いまさら人には聞けない“フェムテック”基本のキ + 入門者向けオススメ書籍6選 [植物療法士・森田敦子解説]

いまさら聞けない“フェムテック”の基本のキ + ビギナー向けオススメ書籍6選 [植物療法士・森田敦子解説]

もっとディープにフェムテック!

今、日本は空前の「フェムテック」ブーム到来中。フェムテックという言葉を頻繁に耳にするようにはなったけれど、そもそも意味や定義が何となくしか分からない……、なんて声もチラホラ。フェムテックをただのブームで終わらせないためにも、私たちがその根本を知り、取り入れていくためにはどうすればいいのでしょう? そこで、植物療法士であり、フェムテックを啓蒙する第一人者である森田敦子さんにお話を伺いました。

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教えて森田敦子さん! フェムテックって? フェムテックブームとの正しい向き合い方とは?

いまさら人には聞けない“フェムテック”基本のキ + 入門者向けオススメ書籍6選 [植物療法士・森田敦子解説]

「フェムテックとは、Female(女性)とTechnology(テクノロジー)を掛け合わせた造語。最近ではフェムテック市場の拡大に伴い、女性の抱えるからだの悩みや不調をテクノロジーで解決していくサービスやプロダクトのことと認知されている人も多いはず。

もちろん、それもフェムテックのひとつではありますが、根本的なことを言えば、もともと私たち女性のからだの中には、いくつものテクノロジーが備わっています。妊娠・出産はもちろん、体内に細菌やウイルスなどが入らないようにする、入ってしまった異物は体外に排出する膣の粘液もそう。この粘液にはパートナーの精子をしっかりキャッチし、届ける役割もありますよね。

また、セックスやセルフプレジャーなどによってエクスタシーを感じることで、脳からβ-エンドルフィンやオキシトシンといった、幸福ホルモンや快楽物質と呼ばれるホルモンが分泌。これがストレスを解消したり、免疫力向上へと繋げたりする役割を持つといわれています。大きなストレスを感じたときに、一時的に生理を遅らせて不調のサインを送るとともに、からだを守ることも。

これらのテクノロジーの中心はいつだって膣まわり。プロダクトから入るのもいいですが、粘液の役割とは何か、排卵の仕組みとは、更年期はなぜ起こるのか……。まずは自分自身と向き合い、学び、強さを知り、養生して周りの人々と繋がっていく。そこで、自分に足りないものがあったらプロダクトなどで補っていく。それが真のフェムテックであると、私は思うのです。

膣は子宮と臓器を繋ぐ窓的役割であり、新しい生命を生み出す道。おりものや生理の経血を排出する場所であり、セックスでパートナーを感じ、共有する感覚器官。私たちの人生に、いつだって密接に関わっています。それなのに、自分で膣を見たことや触れたことがない人が多いのが現実。小さなころからタブー視され、性教育も上辺だけ。そのまま私たちが思春期を迎え、大人となり、セックスをして親になる。自分が何も知らないままで子どもたちへ何を教えていけばいいのでしょう。パートナーには見せる場所なのに、なぜ自分は見たこともないのでしょうか。

膣は他人事ではなく、自分に備わっているもの。膣はきちんと潤っているのか、ふっくらと弾力があるのか、自分で見て触れて、状態を把握しておくことが大切です。乾燥していたり、ゴワゴワ硬くなっていると女性ホルモンの分泌も不安定にしてしまい、それが自律神経や自浄作用など、健康にも大きな影響を与えてしまうことに繋がります。そこで、専用のプロダクトを使い、丁寧にケアをすることで、健康な状態をキープできますし、加齢とともに訪れる変化にも柔軟に対応する準備ができるのです。

そもそもセックスはいつまでするものと考えていますか? 最近ではセックスレスという言葉も多く耳にします。人生100年時代といわれる今、セクシャリティが30〜40代で終わってしまうなんて悲しいこと。

性欲は人間の3大欲求のひとつであり、ある程度自立している高齢者であれば、性欲はいくつになっても維持されます。若いころと同じようなセックスができなくても、何かにときめいたり、恋心を抱いたりするのです。それは決して恥ずかしいことでも、年なのにと卑下する話でもなく、この欲望こそ、生命力と幸福度を高め、エイジングケアにも繋がっていきます。閉経後も何十年と人生は続きます。

将来の自分のためにも、健全な心身を育むためにも、今こそ女性のからだの中に備わるテクノロジーときちんと向き合い、理解し、女性性を活かしていくときではないのでしょうか」

 

正しい知識を身につけるためのオススメの書籍6選

自分のからだのことを知るためにも、まず学ぶことから。そこで今回取材したなかで、アラフォー世代必読の書籍や、お子さんと一緒に読みたいジェンダーに関する絵本などを6冊ピックアップ!

