マルチタスクとは? マルチタスクのメリット・やり方をご紹介!

ビジネスパーソンに必須ともいわれる「マルチタスク」とは、どのような能力なのでしょうか? 当記事では、マルチタスクのメリットとデメリットをはじめ、マルチタスクの対極ともいえるシングルタスクのメリットとデメリットや、マルチタスクが向いている人・向いていない人の特徴などをご紹介します。また、マルチタスクのやり方やコツもお伝えしますので、効率よく仕事を進めたい人はぜひ参考にしてみてくださいね。

※本記事は『FASHION BOX』編集部員が自身の経験を踏まえて執筆しており、専門家による考察ではありません

≪目次≫
●マルチタスクとは?
●シングルタスクとは?
●マルチタスクのメリット
○全体像をいち早く把握できる
○コミュニケーションがスムーズに
○できる人と評価される
●マルチタスクのデメリット
○キャパオーバーになりがち
○中途半端になりがち
○ミスに注意
●シングルタスクのメリット
○トータルで見ると効率的
○クオリティが落ちない
○ペースを守れる
●シングルタスクのデメリット
○モチベーションが下がるときがある
○集中力が途切れることがある
○相手を待たせてしまう
●マルチタスクが向いている人
○スタートダッシュが得意な人
○コミュニケーション能力に長けている人
○切り替えの早い人
●マルチタスクが向いていない人
○注意力が散漫になりやすい人
○後半追い込み型の人
○緻密に物事を進める人
●マルチタスクのやり方・コツ
○仕事をすべて書き出す
○関係者に早めにコンタクトする
○予備の時間を必ず作る
●マルチタスクは本当に「マルチ」か?

 

マルチタスクとは?

マルチタスクとは?
マルチタスクとは?

ビジネスパーソンなら「マルチタスク」という言葉を聞いたことがあると思います。「すぐれた業績を上げる人はマルチタスク能力が高い」とか「マルチタスクで進められるようになってからが一人前」などと言われたことがある人もいることでしょう。

その一方で、最近では「マルチタスクをしても生産性は上がらない」「マルチタスクは実は非効率」などと言われることもあります。そもそも「マルチタスク」とはどういう意味なのでしょうか?

マルチタスクは、もともとコンピューターに関連する用語として登場したと言われています。国内最大規模のオンラインIT用語辞典「IT用語辞典バイナリ」には、以下のように書かれています。

マルチタスクとは、複数の作業を同時に(並行して)行うことである。もっぱら、コンピュータが複数の処理(タスク)を同時に並行して行うこと、または、そのような処理を実現するコンピュータシステムを指す。(中略)
マルチタスク処理では、複数のタスクを細切れに分割して並列的に処理させることによって、タスクの同時進行を擬似的に実現している。

※参照:IT用語辞典バイナリ(ウェブリオ株式会社)

つまり、マルチタスクとは複数の作業を並行して行うこと。複数の作業を同時にできれば、仕事は早く進み、人より多くの成果を上げることもできるでしょう。

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シングルタスクとは?

マルチタスクについて詳しく見ていく前に、その対義語である「シングルタスク」についてもチェックしておきましょう。先ほどマルチタスクの定義をご紹介しましたが、「中略」部分には以下のように書いてありました。

マルチタスクに対して、複数の処理を並行して行わない(ひとつずつのみ処理する)システムは「シングルタスク」と呼ばれる。MS-DOSやPC黎明期のOSは多くがシングルタスクであったが、今日のOSの大半はマルチタスクである。

※参照:IT用語辞典バイナリ(ウェブリオ株式会社)

複数の作業を同時に行うマルチタスクに対して、シングルタスクではひとつひとつの作業を順番に行い、ひとつの作業が完了してから次の作業に取りかかっていきます。ということは、ある作業が終わるまで、ほかの作業は手つかずで放置されることになります。

(上司)「昨日、頼んだ仕事はどうなった?」
(部下)「忙しくて、まだ、手つかずです……」

職場でのこんなやりとりが聞こえてきそうですね。マルチタスクで進めていれば、こうした事態を防ぐことができたかもしれません。

マルチタスクのメリット

現代のビジネスパーソンに欠かせない能力とされる「マルチタスク」。具体的にどんなメリットがあるのでしょうか?

