第二回ぎんざ木挽亭おんらいん

落語家は座布団があるほうが自由!? 名言も生まれた「ぎんざ木挽亭おんらいん」レポ|第二回 柳亭小痴楽の会[春風亭正太郎、中村壱太郎も登場]

全国へ落語をライブ配信するイベント「ぎんざ木挽亭おんらいん」が7月23日(木・祝)に開催されました。第二回となる本公演では、落語家の柳亭小痴楽さん、春風亭正太郎さんが高座を披露。アフタートークでは歌舞伎俳優の中村壱太郎さんも登場し、芸術の垣根を越えたトークを繰り広げました。

※本公演は2020年7月30日(木)23時59分までアーカイブ視聴が可能です
≪目次≫

 

「ぎんざ木挽亭おんらいん」とは?

「ぎんざ木挽亭」とは、歌舞伎をはじめとする“和”の伝統文化を発信するプロジェクト「TOKYO KOBIKI LAB.(トウキョウコビキラボ.)」の取り組みのひとつ。平成30年から、銀座の歌舞伎座ギャラリー内にある木挽町ホールで開催されてきた落語と講談の会です。
“新しい生活様式”の一環として、自宅でエンターテインメントを楽しむシーンが増えるなかで立ち上げられたのが、ライブ配信イベント「ぎんざ木挽亭おんらいん」。去る6月27日(土)に第一回を実施し、全国のオーディエンスが高座の生配信を満喫しました。

 

春風亭正太郎は「船徳」、柳亭小痴楽は「花色木綿」を熱演!

春風亭正太郎
提供:松竹 TOKYO KOBIKI LAB.事務局

春風亭正太郎(しゅんぷうてい・しょうたろう)さんの高座で幕を開けた「第二回ぎんざ木挽亭おんらいん 柳亭小痴楽の会 by TOKYO KOBIKI LAB.」。選んだ演目は古典落語の「船徳(ふなとく)」。突然、船頭になりたいと言い出した若旦那をめぐるドタバタ劇を、テンポよく聴かせてくれました。一度に4人が登場する場面でも、巧みに演じ分ける力量に唸らされます。船頭が船を操るシーンなど、アクションでも魅了。また、通常の寄席と変わらぬ声の張りのよさに、画面越しでもこの高座の熱量は届いているに違いない……と確信させられました。

柳亭小痴楽
提供:松竹 TOKYO KOBIKI LAB.事務局

続いて登場したのは、会の主任でもある柳亭小痴楽(りゅうてい・こちらく)さん。話の導入部“マクラ”では、来年3月に真打昇進が決まった春風亭正太郎さんへ、お祝いの言葉を送ります。
実は小痴楽さんが落語をはじめたきっかけは、正太郎さんが襲名する春風亭柳枝(しゅんぷうてい・りゅうし)さんの高座だったそう。そこで今回は、そのときに先代の春風亭柳枝さんが演じていた思い出深い演目「花色木綿」を披露することに。新米の泥棒と、泥棒に入られた長屋住まいの男、長屋の大家さんが繰り広げるコメディです。スピード感あふれる軽妙な語り口が魅力の小痴楽さんにとって、この「花色木綿」は“ハマり噺”といえるのではないでしょうか? 視聴者の自宅の空気感まで明るく変えてしまいそうな、コミカルな舞台を届けてくれました。

 

中村壱太郎が参戦したアフタートーク|春風亭正太郎“今日は女将さん役がやりづらかった”

第二回ぎんざ木挽亭おんらいん(左より柳亭小痴楽、春風亭正太郎、中村壱太郎)(提供:松竹 TOKYO KOBIKI LAB.事務局)
提供:松竹 TOKYO KOBIKI LAB.事務局

2人の高座終演後に行われたアフタートークでは、歌舞伎俳優の中村壱太郎(なかむら・かずたろう)さんがゲスト出演。事前に寄せられた視聴者からの質問に答えました。
小痴楽さんが選んだのは“落語と歌舞伎、それぞれ舞台で女性を演じるうえで意識していることはありますか?”という投稿。
実はこの日の噺家2人の高座を、舞台から2mくらい離れた席で見守っていた壱太郎さん。以前から女形としてリスペクトしていた壱太郎さんが客席にいたため、春風亭正太郎さんは「(船徳に登場する元芸者の)女将さん役を『やだなー』と思いながらやっていた」と告白。また壱太郎さんは“歌舞伎で演じるときは、綺麗な役ほど白く塗る”といった、豆知識も教えてくれました。

続いて、壱太郎さんから落語家2人へ「動きが大きいと、座布団から立ち上がりたくならないですか?」という歌舞伎役者ならではの質問を投げかけます。

春風亭正太郎「落語家は“座布団の中”という制約があるほうが自由だから」
柳亭小痴楽「去年、お芝居に挑戦したけど、立っていると何がなんだか分からなくなった。15年間座りっぱなしで演っていたから、立つと動き方がわからないというか……」

そんな2人の答えに感じ入った様子の壱太郎さん。
ほかにも“落語家は瞬時に役を切り替えるために、60~70%の力で演じている”など、目からウロコな発言が盛りだくさんだったアフタートーク。異業種ならではの奥深い話は、ぜひアーカイブ配信でお楽しみください!

