老けない食べ方を栄養学のプロが解説! 噛んで食べる習慣を身につけるには?

老けない食べ方を予防医学のプロが解説! 噛んで食べる習慣を身につけるには?

「よく噛んで食べなさい」と、幼少期から言われ続けて育った人も多いのではないでしょうか? 実際、よく噛むことは健康面へのメリットがたくさんあるそうですが、いざ実践しようと思うとなかなかできないもの。そこで、よく噛んで食べることを習慣化させるコツを、予防医学やその食事法に詳しい杏林予防医学研究所所長・山田豊文先生に教えていただきました。

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老けない食べ方を身につけよう!

何を食べるかはもちろん大事。ですが、それと同じくらい重要になるのがどう食べるかです。山田先生が提唱する「究極の食事」の恩恵をフルに受け、少食・断食が習慣として自然と実践できるように、自分の食べ方を見直しましょう。

 

咀嚼回数が増えるほど心と体が強くなる!

何でもスピーディになった現代は、食べることもスピーディ。1食あたりの咀嚼回数は戦前の約半分にまで減っています。これは、私たちが普段口にする食べ物に、あまり嚙む必要がないものが増えていることが大きな原因。白米のご飯やふわふわのパン、麺類に、おかずはハンバーグといったような、総じて「柔らかい食事」が一般的で、嚙み応えのあるメニューは食卓に上ることさえ少なくなっています。

けれど、嚙むことは消化の第一歩。咀嚼の刺激で分泌された唾液は、食べ物の消化を開始すると同時に、口腔内環境を良好に保ち、虫歯や歯周病を予防します。口と歯のトラブルは、健康寿命を縮めることにもつながります。

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咀嚼によって唾液が分泌されると得られる効果

消化のサポート

嚙むこと自体が消化のスタート。また、唾液に含まれる消化酵素が、食べ物を分解し消化を助けてくれます。よく嚙まないで飲み込むと、唾液が十分に出ず胃腸に負担がかかります。

解毒効果

発がん物質を唾液に30秒浸すと、多くの物質の毒性が減少することがわかっています。

健脳効果

嚙むことで、顔まわりの筋肉が鍛えられ、脳への血流がよくなります。それが記憶力、情報の整理能力のアップにつながり、リラックス効果も。

 

よく嚙んで食べる習慣をつけよう !

アメリカの実業家ホレス・フレッチャーは、嚙むことによる健康法「フレッチャリズム」を提唱した人物。生活習慣病に見舞われ体重が100kgを超えていた彼は、この健康法によって1年で体重25kg減、生活習慣病からも解放されました。

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よく嚙める食材を選ぶこともポイント!

 

フレッチャリズムの基本

■しっかりよく嚙んで、味わいながら食べる。
■本当に空腹を感じたときだけ食べる。
■新鮮なものをシンプルに調理して食べる。
■腹八分目で食べるのをやめる。

 

老けない食べ方 4つのポイント

その1. ながら食いをやめる

食事の時間が、SNSや仕事の時間になっていませんか? きちんと食事の時間をつくらないで「ながら食い」ばかりしていると、嚙むことも味わうこともおろそかになり、消化に影響します。胃腸に負担がかかり、十分に消化・吸収できなくなってしまうのです。さらに、食べることに意識が向いていないので、ついつい食べ過ぎて肥満にもつながります。

老けない食べ方を栄養学のプロが解説! 噛んで食べる習慣を身につけるには?
食事中、ついスマホに集中したりしていませんか?

 

その2. 正しい姿勢で食べる

食事をするとき、猫背やテーブルにひじをついた姿勢になっていませんか? この姿勢だと胃を圧迫したり腸の蠕動を妨げるため、うまく消化ができなくなることも。意識して背筋を伸ばし、体をまっすぐに保って食べましょう。胃腸の動きがスムーズになるだけでなく、気持ちが落ち着くので、かき込んだり、口いっぱいに頰張るといったこともなくなります。

 

その3. 飲み物で食べ物を流し込まない

飲食店では、まず水が運ばれてくるせいか、家でも水やお茶を飲みながら食べる人が増えているようです。しかし、飲み物があると食べ物を嚙まずに流し込む習慣が身についてしまいがち。食事を食べ終わってからお茶を飲むようにしましょう。

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飲み物は食後に飲みましょう

 

その4. 一口ごとに箸を置く

早食いや嚙まずに食べることを防ぐ方法の一つに、一口ごとに箸を置くというものがあります。箸を持ったまま食べると、咀嚼しながら次の一口に箸を伸ばしがち。結果的に、よく嚙まなくなります。箸をいったん置けば、嚙むことに集中できます。

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教えてくれたのは……

杏林予防医学研究所所長
山田豊文(やまだ・とよふみ)先生

老けない食べ方を栄養学のプロが解説! 噛んで食べる習慣を身につけるには?

【PROFILE】
一般社団法人日本幼児脂質栄養学協会(JALNI)会長。あらゆる方面から細胞の環境を整えれば、誰でも健康に生きていけるという「細胞環境デザイン学」を提唱し、本来あるべき予防医学と治療医学の啓蒙や指導を行う。2013年6月に「杏林アカデミー」を開校。自ら講師を務める講座を通じて、細胞環境デザイン学を日本に広めていくための人材育成に力を注いでいる。2018年にはJALNIを始動。おもに子どもの脂質改善を目的としたさまざまな活動を全国各地で展開している。おもな著書に『細胞から元気になる食事』(新潮社)、『病気がイヤなら「油」を変えなさい!』(河出書房新社)、『脳と体が若くなる断食力』(青春出版社)など。

杏林予防医学研究所ホームページ(https://kyorin-yobou.net
山田豊文フェイスブック(https://www.facebook.com/yamada.kyorin

(抜粋)

老けない食べ方を栄養学のプロが解説! 噛んで食べる習慣を身につけるには?
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編集・ライティング:藤田都美子、宇津井恵子

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