いまや生活必需品といっても過言ではないスマホ。ゲーム、アプリ、LINEスタンプなど……お子さんを持つ家庭では、スマホを使った課金が心配ですよね。ルールを知れば課金で失敗することはありません。「親の知らぬ間に子どもが勝手に課金してしまう」ことは、実は起こりえない、と専門家の小木曽さんは言います。では、なぜそんなことが起きているのか? その仕組みを理解するところから始めてみましょう!
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課金の仕組みを理解して設定
そもそも、新しいスマホを子どもに手渡しただけでは、親に無断で課金することなどできません。課金するためには、クレジットカード情報を登録したり、携帯の電話代に課金分を上乗せする手続きが必要だからです。
親のクレジットカードを勝手に使って……というケースについては、もはや家庭内の問題ですし、そんな子がスマホを「道具」として使いこなすことは、まだ難しいでしょう。
「課金分を電話代に上乗せする設定に勝手に変更していた」というケースも同様です。その変更のために必要なパスワードを子どもが知っている状況が問題なのです。心配であれば、その変更すらできないように、電話会社に申し込むことも可能です。
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「未成年者契約の取消し」の存在を知っておく
子どもの課金トラブルを防ぐために親がすべきことは、課金の仕組みを理解することですが、関連する法律を知っておくことも大事です。「未成年者契約の取消し」は子どもの課金トラブルに対して有効な法律であるにもかかわらず、あまり知られていません。
たとえば、子どもが親の了解を得ずに、ネット通販で10万円のダイエットフードを購入したとします。親としては納得できないのですが、子どもは半分くらい食べてしまっています。こんなとき、どうしますか?「封を切って、しかも半分は食べてしまっているのだから、あきらめるほかない」―。そんなふうに考える親は多いのではないでしょうか。
実はこうしたケースでも、本人(子ども)か法定代理人(親)が求めれば、契約を取消すことができます。未成年者契約の取消しのポイントは、契約時にさかのぼって、最初から無効なものとされることです。つまり、代金支払いの義務はなくなり、支払った代金があれば、返還請求できます。また、未成年者が受け取った商品やサービスは、「現に利益を受ける範囲」で返還すればよく、現に利益が残っていなければ返還する必要はありません。前記の例なら、残ったダイエットフードを返せば、契約はなかったことにできるのです。
未成年者契約の取消しは、未成年者は成年者と比べて取引の知識や経験が不足し、判断能力も未熟という観点から制定されており、未成年者を強く守る法律です。この法律を知っていれば、ほとんどの課金トラブルは防げます。
商品の購入時や申し込み時にウソをつかない
金額が小遣いの範囲内だったり、親のクレジットカードを無断で使用していたり、「成年者である」「親の同意を得ている」などと偽った場合は対象となりません。この法律に関する正しい知識を得て、親子で共有しましょう。
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このコンテンツの監修者は……
小木曽 健(おぎそ・けん)
【Profile】
1973年、埼玉県生まれ。IT企業でCSR部門の責任者を務める傍ら、書籍執筆や連載、
メディア出演などを通じて情報リテラシーに関する情報発信を幅広く行っている。著書は『11歳からの正しく怖がるインターネット』(晶文社)、『ネットで勝つ情報リテラシー』(ちくま新書)など。
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(抜粋)
監修/小木曽 健
取材・文/浅羽 晃
イラスト/大室絵里、Illust AC
写真提供/photo AC、フォトライブラリー
編集/青木康洋、小山田花子(OT EDIT)、高野成光(OT EDIT)
WEB編集/FASHION BOX
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※ 記事に掲載されている情報は、いずれも2019年9月時点のものです
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