 

「第二回ぎんざ木挽亭おんらいん 柳亭小痴楽の会 by TOKYO KOBIKI LAB.」
アーカイブ視聴方法

ご紹介した「第二回ぎんざ木挽亭おんらいん 柳亭小痴楽の会 by TOKYO KOBIKI LAB.」は2020年7月30日(木)23時59分まで、アーカイブ視聴が可能です。視聴のためのチケットは7月30日(木)20時まで販売中。興味を持った人は、ぜひ自宅でできる寄席体験を試してみてくださいね。

「第二回ぎんざ木挽亭おんらいん 柳亭小痴楽の会 by TOKYO KOBIKI LAB.」Information

チケット料金:2,500円(税込)
※2020年7月30日(木)20時まで購入可能

公演情報(公式サイト) https://www.tokyo-kobiki-lab.com/?p=442
配信チケット販売URL https://eplus.jp/ginzakobikitei/

イープラスの予約システムを使用して、インターネットにて受付

※イープラス会員登録(無料)が必要です

■視聴方法 イープラス「Streaming+」

*利用方法の詳細はコチラ↓
https://eplus.jp/sf/guide/streamingplus-userguide

 

柳亭小痴楽&春風亭正太郎の落語を生配信!ぎんざ木挽亭おんらいん[中村壱太郎も特別ゲストで登場]

 

出演者/Profile

柳亭小痴楽(りゅうてい・こちらく)

柳亭小痴楽
提供:松竹 TOKYO KOBIKI LAB.事務局

階級:真打
生年月日:1988年12月13日(31歳)
趣味:大の読書好き・心霊スポット巡り・映画鑑賞・スポーツ鑑賞(主にバスケットボール・サッカー)
好きなもの:洋服・和服・都市伝説・お酒・煙草
略歴:
1988年12月 五代目柳亭痴楽の次男として生まれる。
2005年10月 16歳のとき、入門を申し出た途端に父が病に伏したため、二代目桂平治(現:桂文治)へ入門。「桂ち太郎」で初高座。
2008年6月 父(痴楽)の門下に移り、「柳亭ち太郎」と改める。
2009年9月 父(痴楽)の没後、柳亭楽輔(父の弟弟子)の門下へ。
11月 二ツ目昇進を期に「三代目 柳亭小痴楽」を襲名。
2011年2月 「第22回北とぴあ若手落語家競演会」奨励賞受賞。
2015年10月「平成27年度NHK新人落語大賞」ファイナリスト。
2016年10月「平成28年度NHK新人落語大賞」ファイナリスト。
2019年9月 真打昇進。

春風亭正太郎(しゅんぷうてい・しょうたろう)

春風亭正太郎
提供:松竹 TOKYO KOBIKI LAB.事務局

階級:二ツ目
生年月日:1981年8月23日(38歳)
趣味:漫画、似顔絵を描くこと、読書、古典ミステリー研究、映画鑑賞
略歴:
2004年3月 明治学院大学文学部芸術学科卒業。
2006年4月 春風亭正朝に入門。前座名「正太郎」。
6月 光が丘IMA寄席にて「からぬけ」で初高座。
11月 楽屋入り 前座となる。
2009年11月 二ツ目昇進。
2015年3月 「第14回さがみはら若手落語家選手権」優勝。
9月 「第26回北とぴあ若手落語家競演会」受賞。
2020年7月 翌2021年3月の真打昇進と「九代目 春風亭柳枝」襲名決定。

中村壱太郎(なかむら・かずたろう)

中村壱太郎
提供:松竹 TOKYO KOBIKI LAB.事務局

屋号:成駒屋
生年月日:1990年8月3日(29歳)
略歴:
1991年11月、京都・南座〈三代目中村鴈治郎襲名披露興行〉『廓文章』の藤屋手代で初お目見得。
1995年1月 大阪・中座〈五代目中村翫雀・三代目中村扇雀襲名披露興行〉『嫗山姥』の一子公時で初代中村壱太郎を名のり初舞台。
2007年に史上最年少の16歳で大曲『鏡獅子』を踊る。
2010年3月 『曽根崎心中』のお初という大役に役柄と同じ19歳で挑む。
2013年3月 慶應義塾大学総合政策学部卒業。
2014年9月 吾妻徳陽として日本舞踊吾妻流七代目家元襲名。
2016年 野田秀樹 作、オン・ケンセン 演出『三代目、りちゃあど』に出演。
新海誠監督作品 映画『君の名は。』でヒロイン・三葉と四葉の姉妹が舞う 巫女の奉納舞を創作。
現在、女形を中心に歌舞伎の舞台に精進しつつ、ラジオやテレビなどにも活動の場を広げている。また「春虹」の名で脚本執筆、演出にも挑戦中。

 

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イベント主催・製作/松竹株式会社 開発企画部
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文・Web編集/FASHION BOX

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