南 果歩がコロナ禍の撮影で感じた喜びと葛藤。ソーシャルディスタンスの楽しみ方も

南 果歩がコロナ禍の撮影で感じた喜びと葛藤。ソーシャルディスタンスの楽しみ方も

『大人のおしゃれ手帖』で連載中の南 果歩さんの【I am Here!】。今回のテーマは「ディスタンス、でも幸せ」。久しぶりの撮影で感じた喜びと葛藤、ソーシャルディスタンスを取りながら安全に開催された葉桜の会について綴ってくれました。

《目次》
●人との距離の取り方の難しさを実感している(南 果歩)
●撮影ができる喜びを感じる反面、葛藤もある(南 果歩)
●こんな状況でも、安全にみんなで笑い合える時間を作りたい(南 果歩)
●ソーシャルディスタンスは、相手が大切だからこその距離(南 果歩)
●「例え離れていても、寄り添って笑いあえる」(南 果歩)

人との距離の取り方の難しさを実感している(南 果歩)

南 果歩がコロナ禍の撮影で感じた喜びと葛藤。ソーシャルディスタンスの楽しみ方も

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ソーシャルディスタンスという言葉がすっかり私たちの生活に浸透してきました。

私は元々、握手したりハグしたりハイタッチしたりと、老若男女問わず人とスキンシップを取るのが好きなタイプなので、接触を控えないといけないのがとても苦しい。

私以上に欧米の人々はもっと息苦しさを感じているのだろうと想像します。軽いハグだけでなく会えばキスをしたり、ギュッと抱きしめたりすることでお互いを確認することが、長く続いてきた文化ですからね。

ソーシャルディスタンスはコロナ感染防止のために人と一定の距離を保ちましょう、という意味で使われますが、コロナと切り離して考えても、人との距離の取り方はなかなか難しいものがありますよね。

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撮影ができる喜びを感じる反面、葛藤もある(南 果歩)

緊急事態宣言が解除され、ようやくドラマの仕事が再開し、私は意気揚々とマスクをして顔合わせの場に参加しました。

そこは通常の顔合わせとは比較にならないくらい、テレビ局の広い会議室で、その広さを充分に活かしたセッティング! 会議室のギリギリまで使い、ロの字にテーブルを並べ、お向いに座っている人との距離は優に10メートルはあろうかという距離。もちろんお隣の席に座っている共演者の方とも2メートル以上。その上フェイスガードを配られ装着。スタッフに関しては代表者のみの出席で、まさにwithコロナの始まりでした。

そこで久しぶりにお会いした俳優さんに思わず駆け寄り抱きつこうとしたら、「近い!」と身構えられたので、私もハッとしてハグ一歩手前で何とか自分を制しました。普段ならハグしてしばらくお喋りが続くところですが、多くは話さず、また会えて嬉しいね、よろしくねと目と目で心と心で意思疎通した感じです。

それでもその広い広い会議室は、待ちに待った撮影が始まる喜びに溢れていました。撮影に入ると、スタッフは常にフェイスガードとマスクを装着、キャストはドライリハーサルにまで装着して、テストと本番前に取るというシステムに則って進んでいます。

スタジオは冷房も入っているので何とかなるのですが、この暑さの中のロケでは体力との勝負です。玉のような汗をかきながら水分補給、その繰り返し。本当にスタッフを見ていると頭が下がります。

そんな汗まみれのスタッフと一緒に働いていると、今、撮影できる幸せを感じます。

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こんな状況でも、安全にみんなで笑い合える時間を作りたい(南 果歩)

そんな撮影の合間に、こんな状況でも安全にみんなで集まりたいと思い、公園で葉桜の会を開催しました。毎年お花見を開催しているのですが、今年は勿論中止でした。

今回は混雑する桜の季節でもなく、緊急事態宣言があけた平日開催。人のいない葉桜時期で緑が鬱蒼とした公園集合。広場に大きな円を描くように、お隣との間隔をあけピクニックシートを敷いて、各自お弁当と飲み物を持参。食べ物飲み物のシェアは禁止という括りで、今、どれだけ大人が楽しく外遊びができるかという試みでした。

大きな円の真ん中で、私のパーソナルトレーナーのアトちゃんにワールドグレイテストストレッチを指導してもらい、ポールダンスの先生のアイちゃんにオリジナルのエクササイズのセクササイズやハンドクラップダンスを教えてもらい、大縄跳びでハシャギ、都立公園で大人たちはもう笑って笑って子どもにかえりました。

外出自粛が長かったこともあり、屋外でお弁当を広げるだけで幸せ。こうして人と会えるだけでも幸せ。緑の中で身体を動かせるだけで幸せ。

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ソーシャルディスタンスは、相手が大切だからこその距離(南 果歩)

私たちは確実に新しい時代にシフトしようとしています。

ソーシャルなディスタンスがあっても、それは心の距離ではなく、相手を思い、自分を守るものだと思えば、今まで以上に大事な人たちとの時間が幸せなものになっていくと私は信じています。だからこれからは、心でハグをしていこう!

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「例え離れていても、寄り添って笑いあえる」(南 果歩)

南 果歩がコロナ禍の撮影で感じた喜びと葛藤。ソーシャルディスタンスの楽しみ方も

南 果歩がコロナ禍の撮影で感じた喜びと葛藤。ソーシャルディスタンスの楽しみ方も

十分に距離をとった葉桜の会。同じ空の下に集まるだけで満たされます。

お仕事も同じ。気持ちを通わせれば、距離を保ってもみんなでものづくりができるはず。

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南 果歩 プロフィール

84年に映画『伽倻子のために』で俳優デビュー。最近の出演作に、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』。『MISS OSAKA』『脳天パラダイス』の2本が2020年公開予定。

※ 画像・文章の無断転載はご遠慮ください
photograph_Takashi Noguchi[San Drago]
styling_Kuniko Sakamoto
hair& make-up_Keizo Kuroda[K Three]
文_南 果歩
大人のおしゃれ手帖 2020年9月号
web edit_FASHION BOX, Satomi Kubota[vivace]

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