全体像をいち早く把握できる

マルチタスクで作業を進めるためには、抱えている作業すべての内容、目的、そして締め切りなど、仕事の全体像を把握することが不可欠です。

全体像を把握できれば、仕事の進め方を調整したり、工夫することができます。さらに、問題が発生しそうな箇所を早めに察知することも可能になるでしょう。

コミュニケーションがスムーズに

全体像をいち早く把握できれば、上司への相談、同僚との調整、部下への指示、さらには取引先への依頼、クライアントへの連絡なども素早く行えるようになります。

仕事のスピードが速くなり、業務にかかわる人も多くなっている昨今、仕事の秘訣はコミュニケーションにあるともいえるかもしれません。マルチタスクで作業を進めると、仕事に欠かせないコミュニケーションで先手を打つことができます。

できる人と評価される

業務の全体像をいち早く把握し、スムーズなコミュニケーションで仕事を進める人を周囲はどう評価するでしょう?  もちろん「仕事ができる人」です。

マルチタスクで仕事を進めるあなたの評価は急上昇、さらにやりがいのある仕事を任されることは間違いないでしょう。そうなると、ますますマルチタスク能力に磨きがかかっていくこと請け合いです。

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マルチタスクのデメリット

マルチタスクのデメリット
マルチタスクのデメリット

先に紹介したマルチタスクのメリットは、あくまでも代表的な例です。マルチタスクにはさまざまなメリットがありますが、その一方で、気をつけたいデメリットもあります。

キャパオーバーになりがち

仕事ができる人には、新しい仕事がどんどんやってきます。ですので、どうしても業務がキャパオーバーになりがち。最初のうちはまだスケジュールに余裕があり、それほど問題はないかもしれませんが、山場を迎えるといろいろな問題が発生し、各所での調整事項も多くなってくるでしょう。

こんなときこそマルチタスク能力の見せどころですが、無理を続けてはいけません。仕事の抱えすぎには十分に注意してください。

中途半端になりがち

キャパオーバーになると、ひとつひとつの仕事の進行やクオリティに影響が出てしまうこともあります。

実はこんな場面こそ、マルチタスクのメリットを活かすところです。全体像をいち早く把握でき、コミュニケーションの先手を打てる能力を活かして、周囲にサポートを依頼したり、スケジュールを調整するなど、よりベストな対応策をとることができるはずです。

ミスに注意

マルチタスクの最大のデメリットは、注意力が散漫になってしまうことかもしれません。運転中にスマートフォンを操作することが法律で禁止されているのは、その最たる理由といえるでしょう。

運転中のミスは取り返しのつかない事故につながります。マルチタスクで仕事を進めるときも、注意力不足から生まれるミスに注意しましょう。チェックリスト、ToDoリストなど、アナログ(紙)やデジタル(スマホ、PC)のツールを活用するとミスの防止に効果的です。

シングルタスクのメリット

シングルタスクは、現代のビジネスパーソンには時代遅れにも思えますが、実は最近、シングルタスクのメリットが見直されています。シングルタスクには、どんなメリットがあるのでしょうか。

トータルで見ると効率的

シングルタスクは、ひとつずつ業務に取り掛かり、ひとつの業務を終えてから、次の業務に取り組みます。ひとつずつしか進められないので、一見効率が悪いように思えます。しかし、ひとつひとつの仕事に集中して取り組むことができるので、長い期間で見た場合、ひとつの作業にかかる時間が抑えられることも。よって、シングルタスクのほうが、かえって効率的に仕事を進められることもあるでしょう。

クオリティが落ちない

マルチタスクで進めると、途中で作業を切り上げ、またそこからスタートさせることも多いでしょう。料理で考えると、途中まで作っていったん火を止め、しばらくしてからまた温め直して再開するようなことになります。できあがりの風味が若干落ちてしまいそうですね。

シングルタスクは、取り掛かった業務を最後まで仕上げます。途中に違う作業が入り込むことはないので、クオリティが落ちづらいといえます。

ペースを守れる

シングルタスクは仕事のペース配分もシンプルです。マルチタスクだと、優先順位や時間配分を考えたり、周囲と調整したりなど、さまざまなスケジュールや業務に追われるようになりますが、シングルタスクは、いってみれば陸上の長距離種目。陸上のレースと同様、仕事のペース配分を自分でコントロールできます。

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シングルタスクのデメリット

効率的でハイクオリティ、自分のペースを維持できるとなれば、メリットだらけに見えるシングルタスク。しかし当然、デメリットと思われることもあります。

モチベーションが下がるときがある

どんな人でも、同じ作業を続けているとモチベーションが下がってしまうときがやってきます。マルチタスクの場合は、モチベーションが下がったらほかの仕事に切り替えるなどしてリフレッシュできますが、シングルタスクではそうはいきません。

集中力が途切れることがある

同じように、集中力が散漫になってしまうタイミングも出てきてしまうでしょう。仕事の進み具合に大きな波がでないよう、モチベーションや集中力の落ち込みを可能な限り小さくする工夫や、集中を邪魔するような要因をなくすことが大切になります。

相手を待たせてしまう

シングルタスクのいちばんのデメリットは、今取りかかっている仕事が終わるまで、次の仕事に取りかかれないこと。つまり、その間は、クライアントはもちろん、上司や同僚、取引先など、仕事の相手を待たせてしまうことになります。

マルチタスクが向いている人

マルチタスクにもシングルタスクにもメリット・デメリットがあり、「こちらの方がすぐれている」と簡単に言い切ることができません。

むしろ人によって、マルチタスクが向いている人、シングルタスクが向いている人がある、と考えた方がよさそうです。ここでは、マルチタスクが向いている人を見ていきましょう。

