ピフィラティスで骨盤を鍛える! 尿もれは筋肉の衰えが原因だった【泌尿器科医監修】

ピフィラティスで骨盤を鍛える! 尿もれは筋肉の衰えが原因だった【泌尿器科医監修】

尿もれに悩まされる人は、40代から増え始めますが、その多くは「骨盤底筋群」の衰えが原因。「骨盤底筋群」を効率よく鍛えるエクササイズ「ピフィラティス」で悩みを解消しましょう。

≪目次≫
●更年期を過ぎたら「骨盤底筋群」のトレーニングは必須
●「骨盤底筋群」を効果的に鍛えられるのが「ピフィラティス」
●基本のポーズ
●3つの動きで効果大!
●教えてくれたのは……

更年期を過ぎたら「骨盤底筋群」のトレーニングは必須

咳やくしゃみをしたときに尿がもれてしまった、という経験はありませんか? こうした尿もれは珍しいことではなく、50代以降の女性の3人にひとりが悩んでいることが日本排尿機能学会の調査で分かっています。

尿もれの原因は、いくつかありますが、多くの人に見られるのが「骨盤底筋群」と呼ばれる筋肉群の衰えです。

骨盤底とは、骨盤の底を構成する筋肉や靭帯などの集まりで、膀胱や子宮などをハンモックのように支えています。骨盤底筋群は、出産時などに傷ができたり、加齢によって衰えると、尿道を閉じたり開いたりする力が弱くなり、尿もれが起こりやすくなります。また、膀胱や子宮を支える筋肉なので、衰えると内臓が下がります。わずかな位置の違いでも膀胱が知覚過敏になって、尿意を感じやすくなるのです。

女性は閉経後、筋肉量が急激に落ちやすくなりますが、骨盤底筋群は普段の動作ではなかなか鍛えられない筋肉のため、特に衰えやすいのが難点。ただ、何歳になっても筋肉はつけられるので、エクササイズを行うことで、尿もれを改善できます。

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「骨盤底筋群」を効果的に鍛えられるのが「ピフィラティス」

そこでおすすめなのが「ピフィラティス」です。アメリカの女性泌尿器科専門医、ブルース・クロフォード氏が考案したもので、120種もの運動について、骨盤底筋群の活動状況を測定。効果の高かった10種の運動で、プログラムを構成しています。

特徴は、ひとつのポーズについて、①同じ動作を繰り返す「反復」、②姿勢を保つ「キープ」、③リズミカルに動かす「弾む(パルス運動)」の3種類を行うことです。筋肉には「遅筋」と「速筋」がありますが、①②の運動は持久力のある「遅筋」を鍛え、内臓を正しい位置にとどめるのに役立ちます。③は瞬発力を発揮する「速筋」に効き、咳やくしゃみで尿もれが起こるのを防ぎます。3つの動作を行うことで、尿もれ防止に必要な筋肉を効率よく鍛えられるのです。

また骨盤底筋群をサポートする「腹横筋・臀筋・内転筋」などの“周囲共同筋群”にも効果があるので、尿もれ防止をより強化するだけでなく、腰痛や膝の痛みを予防したり、美脚やくびれを作ることにもつながります。いつまでも元気に、美しく過ごすために、60代になったら骨盤底筋群を鍛えましょう。

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基本のポーズ

10種のピフィラティスのなかでも、最も効果の高い「ランジ(脚を前後に開いた状態で行うスクワット)」を紹介。骨盤底筋群に、平常時の40倍以上の負荷が加わります。まずは基本のポーズを覚えましょう。

ピフィラティスで骨盤を鍛える! 尿もれは筋肉の衰えが原因だった【泌尿器科医監修】
出典: FASHION BOX

脚を腰幅に開いてまっすぐに立ち、片脚を前に踏み出します。前脚の膝がつま先より前に出ず、後ろ脚の膝を伸ばせる程度が最適な歩幅。腰(骨盤)は、前に傾斜したり、後ろ脚に引っ張られ傾いたりしないよう、まっすぐ下に下ろして。基本のポーズを覚えたら①〜③を行いましょう。

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<これはNG>

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<これでもOK>

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出典: FASHION BOX

膝関節や股関節を痛めている人は、イスなどにつかまって行いましょう。

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3つの動きで効果大!

マスターしたら、3つの動きにチャレンジ。慣れてきたら、5回(5秒)、10回(10秒)と回数(時間)を増やしましょう。①〜③を続けて行います。終わったら左右の脚を入れ替えて①〜③の動作を行ってください。

①反復

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出典: FASHION BOX

脚を腰幅に開いて立ちます。

ピフィラティスで骨盤を鍛える! 尿もれは筋肉の衰えが原因だった【泌尿器科医監修】
出典: FASHION BOX

踏み出して基本の姿勢に。

▲繰り返す
息を吸いながら右脚を踏み出し、吐きながら戻ります。3回行って。

②キープ

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出典: FASHION BOX

▲3秒キープ
肛門と膣を締めるよう意識しつつ、基本の姿勢を3秒間キープ。

③弾む(パルス運動)

ピフィラティスで骨盤を鍛える! 尿もれは筋肉の衰えが原因だった【泌尿器科医監修】
出典: FASHION BOX

▲リズミカルに上下する
呼吸に合わせ、弾むように腰を3回上下。下げるときに「ハッ、ハッ、ハー」と息を3回吐きます。

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教えてくれたのは……

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出典: FASHION BOX

右:女性医療クリニック
LUNAグループ 理事長
関口由紀(せきぐち・ゆき)先生

【Profile】
泌尿器科医、医学博士。2005年、横浜・元町に「女性医療クリニックLUNA」を開設し、婦人科、乳腺科などを専門とする女性医師たちとともに更年期以降の女性の心身をトータルに診察。『自分で治す! 頻尿・尿もれ』(洋泉社)など、著書多数。

左:女性医療クリニック
LUNAグループ 専任トレーナー
峯尾 賢(みねお・まさる)さん

【Profile】
クリニック併設の「女性医療クリニックLUNAネクストステージ」にて運動療法を行う。わかりやすい指導が人気。ピフィラティスの指導のほか、ひとりひとりに合わせたエクササイズをオーダーメイドし、更年期以降の女性の健康管理とアンチエイジングを総合的にサポートしている。

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撮影/青木 郁
ヘア&メイク/藤本 希〔cheek one〕
モデル/藤井やよい
イラスト/秋田綾子
素敵なあの人 2020年4月号
WEB編集/FASHION BOX
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