックスしているつもりでも、自律神経は交感神経優位の状態となり、心身は休まりません。これも質のいい睡眠の妨げとなるので、就寝前のスマホはできるだけ避けたほうがいいでしょう。
つい夢中になってしまうスマホですが、疲れを感じたらひと休みするという使い方がいいのです。
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このコンテンツの監修者は……
小木曽 健(おぎそ・けん)
【Profile】
1973年、埼玉県生まれ。IT企業でCSR部門の責任者を務める傍ら、書籍執筆や連載、メディア出演などを通じて情報リテラシーに関する情報発信を幅広く行っている。著書は『11歳からの正しく怖がるインターネット』(晶文社)、『ネットで勝つ情報リテラシー』(ちくま新書)など。
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(抜粋)
監修/小木曽 健
取材・文/浅羽 晃
イラスト/Illust AC
写真提供/Photo AC
編集/青木康洋、小山田花子(OT EDIT)、高野成光(OT EDIT)
WEB編集/FASHION BOX
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※ 記事に掲載されている情報は、いずれも2019年9月時点のものです
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