スタートダッシュが得意な人

マルチタスクでは、複数の仕事を比較的短い時間で切り替えて進めていきます。ですので、物事に取りかかるのに時間がかかる人、いわゆるスロースターターは仕事を切り替えるごとに時間がかかってしまいますから、マルチタスクに向いている人は、スタートダッシュが得意な人といえるのではないでしょうか。

コミュニケーション能力に長けている人

マルチタスクでは、担当する仕事の数が増えるので、必然的に仕事にかかわっている人の数も増えます。大勢の人と円滑なコミュニケーションをとる能力に長けている人、あるいはそうした状況に対して、むしろモチベーションが上がる人は、マルチタスクに向いているかもしれません。

切り替えの早い人

頭や気持ちの切り替えの早さも、マルチタスクには重要です。過去の案件の問題やトラブルをいつまでも引きずっていては、今の仕事にも影響が出てしまいます。頭と気持ちを切り替えて、別の案件に取り組む能力がマルチタスクには欠かせません。

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マルチタスクが向いていない人

マルチタスクが向いていない人は、上で挙げた「向いている人」の裏返しともいえますが、それ以外にもマルチタスクに向いていない人の特徴があるようです。

注意力が散漫になりやすい人

注意力が散漫になりやすい人は、意識が多方面に向く人なのでマルチタスクに向いていそうですが、実はそうとも言い切れません。マルチタスクはスタートダッシュが重要。高い集中力で業務に取りかかり、短時間で頭と気持ちを切り替えなければなりません。あちこちに気が散ってしまう人は、実はマルチタスクに向いていないかもしれません。

後半追い込み型の人

締め切りやスケジュールがギリギリにならないとエンジンがかからない人は、マルチタスクに向いていないといえるでしょう。そのような人は、じっくり温めて高回転で動き出したエンジンを止めることなく、最後までやりきるシングルタスクが向いているかもしれません。

緻密に物事を進める人

下調べを十分に行い、データをたくさんそろえ、しっかり考えてからまとめる……。すぐれた仕事の進め方のように思えますが、この進め方はマルチタスクには向きません。マルチタスクは、下調べやデータが足りなくても早い段階で物事を形にし、ダメだったら作り直す、というやり方をスピード感を持って進めていきます。

マルチタスクのやり方・コツ

マルチタスクで仕事を進めるにはどうすればいいのでしょうか。マルチタスクでの仕事のやり方・マルチタスクのコツをご紹介します。

仕事をすべて書き出す

マルチタスクで大切なことは、目の前の仕事に集中することです。その業務中はそれ以外のことは考えないようにします。つまり「次は何をしよう、これもやらないと」などと考えなくていいようにすることが大切です。

やるべきことを書き出して、明確にする。そうすれば、あとは書き出した課題に取り組むだけです。

関係者に早めにコンタクトする

マルチタスクでは、周りとのコミュニケーションが大切です。そのためには、誰かに仕事のサポートを依頼する場合でも「やることを明確にして、段取りをつけてから連絡しよう」ではなく、まだ漠然としている段階から、早めにコンタクトしておくことが重要とされています。

マルチタスクのコツは、相手を早めに巻き込んでおくことともいえるかもしれません。

予備の時間を必ず作る

マルチタスクで仕事をしていると、スケジュール帳が真っ黒になり、フル回転で動き回っている状態がベストに思えてきます。忙しいことで、ランナーズハイになっているともいえるでしょう。

その状態はパフォーマンスも高くなっているかもしれませんが、仕事ができるマルチタスクの人は、必ず予備の時間を作ります。

どんなに忙しい状況でも、万が一の状況のときにひねり出せる時間、突発的なリスクに対応できる時間の余裕を確保しておくことが、マルチタスクのコツです。

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マルチタスクは本当に「マルチ」か?

「打ち合わせをしながら、別の企画を考えることがある」「書類の処理をしながら、部下の話を聞いている」という人もいるかもしれません。でも、本当にそうでしょうか?

打ち合わせ中に別の企画を考えることができたとしても、発言を求められたとき、とっさに企画のアイデアを出すことはできるでしょうか? 部下の話を聞きながら書類の処理ができたとしても、重要な話のときは手を止めるのではないでしょうか?

冒頭でご紹介した「マルチタスク」の説明の後半部分にはこう書いてありました。

マルチタスク処理では、複数のタスクを細切れに分割して並列的に処理させることによって、タスクの同時進行を擬似的に実現している。

※参照:IT用語辞典バイナリ(ウェブリオ株式会社)

人間のマルチタスクも、もしかしたら同じなのかもしれません。マルチタスクとは、同時にふたつのことを処理しているというよりも、複数の作業を切り替えながら処理をしている、つまり、シングルタスクを短い時間で切り替えながら進めることがマルチタスクなのかもしれません。

自分の仕事の進め方を見極め、マルチタスク、シングルタスクのメリット・デメリットをそれぞれ組み合わせて仕事を進めていきましょう。

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WEB編集/FASHION BOX

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