【SPECIAL Interview】藤あや子さんの変わらない美しさの秘密は年齢を気にせずトライすること
この4月、60代にして写真集を発売した、演歌歌手・藤あや子さん。日々鍛えているという体と、美しい肌を披露されています。若いころから変わらない美しさを保つ秘訣や、ツイッターやインスタグラムで話題の保護猫「マル」と「オレオ」との生活について伺いました。
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自信を持って洋服をまとう そうすれば、それが似合う自分になれる
「プライベートでは、今日のような赤の服はあまり着ないので、新しい自分が見つかった気がして嬉しい。“大人可愛い”感じでいいですね」
そう話す藤あや子さん、実は30代は全身シャネルの、いわゆる“シャネラー”だったのだそう。
「海外ロケのついでに、パリの本店まで行ってお買い物したことも。贅沢でしたけど、一流のものに触れた経験は、その後も生きています」
最近はエレガントなワンピースからロックテイストのTシャツまで、気分に合わせて幅広いスタイルを楽しんでいるそう。
「いまギターを習っているんですけど、まずは格好から入りたいので(笑)、レッスンには大好きなアメリカのシンガーソングライター、ブルーノ・マーズのキャップをかぶって行きます。ブランドものを着るときは、全身ではなく、カジュアルな服にシャネルの靴を合わせたりして抜け感を作るのがポイント。年齢を重ねるごとに引き算ができるようになりました」
どんなアイテムでもカッコよく着こなすコツは、「自信を持つこと」と藤さん。
「もうこの年齢だから……と気後れせず堂々と着ていれば、だんだんサマになってくるはず。年齢とともにファッションも保守的になりがちだけど、たった一度の人生なんですから。いくつになっても年齢は関係なく、おしゃれを楽しみましょうよ!」
柔軟にファッションを楽しむことに加え、約10年続けているヨガも若々しさの秘訣。いまは週4日ほど、オンラインのヨガレッスンを受けているそう。
「1時間半みっちりやるので、終わった後は汗だく。今日はウエスト、明日は背中と、毎回鍛える部位が違って結構ハードなんです。それに、ただ体を動かすだけでなく“自分と向き合う時間”を持てることが私にとっては大きい。レッスン中は体の状態を自分に尋ねて、終わったら『今日もレッスンを受けられてありがとう』と心と体に感謝する。そうやって自分を大切にすることも必要なんだと、ヨガを通じて気づかされました」
最近では、ヨガに加えてキックボクシングもスタート。
「とにかく楽しいし、体幹も鍛えられます。次はフック、次はストレート……と体を動かしつつコンビネーションも考えるので、脳トレにもなるんですよね」
マルオレ(2匹の保護猫)から教えられることがいっぱいあるんです
体を鍛えるだけでなく、食事で内側からしっかりケアすることも、藤さんの美のルール。自身のインスタグラムでも、たびたび“あや子メシ”とタグづけしたお手製の料理を披露しています。
「料理が大好きで、スーパーで食材を見るだけでテンションが上がるんです(笑)。どのメニューでも作れるように、旬の野菜、肉、魚……と常に揃えています。何皿も同時に食卓に出せるように、逆算して段取りを考えるのが好きなんですよね。これも“脳トレ”になっている気がします」
その日に体が欲するものを食べ、甘いものも大好きという藤さんですが、唯一ストイックに制限しているのが、お酒。
「以前は毎晩、シャンパン1本空けて床で寝ちゃうくらいだったんですけどね(笑)。きっかけは、女優でミュージシャンのジェニファー・ロペスのパフォーマンスを見たこと。あんなにカッコいい体で50代なの!?と衝撃を受けて。雑誌記事に彼女が実践している習慣が書いてあったので読んだら、アルコールを飲まないらしいんです。ちょうど『ずっとヨガをやっているのに脇腹のお肉がなかなか取れないな』と感じていたところだったので、思いきってやめたら、やっぱり体が変わりました。お酒のない人生なんて!と思っていたのにね(笑)。でも、そういう“覚悟”を決めなきゃいけないときって来るんですよね」
そんな藤さんの引き締まった美しい体を収めたのが、4月に発売したばかりの写真集『FUJI AYAKO』です。
「女の人には年齢を重ねるにつれて、“艶かっこよく生きてほしい”というメッセージを込めて作りました。いくつになっても、女性は輝けるはずですから。『もう遅い』とは言わずに、できることから始めてほしいです」
とはいえ、藤さんのように自分を変えたいと思っても、実践するのは難しいもの。第一歩を踏み出すには、どんな心構えが必要なのでしょうか。
「大事なのは、根気よく自分とつき合うこと。とりあえずトライして、合わなければやめればいい。いろいろ試すうちに、自分に合ったものが見つかりますから。階段の上り下りのような軽い運動だっていいんですよ。一度ルーティンにしてしまえば、歯磨きと一緒で、やらないと気持ちが悪くなる。そうやって続けていけば自信になるし、美にもつながるはずですよ」
そんな藤さんの毎日を“癒やし担当”として支えているのが、2019年にやってきた保護猫のマルとオレオ。SNSでもおなじみの“マルオレ”ちゃんです。
「疲れて家に帰っても、彼らの匂いをかぐだけで気持ちが落ち着くんです。彼らに幸せをもらっている分、私もありったけの愛情を注いでいます。相思相愛の関係ですね(笑)」
マルオレとの出合いを通じて、「ほかの猫たちも救いたい」と、チャリティーグッズの制作などの保護猫活動も行うように。
「この活動もヨガと同じように、無理なく続けていきたいことのひとつ。コロナ禍でマルオレちゃんと過ごす時間も増えましたが、『猫たちはなんて自由にのびのび生きてるんだろう』『人間もこう生きるべきだよね』としみじみ思う。彼らに教えられることはいっぱいあるんです」
藤さんに抱かれる子猫のころの「マル」(右)と「オレオ」(左)。
2019年に引き取ったという、保護猫の「オレオ」(右)と「マル」(左)。
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PROFILE/演歌歌手 藤あや子(ふじ・あやこ)
1961年生まれ。秋田県出身。1987年デビュー。代表曲に「こころ酒」「むらさき雨情」「花のワルツ」など。小野彩という名前で自ら作詞・作曲も行う。保護猫「マル」と「オレオ」の2匹との生活を投稿するツイッターやインスタグラムが大人気に。シングル「夢のまにまに」が発売中。
写真集発売中!『FUJI AYAKO』
“艶かっこいい”をテーマにした写真集『FUJI AYAKO』が4月15日に発売。ロケは石垣島で行われ、「水や海が大の苦手」という藤さんですが、恐怖に打ち勝ち頑張って撮影されたそう。「女性にこそ見てほしい」という、60代とは思えない鍛え上げられた背中が印象的です。
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撮影/奥村恵子
スタイリスト/飯田聡子
ヘア&メイク/岡崎じゅん
インタビュー・文/工藤花衣
(素敵なあの人 2022年6月号)
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WEB編集/FASHION BOX