ヘバーデン結節・ブシャール結節ってどんな病気? その原因・症状やなりやすい人について医師が解説

【指の病気】ヘバーデン結節・ブシャール結節とは? 原因・症状やなりやすい人について医師が解説

(2020年7月28日 更新)

手の指の関節が変形してしまう病気を知っていますか? それは、ヘバーデン結節・ブシャール結節と呼ぶ疾患です。35歳以上の女性に多く、年齢とともにリスクもアップすると形成外科医・栄養療法医の高橋嗣明(つぐはる)先生は言います。ヘバーデン結節・ブシャール結節について詳しくうかがいました。

≪目次≫
●ヘバーデン結節・ブシャール結節は手の指の関節が痛みとともに変形する病気
●発症する場所
●痛む期間や程度は人によってさまざま
●ヘバーデン結節・ブシャール結節のおもな症状
●原因はエストロゲンの減少 35歳以上の女性に多い
●このコンテンツの監修者は……

ヘバーデン結節・ブシャール結節は手の指の関節が痛みとともに変形する病気

ヘバーデン結節・ブシャール結節とは、ひと言でいうと、手の指の関節が変形する疾患のこと。第一関節に起こる場合はヘバーデン結節、第二関節に起こる場合はブシャール結節と呼びます。
「へバーデン結節は病気を見つけた人の名前がつけられました。これらは別々の病気に見えますが、症状は同じです」(高橋嗣明先生、以下同)

人差し指だけ、薬指だけなど、1本だけのケースもありますが、複数の指に発症する場合も。
「複数の指に起こる場合、左右両方の人差し指など、同じ指に症状が出るケースが多いようです。1本の指に症状が出ると、次々とほかの指に起こる、ということはめずらしくありません」

また、変形が起こる際に、ズキズキとした痛みを伴うのも特徴です。
「人によって痛みの程度は違いますし、治まるのにかかる時間も個人差があります。変形が終われば痛みもなくなるので、そのまま放置している人が大勢いるでしょう。とくにヘバーデン結節は第一関節に起こるので、変形が終わって痛みがなくなり、角度が固定されると、その状態で生活をすることに慣れてしまう人が多いようです」

ヘバーデン結節・ブシャール結節ってどんな病気? その原因・症状やなりやすい人について医師が解説
出典: FASHION BOX

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発症する場所

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指の第一関節、または第二関節がそれぞれ変形する病気。痛みを伴う場合が多く、複数の指に発症するケースがあります。

痛む期間や程度は人によってさまざま

変形が始まってから治まるまでの期間は人によってまちまちで、数カ月で治まることもあれば、何年も痛みが続く人もいます。さらに痛みの程度には個人差があり、痛みがないまま変形のみが起こるケースや、眠れないほどの痛みを訴える人のケースなどがあります。

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ヘバーデン結節・ブシャール結節のおもな症状

症状1:指の痛み・腫(は)れ

多くの場合、症状は指の関節の痛みからスタート。赤く腫れて痛み、日常生活に支障が起きるケースが多いようです。

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症状2:変形・こぶ(結節)

指が左右や前後に曲がるほか、関節の左右にこぶができるケースが多く見られます。一度変形が起こると、元には戻りません。

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症状3:水ぶくれのようなこぶ

結節のように左右にできるのではなく、水ぶくれのような小さなこぶ(液状嚢腫・えきじょうのうしゅ)ができるケースも見られます。

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原因はエストロゲンの減少 35歳以上の女性に多い

ヘバーデン結節・ブシャール結節の罹患(りかん)者数は、現在、300万人以上いると推測されています。
「実際には、もっと多いと思います。というのも、変形とともに痛みが治まるので、病院に行かないまま過ごしている人が大勢いると考えられるからです」

高橋先生のもとに訪れる患者は、ほとんどが女性だそう。ただし、50代後半から男性もかかるリスクが高くなり、60代以降はさらに増える傾向があるようです。
「患者さんの多くが35歳以上の女性で、年々増えていく印象。上の写真は、50歳の女性の症例です。女性に多い理由は、女性ホルモン『エストロゲン』にあると考えられます」

エストロゲンは抗炎症・抗浮腫など、多くの作用をもっているとか。
「妊娠・出産を経験した場合は、ミネラルやカルシウム、マグネシウムが低下した状態になりますが、それをサポートするのがエストロゲンです。ところが、35歳ごろから分泌が減り始め、50歳ごろに急激に減少します。骨からカルシウムが流出すると骨粗鬆症(こつそしょうしょう)になるのですが、このとき炎症が生じる部分で石灰化が起きます。これがヘバーデン結節や五十肩、動脈硬化の原因のひとつに。エストロゲンは、これらの問題から体を守ってくれているのです」

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このコンテンツの監修者は……

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高橋 嗣明(たかはし・つぐはる)先生

たかはしクリニック院長
形成外科医・栄養療法医

【Profile】
1963年、東京都生まれ。北里大学医学部卒業。北里大学大学院医療系研究科修了。北里大学病院に入局し、形成外科、美容外科などを歴任。2005年より長野県の北信総合病院にて医長を務め、2013年、長野県中野市にて「たかはしクリニック」を開院。専門である形成外科を中心に、整形外科、皮膚科、美容皮膚科、美容外科など幅広い見地からさまざまな診療・治療を行う。また、オーソモレキュラー療法と解毒治療にも精通しており、慢性の難治疾患の治療にもあたっている。著書に『学校に行けない子供 仕事に行けない大人』(ファインピクサー)がある。

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(抜粋)

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TJ MOOK『ヘバーデン結節がよくわかる本 「指の変形」「ズキズキ痛い」の進行を食い止める!』
監修:高橋 嗣明

構成・編集・原稿:萩原はるな
イラスト:小野寺美恵
WEB編集:FASHION BOX
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