【法律Q&A】捨て猫を飼いたい小学生 動物愛護法で親を説得できる? 弁護士 監修

【法律Q&A】捨て猫を飼いたい小学生 動物愛護法で親を説得できる? 弁護士 監修【このミステリーがすごい!大賞『元彼の遺言状』】

穏やかな毎日を送りたい。そう願っていても、社会生活のなかでは、さまざまなトラブルに巻き込まれてしまうこともあります。そんなとき、役に立つのが法律に関する知識です。

今回は動物好きな小学生から寄せられた、法律にまつわる相談をご紹介します。解説してくれるのは、第19回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作、『元彼の遺言状』の主人公・剣持麗子弁護士です。

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Q.捨て猫を飼いたいのに、お母さんが許してくれません(小学生・8歳)

“この前、公園でネコちゃんをひろいました。お家につれて帰ったら、「うちではかえないから、元のところにもどしてきなさい」とお母さんにしかられました。でも、ネコちゃんはとてもやせています。公園にもどすと死んじゃうかもしれないので、うちの庭の物おき小屋にかくして、となりの家のケンタくんといっしょに、育てています。黒いので、ココアという名前をつけました。でも、お母さんに見つかったらとおもうと、心配です。ケンタくんは「ペットをすてるのは、はんざいだから、すてられないってお母さんに言えばいい」と言っています。本当ですか?”

 

A.「動物愛護法」で交渉できるかも……?(剣持麗子弁護士)

あらっ、可愛い相談が来ているのね。確かに、猫などのペットを捨てる行為は動物愛護管理法という法律で禁じられていて、違反すると犯罪になるよ。「一年以下の懲役または100万円以下の罰金」という罰則もあるわ。この法律を使って、お母さんと交渉する作戦を立てるなんて、ケンタくんもなかなかキレ者ね……。

でも、住んでいるところがペット禁止だったり、アレルギーを持った家族がいたり、お母さん側にも事情があるかもよ。もしどうしてもお家では飼えない場合は、大事に育ててくれる人に里子に出すのはどうだろう。

お母さんとしっかり話し合ってね。健闘を祈る!

※架空の相談事例を基にした法律相談コーナーです。実際の案件では、個別の事情により判断が異なることがあります。お困りの際は、気軽に弁護士に相談しましょう。きっと皆さんの力になってくれるはずです

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≪法律豆知識≫落し物は誰の物?

落とし物については、遺失物法という法律があるわ。
まず、落とし物を拾った場合は、警察に届けなくてはならない。こっそりネコババしちゃうと、厳密には遺失物等横領罪になることもあるから、注意が必要よ。届出後、3ヶ月経っても持ち主が現れない場合、自分のものとして落とし物を受け取ることができるわ。ただし、引取期間は2ヶ月。あと、クレジットカードや身分証明証、携帯電話などは、拾い主がもらうことはできない。個人情報が含まれているからね。

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教えてくれたのは……

剣持麗子(けんもち・れいこ)/Profile

スゴ腕の弁護士
第19回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作『元彼の遺言状』の主人公。美人で気が強く、お金が大好き。小さなダイヤの婚約指輪を贈られて、「よくもカルティエでこんなに小さいダイヤが買えたわね」と突き返したことも。元彼が書いた奇妙な遺言状がきっかけで、知人から殺人犯に仕立て上げるように依頼されたり、元カノとして遺産相続のためにお屋敷に集められたりと、大忙し。さらに殺人事件に巻き込まれ……。
詳しくは『元彼の遺言状』で、どうぞ。

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『元彼の遺言状』あらすじ

『元彼の遺言状』
『元彼の遺言状』著者:新川帆立

「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」
奇妙な遺言状を残して、大手製薬会社の御曹司・森川栄治が亡くなった。学生時代に彼と三ヶ月だけ交際していた弁護士の剣持麗子は、犯人候補に名乗り出た栄治の友人の代理人として、森川家の主催する「犯人選考会」に参加することとなった。数百億円ともいわれる遺産の分け前を獲得すべく、剣持麗子は自らの依頼人を犯人に仕立て上げようと奔走する。
他方で、彼女は元カノの一人としても軽井沢の屋敷を譲り受けることになっていた。ところが、軽井沢を訪れて手続きを行ったその晩、くだんの遺書が保管されていた金庫が盗まれ、栄治の顧問弁護士であった町弁が何者かによって殺害されてしまう……。

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執筆:新川帆立(しんかわ・ほたて)/Profile

著者/新川帆立(しんかわ・ほたて)
新川帆立

アメリカ合衆国テキサス州ダラス出身、宮崎県宮崎市育ち。東京大学法学部卒業。現在も弁護士として勤務。司法修習中に最高位戦日本プロ麻雀協会のプロテストに合格しプロ雀士としても活動経験あり。作家を志したきっかけは16歳のころ夏目漱石の『吾輩は猫である』に感銘を受けたこと。

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Q&A、法律豆知識の文・監修/新川帆立
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文・Web編集/FASHION BOX

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