約5年ぶりにファッション誌『リンネル』9月号の表紙を飾ってくれた上野樹里さん。爽やかでキュートな笑顔に似合う旬の装いをお届けします。
《目次》
●花のようにやさしく。笑顔が似合う旬の装い（上野樹里）
●自然体のままで過ごせる着心地のいい服を選ぶように（上野樹里）
●未来を信じながら、毎日を笑顔で過ごせるように（上野樹里）
●Information_上野樹里さん出演ドラマ『監察医 朝顔』
●Profile／上野樹里
花のようにやさしく。笑顔が似合う旬の装い（上野樹里）
ワンピース¥153,500／ダニエラ・グレジス（ドーバー ストリート マーケット ギンザ）、ストール¥28,000／インジリ（キコ）、パンツ¥14,000／ヌキテパ（ヌキテパ 青山）、イヤリング¥15,000／ペリーニ（日本橋三越本店 本館3階ミグジュアリー）
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自然体のままで過ごせる着心地のいい服を選ぶように（上野樹里）
ブラウス¥76,000／PENG TAI（ドーバー ストリート マーケット ギンザ）、パンツ¥28,000／スズキ タカユキ、イヤリング¥12,000／チェリーブラウン、ブレスレット¥47,000／マリハ（マリハ伊勢丹新宿本店）、靴¥76,000／フェイト（キコ）
「ファッション誌の撮影は久しぶり」と晴れやかな笑顔を見せながら、色とりどりの装いを着こなしてくれた上野樹里さん。
「白とパステル系の組み合わせってかわいいですね。グリーンやピンクのカラフルな色使いに、気持ちが明るくなりました」
最近のファッションの傾向について尋ねてみると、「以前は衝動買いをすることも多かったけれど、今は数を絞って、シンプルで質のよいものを着まわすようになりました」という答えが。
「でもたまにはおしゃれも遊びたいから、鮮やかな色のTシャツやシンプルなトップスに合う、デザイン性の高いスカートもいくつか持ってるんです。
20代の頃はというと旅先で衝動買い！ あれこれ着こなすイメージが膨らんで、普段着ないようなデザインを購入したり……。パーティで着るから！ なんて言ってたけど、そんな機会ないんですよね（笑）。
今は自分がおしゃれだなと思えて、無理なく自然体で着られるものが選ぶ基準。素材感が良くて、メイクをしなくても素敵に魅せてくれる服を気づけばよく手にとっているので、少し値段が高くても、ほかを我慢して買うようになりました。ただ、このスタイルでいこうと決めても、生活や年齢は日々変わっていくもの。そのときの自分に合わせて、その都度更新していきたいですね」
オールインワン¥32,000／ヴェリテクール、（中に着た）タンクトップ¥12,000／トゥジュー（トゥジュー 代官山ストア）、イヤリング¥7,500／253ビジュー（ドレスアンレーヴ）、靴下¥2,600／パンセレラ（真下商事）、靴¥46,000／サンダース（キコ）
撮影が行われたのは、折しも外出自粛期間が明けて間もなく。自宅で過ごす間、上野さんが熱心に取り組んでいたのが、インスタグラムに「#上野の樹里美術館」とハッシュタグをつけて、自分で描いた絵をアップすることでした。
「昔、『のだめカンタービレ』の映画をパリで撮っていたときに誕生日プレゼントでもらった画材がずっと家で眠っていて。せっかくだからその画材を使って、毎日絵を描くことにしたんです。ハッシュタグは募集したんですけど、最初は慣れていないからやり方がわからなくて。ダイレクトメッセージで、とあるファンの方にいろいろ教えてもらいました（笑）」
絵に自作の詩を添えたり、ギターの弾き語りをしたり。インスタを通じたさまざまな発信は、演じること以外でも、人を楽しませる方法はないかと考えた末のこと。
「撮影がないときは、一人の主婦に戻るけど、そうなったときも誰かのためにできることがあるんじゃないかな、と思って。私にできることはちょっとした絵にひとこと添えてアップすることくらいだけど、楽しんでくれる誰かがいて、心のつながりが生まれる。人のためだけじゃなく、それが私自身のエネルギーにもなるんだな、と気づきました。自粛期間は終わったけど、これからも趣味として続けていけたらいいですね」
仕事に追われることのない日々は、上野さんにとって「見落としていたことに気づける時間」でもありました。
