広末涼子|家族とのエピソード「ごめんねと言わないで」の言葉に気づかされたこと[インタビュー]

広末涼子|子どものお迎えが遅くなったときの「ごめんね」をやめたきっかけは?[インタビュー]

広末涼子 初エッセイ『ヒロスエの思考地図 しあわせのかたち』

女優、広末涼子さんが初の著書を発売した。若い頃からずっと大切にしてきたもの、母親として心に刻んでいることなど――40代の“ヒロスエ”が紡ぎ出す言葉の数々は、読めば優しく背中を押されるような、温かい力に満ちている。

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家族といることが私の幸せ。
何気ない日常が、かけがえのない瞬間の連続です。

広末涼子|家族とのエピソード「ごめんねと言わないで」の言葉に気づかされたこと[インタビュー]
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映画『鉄道員(ぽっぽや)』『おくりびと』など多数のヒット作に出演し、今も第一線で活躍する広末涼子さん。彼女の初の著書は、過去の偉人の言葉にフォーカスしたエッセイだ。
「私が人生の中で悩んだり自分探しをしたり、壁に直面していたり、その時に読んでいたのが哲学書でした。何か答えに近いものを教えてくれた気がしたんです。その時の気持ちを思い返し、哲学者の言葉を入口として、自分が大事にしているエピソードを書いてみようと思いました。私と同じように迷っている人が、失敗しても惑ってもいいんだと思ったり、私の失敗談でクスッと笑ったり、私なりのポジティブな発想でちょっとでも元気を出してもらえたら嬉しいですね」

掲載されている言葉の中から、特に印象的な言葉を3つ選んでもらった。

「夜のなかを歩みとおすときに助けになるものは橋でも翼でもなく、友の足音だ、ということを、ぼくは身にしみて経験している。ぼくらは夜のさなかにいる」
――ヴァルター・ベンヤミン

「最後の『ぼくらは夜のさなかにいる』という言葉にゾクッとしたんです。ヴァルター・ベンヤミンは私たちよりずっとシリアスな時代を生きた人ですが、私たちも今、そういう時なのかもしれないと。コロナ禍が続き、最近は戦争のニュースもありました。それらはもちろん悲しいけれど、心のどこかで、『自分は大人なんだから、仕方ないことだと諦めて、受け止めざるを得ないんだ』と思っていました。でも結構ショックでストレスを感じていたみたいで……。それを実感する瞬間が、最近もありました。子どもの音楽会を観に行ったのですが、子どもたちみんなの歌声に涙が止まらなくなったんです。ストレートに歌う子どもたちの声に心が洗われたような気がして。『ああ、やっぱりコロナや戦争が、自分が思っている以上に辛かったんだな』と気づかされましたね」

そんな“夜のさなか”で助けになるのが“友の足音”というのが、すごく感動的だそう。
「私は本当に友達に助けられてきました。特に学生の時はその存在が大きくて、ある意味親よりも影響力があったので、エッセイには友達についてのエピソードを結構書いています。学生時代を一緒に歩んできた友達って、どんなに会っていなくても、会った瞬間ピタッとその頃に戻れるんです。その人たちの存在があるからこそ、今の状況や家庭のことも頑張れるんですよね。だから、とても感謝しています」

広末涼子|家族とのエピソード「ごめんねと言わないで」の言葉に気づかされたこと[インタビュー]

「人からもらった幸福とちがって、自分で作る幸福は決して人を欺かない」
――アラン

「自分で作った幸福は何だろうと考えた時、やっぱり家族だなと思いました。そう考えると、自分が子どもだった時の幸福は親に作ってもらったものだと思ったら、ハッとしたんです。生活習慣や常識や季節の行事を当たり前に教えてもらったことが、なんてありがたいことだったんだろうと。今、自分が親の立場になって、『豆まきだって、私が用意しないと子どもたちが知らないまま大きくなるんだ。でも、豆をまいたら掃除が大変だから落花生にしようか……(笑)、いや、ちゃんとやった方がいいかな』と考えたりしていますが、母はこれを考えて全部準備してくれたんだと気づいたんです。大変だったろうけど、そのおかげで人としての豊かさや季節の移ろいなどを学ばせてもらったと今ならわかります。私も子どもたちに、ちゃんといろいろなことをしてあげたいと思っています」

「この世で一番すてきなことは笑うことだって本気で思います」
――オードリー・ヘップバーン

「本当にそうだなと思います。笑うことが心の浄化作用になるし、難しいことを考えていると笑顔を忘れがちだけど、笑顔でいることが大事だなと。やっぱり、子どもたちの前では笑顔でいたいですよね。私、一番上の子が小さい時、子どもに後ろめたさというか、(もっとあれもこれもしてあげたいのに……)という気持ちを持っていたことがあったんです。仕事をしていて、子どもとずっと一緒にいられるわけじゃないから。そんなある日、幼稚園の園長先生から『ごめんねって言わないでください、お母さん』と言われたんです。『お迎えが遅くなってごめんねと、言う必要ないです。だってお母さんは子どものために働いているんだから。待っててくれてありがとう、はいいけど、ごめんね、とは言わないで』と。それを聞いて、自分が働いている背中を見せることは、子どもに申し訳なく思うことではないんだと気づいたんです。心が軽くなりましたし、それからは『ありがとう』をたくさん言うようになりました」

持ち前の「好奇心と負けん気の強さ」で、14歳からずっと走り続けてきた広末さん。40代になった今、そのスタイルに少しだけ変化があった。
「最近は、頑張りすぎると、気がついたらヘトヘトになってたりするので(笑)、体にも気をつけなきゃと思うようになりました。若い頃は人に頼るのが苦手でしたけど、今は欲張りすぎず、調整していこうと思います。やっぱり健康第一です(笑)」

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フリードリヒ・ニーチェ、アリストテレス、ジャン=ポール・サルトルら歴史上の哲学者の名言と自身が尊敬する女性たちの言葉を鍵として、心の引き出しを開け放ち、約2年かけて全編を書き下ろしたエッセイ。活発なスポーツ少女だった小学生時代、中学生で飛び込んだ芸能界と女優という仕事への情熱、妻として3人の母親として家事・育児に奮闘する現在などを、広末さんらしいポジティブな筆致で綴っている。

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Profile/広末涼子(ひろすえ・りょうこ)

1980年生まれ、高知県出身。14歳でデビュー後、ドラマ、映画、CMなどで活躍し、ヒット作にも数多く出演。日本アカデミー賞をはじめ受賞歴も多数。出演する映画『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』が6月17日に公開予定。プライベートでは3人の子どもを持つ母親として、家事・育児に奮闘する。

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撮影/村本祥一(BYTHEWAY)
取材・文/金山 靖
スタイリング/岡本純子
ヘア&メイク/倉田明美(THYMON Inc.)
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WEB編集/FASHION BOX

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