讃岐うどんが香川県で広まった理由は? 讃岐うどんブームの仕掛け人に尋ねた!

讃岐うどんのルーツを探して

香川県の名物料理として、全国に知れわたった讃岐うどん。その名を聞けば、誰もがイメージできるポピュラーなメニューだ。では、その讃岐うどんにはどんな起源があり、どのように広まったのだろうか? 気になる歴史を『さぬきうどん未来遺産プロジェクト』の中心となり、讃岐うどんにまつわる過去の新聞記事や地元民の証言を集める田尾和俊さんに教えてもらおう。

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「香川のうどん文化がいつ定着したのか、我々はファクトをもとに探っているんです」

香川のうどん文化の歴史を発掘し、未来につなげていくための活動『さぬきうどん未来遺産プロジェクト』は、はなまるうどんが後援となり2015年に立ち上げられた。そのエグゼクティブ・ディレクターを務める田尾さんは、讃岐うどん店巡りブームの火つけ役として知られる人物だ。

時代が昭和から平成に移り変わる頃、地元のタウン情報誌の編集長をしていた田尾さんは、高松の製麺所巡りの連載を始めた。

「それ以前は、讃岐うどん店といえばフルサービスの一般店がメジャーな存在で、サラリーマンの昼飯として需要があったのは、ファストフードのようなスタイルの大衆セルフ店でした。それ以外の、製麺所にふらっとやってきた近所の人が勝手に麺にだしをかけて食べるスタイルは、当時、うどん店としては認識されていなかったんです。これが、実はめちゃくちゃ面白いものなんじゃないかと思い、連載を始めたんですよ」

それを読んだ地元の若者たちが田尾さんとその仲間たちが結成した麺通団の活動を真似て、製麺所巡りを始めたところからじわじわと広がり、テレビでも紹介されるほどに。1989年に始まった連載は、1993年に書籍『恐るべきさぬきうどん』(新潮文庫)として出版。今でもうどん店巡りをするなら必読と言われる讃岐うどんのバイブルになっている。

「そして1994年頃、どこから聞きつけたのか全国区のそばとうどんの専門誌で40ページくらいの大特集が組まれまして、ブームに火がつきました」

そこから始まった製麺所巡りの大ブームは、讃岐うどん史においてのまさに大事件だった。しかし、これほど定着していながら、讃岐うどんは意外なほどそのルーツや歴史についての資料が残っていない。田尾さんはそこに注目した。

「当たり前にあるものについて、わざわざ記録に残しませんからね。讃岐うどんの起源として知られた説でも、調べてみると根拠がいい加減だったりするんですよ」

田尾さんによれば、讃岐うどんがいつ頃から、どのように食されていたものなのか、ということについても曖昧なのだという。

「祭りなど人の集まる際に、混ぜ寿司や揚げ物とともにセットで振る舞うのが定番だったようだ、という話があり、それだけ聞くとハレの日の食べ物のように思えます。しかし昭和の頃、食べ物がなかったからうどんで紛らわしていたとも聞いたのです。米が少ないから小麦粉を練ったものを汁に入れて食べていたと。それはどう考えてもハレの食べ物ではありませんよね」

香川県でうどん文化がここまで盛んになった理由も、よくわからないのだとか。

「うどん文化が盛んだったのは間違いないが、それがなぜ、いつから、となると、確かなことはわかっていません。『さぬきうどん未来遺産プロジェクト』は、その実態を知るためのプロジェクトです」

このプロジェクトを後押ししたのが、はなまるうどん前社長の成瀨哲也氏だった。

「過去に編纂された文献を再編纂するのではなく、新たに発掘したらどうですか、と成瀨さんがおっしゃって。発掘するのは、地元の人たちの証言です。その時代を生きてきた一般人が一番事実に近いものを持っています。昭和20~30年代にどういうものを食べていたか、その記憶も放っておくとどんどん失われてしまいます。それを発掘し、文字として残すという作業を進めているところです」