「忙しいときは、作品の中での役割を果たすことに精いっぱいで、個人の感情や暮らしを優先できないこともありました。でも長く家で過ごしているうちに、本当の自分は何がしたいんだろう？ 普段の生活でどんなことを感じているんだろう？と考えるようになって。その中で意識していたのが、笑顔で楽しく生活すること。いざというときはみんなで助け合えるはず、と信じながら、今できることに集中していました。夫も毎日ギターを弾いていて、家の中はいつもにぎやかでポジティブな空気に満たされていた気がします」
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未来を信じながら、毎日を笑顔で過ごせるように（上野樹里）
ワンピース¥38,000／ヴェリテクール、（中に着た）ワンピース¥39,000／エンフォルド、イヤリング¥12,000／チェリーブラウン、ブーツ¥46,000／ワイエムウォルツ（マービン＆ソンズ）
そうした暮らしを経て、これから上野さんが挑むのは、ドラマ「監察医 朝顔」。昨年放送された前作に引き続き、上野さんは主人公の法医学者・万木朝顔を演じます。今回の続編では、東日本大震災で母を失った悲しみを家族とともに少しずつ乗り越えてきた朝顔が、さらに深く母の死と向き合うことに。
かけがえのない家族の日常とともに、人が生きる意味と喜びが丁寧に描かれます。放送は2クールにわたる注目度の高い作品ですが、「出演者のみんなはいたってマイペース」なのだとか。
「朝顔のお父さんを演じる時任（三郎）さん、夫役の風間（俊介）くんはじめ、みんなが自然にお互いをフォローできる、素晴らしいメンバー。演技力はもちろんですけど、それだけじゃなく、それぞれが持っている意志や生き方が作品にも表れているんだと思います。
だからひとつひとつのシーンでも、技術ではなく感覚的に『朝顔だったら、お父さんとこういうやり取りになるだろうな』とわかる。みんなの存在感が心地よいので、主役だからと気負わずに等身大のまま過ごせています。これから長い時間をかけて、どんなやり取りが生まれていくのか、とても楽しみ」
家族の何気ない会話や団らんが、ごく自然に描かれているのも、この作品の魅力です。
「ほとんどの作品では、台詞を言うときは何も食べないけど、このドラマでは毎回ちゃんと食事をしているし、入浴シーンでも湯船に浸かっているんです。娘のつぐみちゃんなんて、本当に寝ていることも（笑）。
テーマは法医学だけど、家族のつながりというものを、台詞以外でもちゃんと伝えていけたら。私ひとりでは何も生まれないけど、みんながいるから、朝顔として存在できる。一人ではできないことも、全員の力があればできるはず、と信じています」
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Information_上野樹里さん出演ドラマ『監察医 朝顔』
2019年に放送され、大きな反響を呼んだドラマの続編。上野さん演じる法医学者の万木朝顔とベテラン刑事の父・万木平がさまざまな事件と向き合って遺体の謎を解き明かすとともに、遺族の心を救っていくさまが描かれる。前作で結婚・出産を経験し、母を失った悲しみを乗り越えていった朝顔。変わらぬ日常を過ごす万木家だったが、あることがきっかけで母の遺体を探すため、朝顔は一人で東北を訪れることに。2クール連続放送。フジテレビ系・毎週月曜21時～2020年秋、放送開始。
宮沢りえ 自粛期間中の想いを独占告白［仕事、生き方 etc. インタビュー］
Profile／上野樹里
（うえの・じゅり）
1986年生まれ、兵庫県出身。2003年、映画デビュー。2004年公開の初主演映画『スウィングガールズ』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。以降も「のだめカンタービレ」「ラスト・フレンズ」、大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」など多くの話題作に出演。ラジオ番組「Jur’i s Favorite Note」（JFN PARK）ではパーソナリティを務める。近年の出演作にドラマ「グッド・ドクター」「テセウスの船」など。
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photograph_Emiko Tennichi
styling_Junko Okamoto
hair ＆ make-up_Izumi Seike
text_Hanae Kudo
（リンネル 2020年9月号）
web edit_FASHION BOX, Shoko Taniguchi[vivace]
