『リンネル』2021年1月号 カバーレディ:黒木華さん インタビュー
やるぞ!と思っても、思うように進まないときもある家仕事。まあそんな日もあるけれど、好きな服を着て、まずは道具を持ってみませんか? 新しい楽しさが、見つかるかもしれません。
『リンネル』2021年1月号(※販売終了)の表紙を飾った黒木華さん。積み上がった洗濯物を前にため息をついてみたり、ペンキ塗り中に休憩してみたり、モップを抱えて遊んでみたり。“家仕事”のシーンに合わせてポーズを取る黒木華さんの姿は、まるで舞台を見ているかのようです。
ステイホーム中は「『みをつくし料理帖』のような和食料理に挑戦」(黒木 華)
「“赤と白”のコーディネートがかわいくて、めちゃくちゃ好みでした。最近はやっているワークウェアっぽいサロペットも、こうやって着こなせばかわいいんだなと参考になりますね」
ステイホーム中は、多くの人と同じように、おしゃれを楽しむ機会がぐんと減ってしまったそう。
「家ではずっとTシャツと短パンで過ごしていたので、これじゃダメだ!と思って(笑)。あるときから、寝るときはちゃんとパジャマに着替えるようになりました。日中は、それこそ『みをつくし料理帖』に出てきたような凝った和食に挑戦したことも。でも途中から自分の味付けに飽きてきて、誰かが作ってくれた料理が食べたい!とテイクアウトのごはんを買ってきたりもしましたね」
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「自分の役割について、考え抜いた2020年でした」(黒木 華)
2020年は、春に予定されていた舞台「桜の園」が中止になったり、中村倫也さんとの共演舞台「ケンジトシ」が延期になったりと、黒木さんの仕事にも大きな影響が。
「誰かに届けようと思って毎日お稽古していた作品が、ゲネプロの直前に中止になってしまって。その当時はどこかふわふわとした感覚で、本当にやらないんだ……と少しずつ実感していったんですよね。自粛期間中はラジオドラマや読み聞かせにも参加させていただきましたけど、基本的に私の仕事は役をもらってはじめて成り立つもの。ミュージシャンの方たちのように配信ライブができるわけではないし、自分から発信したいものがない限りは受け身なんですよね。でも私は、自分自身を伝えることにはあまり興味がなくて。役を演じることで、見た人が勇気づけられたり、感動してくれたり……、そのための媒介になれればいいと思っているので。このままだったら、何を仕事にしていけばいいんだろう?って、自分の存在意義についてすごく考えましたね」
その後は、ライブ配信による演劇「プレイタイム」や、観客の前で台本を読み合わせする「いきなり本読み!」といった、新たな試みに挑戦。通常どおりの公演ができなくても、また別の楽しみ方があるのだと気づかせてくれました。
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「『プレイタイム』については、自粛が明けて劇場が再び立ち上がる瞬間を見せたいと声を掛けていただいたんです。またお芝居ができて、誰かに何かを伝えられることはすごく嬉しかったですし、演劇をリモートという形で届けることにも刺激を受けました。『いきなり本読み!』は、本当にその場で、読んだことのなかった台本を渡されるんです。『じゃあ次は黒木さんが◎◎の役で』と、途中で役を交代するのもあまりないことですが、自分の役をいったん離れて違う角度から見ることで、役への理解が深まるんですよね」
ドラマや映画の撮影も始まった今は、あらためてそのありがたみを実感しているという黒木さん。
「家にいると、やっぱりどこか不安な気持ちがぬぐえないし、元のようには戻らないんだろうなとも感じていて。暗い雰囲気にのみ込まれてしまわないように、気持ちを整理している段階なのかなと思います。そういうときに現場が再開して人に会ったり、久しぶりに映画館へ行ったりすると、救われた気がしますね」
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「2021年は“自分ファースト”な年にしたい」(黒木 華)
気持ちを前向きにするためにも、2021年の目標は「明るく楽しく生きる」というシンプルなものに。
「仕事だけでなく、もうちょっと“自分ファースト”な1年にしたい。プライベートをないがしろにしていたわけじゃないけど、私はやっぱり仕事が好きなので、ついスケジュールを詰め込んでしまって。そうなると、休みの日も出かけるよりも家で寝たい!となってしまうんですよね。もちろん仕事もしたいけど、それだけじゃなく、プライベートな経験をもっと大事にしていきたいです」
そのひとつが、2019年にライセンスを取ったスキューバダイビング。
「意外だねってよく言われます(笑)。以前、まとまったお休みをもらったときに、一人でいろいろやってみようと思って。ロンドンへ一人旅をしたり、石垣島までスキューバのライセンスを取りに行ったりしたんです。どこで取れるのかな?ってサイトを調べて電話して、自分で運転していって。だから旅行ができるようになったら、まずは潜りに行きたい! ほかにも、英語の勉強をしたり、読みたかった本を読んだり。ひとつひとつは小さなことですけど、時間をちゃんと確保して、何かにつながるようにがんばりたい。やりたいことをやって、会いたい人に会って……。後悔しないように、充実した毎日を送りたいです」
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Profile/黒木 華
くろき・はる
1990年生まれ、大阪府出身。2010年、NODA・MAP番外公演「表に出ろいっ!」のヒロインオーディションに合格し、本格的にデビュー。2013年、映画『シャニダールの花』で初主演を務める。2014年、山田洋次監督作『小さいおうち』で第64回ベルリン国際映画祭銀熊賞(最優秀女優賞)を受賞。近年の出演作に映画『来る』『浅田家!』『星の子』『甘いお酒でうがい』、ドラマ「凪のお暇」、舞台「ハムレット」などがある。2020年12月5日(土)よりWOWOWプライムにて放送される「連続ドラマW コールドケース3〜真実の扉〜」の第7話にゲスト出演。
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photograph_Isao Hashinoki[nomadica]
styling_Maki Iwata
hair & make-up_Katsuhide Arai[e.a.t...]
text_Hanae Kudo
cooperation_AWABEES, EASE
(リンネル 2021年1月号)
web edit_FASHION BOX, Saori Hidaka[vivace]