「五月病」の症状や対処法は? ストレス解消方法も医師がアドバイス

新年度がスタートする4月は、住まいや職場など生活環境が変わる人も多いですよね。その環境の変化になかなか馴染めず、不安や緊張のなか、知らず知らずのうちにストレスがかかっている人も少なくありません。
そして、ゴールデンウィークが終わるころに「五月病」となり、なぜだかやる気がなくなってしまう……という症状が出る場合もあります。
そこで今回は、医師の視点から見た4〜5月のストレスが起こる原因や、ストレス解消法などについてご紹介します。

新型コロナ禍で精神的・経済的ストレスが増大! 対処法を医師が解説

 

4〜5月は新生活のストレスによる疲れが出やすい時期

4〜5月は新生活のストレスによる疲れが出やすい時期

4月に新生活が始まり、緊張の糸が解け始めた5月は、ストレスによる疲れが出やすい時期です。

「3月まではとても元気だったのに……」という人も、新生活が始まるとともに急にストレスがかかって悩むことも多いのではないでしょうか。

そこで、新生活のストレスによる心とからだの不調や原因について見ていきましょう。

 

ストレスによる不調の症状とは?

なかなか寝付けない、食欲が出ない、人と話すのが億劫になってきた……そんなふうに感じるときは、ストレスによる疲れが出ているサインです。
些細なことがきっかけで、心とからだの不調につながることもあります。ちょっとした違和感や心のざわつきなどの「サイン」を見逃さないようにしましょう。

 

新生活ストレスの原因は?

新生活によるストレスの原因は、人によってさまざまですが、次のような事柄が挙げられます。

生活リズムの変化

新しい人間関係によるストレス

慣れない環境で過ごすことによる疲れ

これらのことが積み重なって、ストレスになってしまいます。

とくに自分の周りの環境がガラリと変わってしまった方は、これまでの人間関係が続けられないように感じることが多いです。このような方は、ちょっとした不安や心配ごとを誰にも相談することができず、ストレスが蓄積されてしまう場合があるのです。

環境が変わることが多い春は、人間関係が途切れてしまうように感じがちですが、気心が知れた友達との関わりも大切にしながら、新しい人間関係を広げていくように心がけるといいでしょう。

また、新生活が始まるにあたり「新しい環境で頑張らなければ!」と自分を鼓舞しすぎてしまうことも、大きなプレッシャーとなり、ストレス過多となることが多いです。
自分への過剰なプレッシャーを緩め、いまできることから、ひとつずつ向き合っていくように心を切りかえてみましょう。

 

ストレスを感じたら早めに対処!

たかがストレスといえども、ストレスを放置しておくと、からだのあらゆる不調につながる可能性があります。ストレスを感じたら、できるだけ早めに対処するように心がけましょう。
そこで、新生活のストレスを解消するために、いますぐできるおすすめのストレス解消方法を3つご紹介します。

 

自分が心地よいと感じることをする

ストレスを感じたら、自分が心地よいと思うことをどんどんやってみましょう。
美味しいお茶を飲む、好きなものを食べる、アロマを焚く、湯船にゆっくりと浸かるなど、五感を刺激するようなことを思い切りやってみましょう。

 

日光浴をする

私たちの精神状態と日光は、とても密接な関係にあります。陽の光を浴びると、精神を安定させるために必要な脳内神経伝達物質であるセロトニンが分泌されるといわれます。そのため、太陽の光を浴びることで、気持ちが安定する効果が期待できます。
どこか遠くへ出かけることはできなくても、ベランダやお庭などで少し日光浴をする時間をとってみましょう。

 

映画を見て泣いたり笑ったりする

新生活でバタバタしていると、たくさん泣いたり大笑いする機会もありませんよね。
そんなとき、映画を見て泣いたり笑ったりすると、ため込んでしまった感情やストレスを上手にアウトプットすることができるのでおすすめです。

 

ストレスによる不調におすすめの漢方薬

「慣れない環境でストレスがMAX」「新しい人間関係を築くのが苦手で鬱になりそう……」そんなお悩みをお持ちの方におすすめなのが、漢方薬です。
漢方薬で根本的に体質を改善すれば、上手にストレスを解消することもできます。

漢方薬は医薬品としてさまざまな症状への効果が認められており、病院での治療にも活用されています。
自然の生薬を組み合わせているため、一般的には西洋薬よりも副作用が少ないといわれており、体質に合っていれば高い効果を得られます。

漢方薬が得意なのは、もともとからだに備わっている「内なる治癒力」を高めること。気の流れを整えることで自律神経を安定させて、心もからだも健やかな状態を目指せるのです。毎日続けて服用すれば、ストレスやイライラの症状がすっかり消えてしまった!という日がやってくるはずですよ。

また、「心とからだの健康のために、規則正しい生活や運動を毎日続けるのは大変……」という方でも、漢方薬による体質改善なら、自分の症状や体質に合うものを毎日飲み続けるだけなので、継続しやすいです。

新生活の疲れによるストレス解消のためにも、漢方医学を取り入れてみてはいかがでしょうか。

<ストレスを感じる方におすすめの漢方薬>

・加味逍遙散(かみしょうようさん):体力が中程度以下でイライラしやすい方
体内に滞った血のめぐりや気の流れを整えて、ストレスやイライラを改善します。

・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):精神不安な状態が続く方に
体内に滞った気のめぐりをよくして、精神的な不安を落ち着かせ、イライラやストレスを改善します。

・抑肝散(よくかんさん):体力が比較的なく、神経が高ぶる方に
怒りっぽい方や興奮しやすい方、イライラするなどの症状がある場合に用いられます。

 

ただし、効果が認められている漢方薬でも、その人に合っているか否かが重要なポイントです。合わないものを服用すると、効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。服用前に、漢方に詳しい医師や薬剤師等に相談するようにしましょう。

最近では、AIを活用して症状と体質に合った漢方薬を、漢方に精通した薬剤師に選んでもらえる「あんしん漢方(オンラインAI漢方)」というサービスも登場しているので、利用してみるのもいいでしょう。スマホから専門家への個別相談を、気軽に申し込むことができますよ。

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自分に合うストレス解消方法を見つけよう

自分に合うストレス解消方法を見つけよう

ストレスをため込んでしまうと、鬱病や精神疾患につながる可能性もあります。できるだけストレスをため込まず、上手に解消しながら、心とからだのバランスをとっていくことが大切です。ご紹介したストレス解消方法の中から自分に合う方法を見つけて実践してみてくださいね。
それでもストレスを抱え込みすぎて苦しい方は、無理をせず専門家の意見を聞きながら漢方薬を用いて、気の流れを整えつつストレス解消していく方法もおすすめです。「ひとりでなんとかしよう」と思い詰めずに、適切なアドバイスを受けることで、気持ちが楽になることもありますよ。

 

教えてくれたのは……あんしん漢方 木村 眞樹子医師

あんしん漢方 木村 眞樹子医師
木村 眞樹子医師

医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事。
妊娠、出産を経て、産業医としても活動するなかで、病気にならないからだをつくること、予防医学、未病に関心がうまれ、東洋医学の勉強を始める。
臨床の場でも東洋医学を取り入れることで、治療の幅が広がることを感じ、西洋薬のメリットを活かしつつ漢方の処方も行う。
また、医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行っている。

●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/

 

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