「心地いい暮らし研究会」のマキさんが考える、心と暮らしの整え方/収納は「この場所に入るだけ」と決める
『リンネル』で連載中の「『心地いい暮らし研究会』のマキさんが考える、心と暮らしの整え方」。どんなに片付けても、家がものであふれてしまう……。そんな人は収納スペースを限定するのも手。人気ミニマリストのマキさん流の収納術を教わりました。
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ものがあふれてきたタイミングで見直しを
場所を限定することで、ものの管理もラクに
「シンプルに暮らしたいけれど、どうしても部屋にものがあふれてしまう」「わが家にとっての適正量がわからない」
そんな人は、まず「収納スペースを限定してみる」のも、ものを減らすには効果的。書類や服、コスメ、日用品……と、それぞれの定位置を設定するとともに、「ここに入る量しか持たない」と決めることで、増えすぎを防げます。
「あふれそうなタイミングで中身を見直し、不要なものは処分。私はよく雑誌のレシピを切り抜いて取っておくのですが、溜まってきたら『実際に作ってみる』ようにしています。『いつか作ろう……』と考えているだけだといつまでも捨てられないけど、手を動かして自分のものにすることで、心置きなく手放せるんです」
マキさんが管理するものだけでなく、子どもたちのおもちゃも「この箱に入るだけ」というルールに。
「子どもの頃から取捨選択の練習をしておくことで、自分で要・不要を判断できるように。いちいち注意する必要がなくなって、親のストレスも軽減できます」
収納場所を1か所にまとめることで、手持ちの数や中身を把握でき、管理しやすくなるのも利点です。
「スペースからあふれたときに別の場所に分散させると、そのまま忘れてしまって、ムダ買いや食品ロスにつながる可能性も。それでもきちんと把握できる人はいいけれど、収納やストック管理が苦手な人は、ひと目で在庫がわかるよう1か所にまとめたほうが便利。特にティッシュのストックなど、家族みんなが使うものほど1か所に集約したほうがお互いにラクです」
仕事の書類や雑誌の切り抜きなどの“紙もの”はワークスペース横の引き出しへ。「引き出しがいっぱいになったら、見直して要・不要を判断します」
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それぞれのものの用途に合わせた収納スペースを
(01)服はクローゼットに収まる数に
服はすべてハンガーにかけ、手前にオンシーズン、奥にオフシーズンのものを収納。「『クローゼットに収まる数だけ』と決めて、お気に入りだけを厳選。ハンガーを増やさないことで、持ちすぎを防いでいます」
(02)日用品のストックは1か所に集約
引き出しの上段はマイクロファイバークロスなどの掃除グッズ、下段はウェットティッシュや箱なしティッシュのストックを収納。「わが家の消費スピードを把握し、『残り何個になったら買い足す』と決めることも大切」
(03)アクセサリーは定番のみ
身支度の際に流れでつけられるよう、アクセサリーは靴下と同じ引き出しへ。「手持ちのアクセはフォーマルな場につけていくネックレスやコサージュ、ピアスなど定番のものだけなので、小さな収納スペースで充分です」
(04)コスメはマグカップ1個分
コスメの定位置は洗面台の鏡裏の棚。「高い位置でも出し入れしやすいよう取っ手付きマグカップへ収納。日焼け止めと化粧下地を兼ねたBBクリームなど、ひとつで複数の役割をこなすアイテムを選ぶのも、ものを増やさないコツです」
(05)あふれたら“すぐ使う”習慣に
乾物や食品ストックは、キッチンに置いた無印良品のポリプロピレンケースへ。「生協の宅配、生活クラブから注文品が届いたときなど、一時的にあふれた場合は、次に使うものを見える場所に出しておき、忘れないうちに使います」
(06)食器も棚に入る分だけ
出し入れの際に迷わないよう、上段には夕食用、中段は朝食用、下段は休日やランチ用……と用途別に収納。「軽く拭いて並べておくだけで乾くのも、オープン収納の利点。ほぼ毎日使うものばかりなのでほこりもつきません」
収納場所にもコストがかかっていると考えて
ものを減らすためには、“今”使っているかどうか、を基準に考えることも大切。
「過去に使っていたもの、将来使うかもしれないものを取っておこうとすると、ものは増える一方ですよね。“今”に焦点を絞って、いる/いらないの判断をしていけば、『最小限の数でも意外と暮らしは回るんだ』と気づけます。それに、日用品もコスメも、時代に合わせて進化していくもの。もしあとから必要になったら、その時点で最新の機能やトレンドを取り入れたものを買ったほうが、満足度は高いのではないでしょうか」
それでも減らせない……という人は、「収納場所にもコストがかかっている」と意識してみるのもおすすめ。
「賃貸でも持ち家でも、家賃やローンを払っている以上、収納スペースはタダではありませんよね。いらないものを持ち続けることは、その分ムダなものにお金を払っているということ。だったら、その空間を家族の幸せのために有効活用したほうが絶対にいいはず。そう考えることで、ものを手放すきっかけがつかめるかもしれませんよ」
PROFILE/マキさん
シンプルライフ研究家。人気ブログ「エコナセイカツ」では、不要な家事をしない、シンプルな暮らしを発信する。マキさんのYouTubeチャンネル「エコナセイカツ」もチェック!
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photograph:Keiko Ichihara
text:Hanae Kudo
(リンネル2021年6月号)
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