『さぬきうどん未来遺産プロジェクト』のウェブサイトには、そうした証言や、新聞記事の中に見られる讃岐うどんに関する情報が、着々と整理されつつある。

「自分は研究しているわけではなく、ただファクトを集めているだけなんです。以前、県内のうどん店をすべて網羅して『さぬきうどん全店制覇攻略本』を発行しました。編集スタッフ総出で調べ回った各店舗の基礎データを掲載したところ、当時で約650軒ありました。それまで誰も数えたことのなかった県内のうどん店の実数も、初めてわかったのです」

そうした田尾さんの一途さが、このプロジェクトの基礎となっているが、このプロジェクトにおいては『正確さ』を求めるのが目的ではない。

「同じ地域で証言を集めていても、AさんとBさんの話す内容が微妙に食い違うこともある。それを突き詰めて正しい答えを求めるのではなく、そうした話がある、という事実を並べていくのです」

そうして集め、整理された新聞記事や地元民の証言が、今後貴重な資料となっていくことは間違いない。

「このプロジェクトで集めた情報がファクトベースの歴史としては、一番事実に近くなるものだという自負はあります」

このプロジェクトが、讃岐うどんの歴史の一つの正解となっていくのだろう。

 

讃岐うどんの“空白の歴史”とは?

讃岐うどん発祥には諸説あるが、主立ったものはここで挙げる3つ。しかし、どうやってここまで発展したかは不明な点が多い。

讃岐うどんの発祥にまつわる3つの説

讃岐うどん発祥の説 その1
9世紀頃に空海が伝えた
9世紀に遣唐使として中国に派遣された空海が、当時の都・西安で学んだ麺の製法を生誕地の香川県に持ち帰ったという説が遺されている。

讃岐うどん発祥の説 その2
室町時代に公家や武家に広まった
15世紀頃の日記に「饂飩(うどん)」と書かれている。公家や武家に普及したのち、江戸時代になってから庶民の食べ物として定着したとされる。

讃岐うどん発祥の説 その3
金毘羅参りで発展、誕生
江戸時代、港から『金刀比羅宮』へ向かう道中に小麦粉の製粉が盛んな宿場町があり、そこで振る舞われた麺が讃岐うどんのルーツという説。

近代までの空白期間
近代にいたってどのような経緯でたくさんの製麺所が生まれ、庶民の味として定着したか定かではない。

 

教えてくれたのは……麺通団団長 田尾和俊

教えてくれたのは……麺通団団長 田尾和俊

広告代理店勤務を経て1982年に『月刊タウン情報かがわ』の初代編集長に就任。主宰を務める麺通団の活動や著書『恐るべきさぬきうどん』(新潮文庫)で、讃岐うどんブームを起こす。現在は四国学院大学で教鞭をとりながら、はなまるうどんが進める『さぬきうどん未来遺産プロジェクト』の中心メンバーとして活動中。

讃岐うどんブームの仕掛け人 麺通団とは?

『月刊タウン情報かがわ』で連載された「ゲリラうどん通ごっこ」の連載をまとめた単行本『恐るべきさぬきうどん』の第1巻が1993年に発行。同時に連載開始以来の探検仲間を「勝手に」集めて結成されたのが麺通団。その活動は全国のマスコミから注目され、翌年の1994年頃から讃岐うどん巡りに香川県を訪れる人々が急増し「讃岐うどんブームの火つけ役」に。2006年公開の映画『UDON』のモデルにもなった。活動の模様は『恐るべきさぬきうどん』(新潮文庫)、『超麺通団』(西日本出版社)などに記されている。

麺通団公式サイト
http://www.mentsu-dan.com

 

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編集・構成・執筆:株式会社P.M.A.トライアングル、達 弥生、パリッコ、簑部えりか、森野広明、吉田あき
撮影:荻窪番長、小嶋 裕、齋藤ジン、佐藤侑治、吉村 永、守屋貴章
写真・資料提供・編集協力:株式会社はなまる
Special Thanks:
株式会社はなまる 経営企画室 販売戦略 赤澤賢士、経営企画室 広報・マーケティング 清水加奈子、経営企画室 マーケティング 西脇有希子
株式会社吉野家ホールディングス グループ企画室 広報・IR 芥川元則

※「吉野家ホールディングス」の「吉」は、正しくは「士」ではなく「土」
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WEB編集:FASHION BOX

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