 

『感じるところ』

いまさら人には聞けない“フェムテック”基本のキ + 入門者向けオススメ書籍6選 [植物療法士・森田敦子解説]
『感じるところ』 森田敦子著(幻冬舎)¥1,430
生理不順やPMS、セックスレス、不妊などあらゆる悩みがつきまとう膣まわり。フランスのパリ13大学医薬学部自然療法学科で植物療法と性医学を学んだ森田さんが、20・30代の女性へ向けて、気になるであろうトピックスを一冊に。からだの構造や洗い方、保湿法などの膣についての基本知識から、快感、女性ホルモン、婦人科との付き合い方、将来へ向けてしておくべきことなど、私たちの“知りたい”が満載!

 

『Jouissance Club あなたのセックスによろしく—快楽へ導く挿入以外の140の技法ガイド—』

いまさら人には聞けない“フェムテック”基本のキ + 入門者向けオススメ書籍6選 [植物療法士・森田敦子解説]
『Jouissance Club あなたのセックスによろしく—快楽へ導く挿入以外の140の技法ガイド—』 ジュン・ブラ著(CCCメディアハウス)¥1,760
「セックスは他者同士がからだで行う最も親密な行為。だから、相手の心とからだに敬意を持たなくてはならない」という基本姿勢のもとで描かれた、自分とパートナーの心とからだを知るための性のガイドブック。挿入を伴わないセックスや、性に関する雑学がちりばめられ、ポップなイラストや図解、キャッチーな紹介文で展開。読み終わるころには性知識はもちろん、快楽のバリエーションも増えているはず!

 

『枯れないからだ』

いまさら人には聞けない“フェムテック”基本のキ + 入門者向けオススメ書籍6選 [植物療法士・森田敦子解説]
『枯れないからだ』 森田敦子著(河出書房新社)¥1,320
50代前後の女性が迎える「更年期」。閉経や介護問題、セックスレス……。心とからだの大きなターニングポイントを迎える、大人の女性が知りたい「性」と「生」について説いた一冊。膣まわりの正しいケアを見直し、実践することで「更年期だから仕方ない」、「閉経したから女は卒業」と諦めることなく、ポジティブに更年期、老年期を迎えられるように。世界各国の介護施設を訪問し、自らも経営している森田さんが導き出した“枯れない”ための解決策とは。

 

『Vagina:A Re-Education これからのヴァギナの話をしよう』

いまさら人には聞けない“フェムテック”基本のキ + 入門者向けオススメ書籍6選 [植物療法士・森田敦子解説]
『Vagina:A Re-Education これからのヴァギナの話をしよう』 リン・エンライト著(河出書房新社)¥2,420
フェミニズム、時事問題やファッション、アートなどを専門とする、アイルランド出身でロンドン在住のジャーナリスト、リン・エンライトによる「女性器」についてのエッセイ。世界中の性教育の現状やヴァギナについての世間の認識、オーガズムや不妊、妊娠、更年期などを作者の回顧録を交え、軽やかに語られる。今までタブー視され、“ないもの”とされてきたヴァギナについてもっとオープンにすることで、正しい知識や情報が広まり、理解が深められると呼びかける大人の性教育本!

 

『女の子だから、男の子だからをなくす本』

いまさら人には聞けない“フェムテック”基本のキ + 入門者向けオススメ書籍6選 [植物療法士・森田敦子解説]
『女の子だから、男の子だからをなくす本』 ユン・ウンジュ著 イ・へジョン絵 ソ・ハンソル監修(エトセトラブックス)¥2,200
「女の子はリーダーになれない」「男の子は泣いてはいけない」など、性別の枠組み・固定観念に縛られず、子どもたちの行動や思考を制限してしまわぬよう、そこから自由になるためにはどうすればいいのか。カラフルなイラストとともに分かりやすくひもとく、韓国発のジェンダー絵本。大人も子どもと一緒に読みたい一冊。

 

『潤うからだ』

いまさら人には聞けない“フェムテック”基本のキ + 入門者向けオススメ書籍6選 [植物療法士・森田敦子解説]
『潤うからだ』 森田敦子著(ワニブックス)¥1,320
生理、排泄、セックス、妊娠、出産と、女性のからだで一番忙しく働く膣まわり。この部分の潤いこそ、健康のバロメータ。今まで語られてこなかった、デリケートな部分についてディープに掘り下げた女性にとっての新バイブル。重版を重ね、現在6万部突破の大ヒット!

 

お話を伺ったのは、植物療法士/株式会社サンルイ・インターナッショナル代表、株式会社Waphyto代表 森田敦子さん

プロフィール/植物療法士。フィトテラピーが日本に根付く20年以上も前に、パリ13大学医薬学部で植物療法を学び、日本での普及に尽力する第一人者。帰国後は植物バイオ研究に関わり、数々の賞を受賞。著書も多く出版。AMPP(フランス植物療法普及医学協会)認定校「ルボア フィトテラピースクール」の設立やサロン運営も。昨年、植物バイオメソドロジーに基づくトータルライフケアブランド「Waphyto(ワフィト)」を立ち上げた。植物療法の普及に努める傍ら、人生100年時代を見据え、出産や介護の現場を通じて女性の健康をトータルにサポートする可能性を探求。その信念に共感する女優やタレントも多く、活動の場を広げている。

 

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photograph_MAYA KAJITA[e7]
text_EMI TANIGUCHI
(otona MUSE 2021年9月号)

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