【上村愛子】引退するつもりだったバンクーバー五輪と復帰までの心境を告白［インタビュー］

『InRed』で連載中の「アスリート女子に学ぶ！ヘルシーな美しさの秘密」。今回のゲストは元フリースタイルスキー・モーグル選手の上村愛子さんです。引退までの経緯や、芯があるのにしなやかな、その魅力のワケをうかがいました。

思い通りにいかないことも受容する柔軟さが笑顔を生む

芯を持ちながらおおらかに状況を受け入れて対応する

フリースタイルスキー・モーグル選手として、これまで5度もオリンピックに出場している上村愛子さん。30歳で4位入賞を果たしたバンクーバーオリンピックが、実は一番つらかったと語ります。
「金メダルを獲って引退するつもりで臨んだ試合。ここまで作り上げてもメダルは獲れないのか……と無念でした。その後は一年間、休養。今まで経験のない『のんびり過ごす一年』を経た時、どんな気持ちになるのか知りたかったんです。何もしない贅沢な時間を過ごした結果、心と脳が解放され、それまでずっと着続けてきた鎧を初めて脱ぐことができて気が楽になりました。ああ、やっぱり私はコブを滑るのが大好きなんだなぁ、と原点に立ち返ることができ、復帰を決意。一年のお休みは本当によかった！」

上村さんの話から感じるのは、どんな状況も受容するおおらかさ。筋が1本通っていてブレないのに、頑なではなくしなやかでいられる理由を聞くと、「スキーをしているから」という答えが返ってきました。
「思っていた雪質じゃなかったり、1本滑るごとにコブの形が変わったり。スキーっていつも同じ状況で滑れるわけではありません。そんな時、文句を言うより受け入れて、どう対応するかを考えるほうが得策だと、無意識に学んだのだと思います」

スキーのことや現在の生活のことを話すその笑顔は、眩しいほどに輝いています。
「母がひまわりみたいな人で、よく笑うんです。子どもの頃からそれを見ていたので、笑顔が大好き。笑うと血行がよくなるからか、肌の調子も上がります。母みたいにニコニコしながら、歳を重ねていきたいですね」