心とからだと女性の幸せについて。
「ウェルビーイングな世界を目指すこと」をテーマに、長谷川ミラちゃんと様々な角度から幸せについて考える連載「VIRTUAL HUG」。今回の特別版ではタレントのSHELLYさんをゲストに迎え、女性の心とからだのことを真剣に考えました。またこの企画は、宝島社の雑誌が合同で行っているフェムテック・フェムケア啓発プロジェクト「もっと話そう! Hello Femtech」の一環です。女性の心とからだがもっと幸福感に満ち溢れ、生きやすく活躍しやすい社会を目指して。
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日本社会の現状と今後への期待 私にとっての幸せってなんだろう?
SHELLYさんと一緒にまず考えるのは、ジェンダー的な観点で世界から遅れをとっている日本社会について。まずは女性たちが正しい知識を身につけることが大切。
性教育が行き届いていない日本の現状にモヤモヤ
ミ:私も出演させていただいた、YouTubeで配信中の「SHELLYのお風呂場」を始めたきっかけは?
S:10代のころから性教育に興味があって。タレントになったのも、影響力が持てたら若い女のコに避妊や性感染症の怖さを伝えていきたかったからなんです。さらにこの状況のせいで、「若者の中絶が増えた」とかデマが出てきて。そもそも性教育ができてないのに子どもたち馬鹿だねって笑ってる大人を見て余計にストレスが溜まって。そんなときヘアメイクさんに「YouTubeでもやればいいじゃん」って言われて「えーい、やっちゃえ!」って。
ミ:「アナザースカイ」っていう番組でSHELLYさんの回を見たんです。「女のコたちに性教育を伝えていきたい」っておっしゃってて「こんなことテレビで言える人いるんだ!」って感動して涙目になりました。そのあとハリー杉山さんを介してお会いできたんですよね!
世界中で#MeTooが広がる中ヴィクティムブレーミングが横行
S:そのときかなり酔っていて、性教育トークが白熱したんだよね! 性犯罪とか、それを責める責めないとか。
ミ:知識があるSHELLYさんと話して全然勉強が足りてないなって思ったし、私の友達はそもそも理解できなかったんですよ。知識がないから。
S:「女のコも悪いよね」っていう考え方のコもその中にいたからね。それに対して私達が白熱(笑)。いや、レイプだったら立派な犯罪でしょって。こういうのをヴィクティムブレーミングって言うんだけど、被害者(=ヴィクティム)を責める(=ブレーミング)っていう言わばセカンドレイプ的な風潮が日本には色濃く残ってる。だから被害者は名乗り出ることもできないよね。2017年に#MeTooが世界中で広まったときも、日本だけ他人事だった。それが今年になって、5年遅れの#MeTooがやっと始まりかけてるけど、ここで膿を出し切らないと問題は解決しないよね。
女性が女性を蹴落としてどうする? “シスターフッド”精神で仲間意識を!
ミ:声を上げづらい空気もありますよね。女性同士でも被害者批判みたいな考え方があると余計に。女性が女性を蹴落としてどうすんの?って。例えば生理のこともそうで、軽い人は「そんなに辛くないよ?」って。そうじゃなくて同じ女性だからこそ分かり合いたいのに!って。
S:そう! まさにそれがシスターフッド。私はこの言葉をすごく推していて、女性が団結するためにも「同じ仲間だよね、守り合おうね」っていう思想がないと#MeTooみたいに声を上げるのは怖いと思う。男性に好かれたいから一緒になって女性を叩くみたいなの、私は大嫌いで女性は女性の味方でないと世の中は変わらないよ。ただ、そういう女性を生んでいるのっていわゆる家父長制。その状況で育ったコが認識を変えていくのってすごく大変だと思う。そこで否定すると分かり合えないから「わかるよ、そうやって育ったもんね」ってまずは一度受け入れてる。
ミ:優しい、SHELLYさん!
コロナ禍で声を上げた女性たちの成功体験で勇気を出して
ミ:これから日本のジェンダー問題にはどう向き合っていけばいいでしょうか?
S:まず、コロナ禍でシングルマザーの窮状や、非正規雇用の8割近くが女性という事実が明るみになったことでジェンダー問題が可視化されたのはよかったよね。そこで初めて「ジェンダーギャップって何?」っていうスタートラインに立てた気がする。日本のジェンダーギャップ指数が世界で120位で驚いている人が多いけど、実はずっとこの順位を前後していて、メインストリームのメディアで報道されたのって一昨年が初めてなの。だから、コロナ禍で女性が声を上げて、それをメディアが取り上げたっていうのはすごく大きい。これは#MeTooにも通じることなんだけど、どんなに声を上げても聞いてもらえなかったら諦めるしかない。でも今回は声を上げたことで世の中が動き始めて、声を上げるのは大事なことなんだって成功体験を積むことができた。
自分の人生だから自己決定権を主張していこう!
ミ:私、今年で25歳になるんですが、今私達20代がやりたいお仕事ができてるのはまさにそういう変化のおかげだと思っていて。そんな20代にできることって何でしょうか?
S:YouTubeの「SHELLYのお風呂場」でも伝えているんだけど、特に女のコ達に理解してほしいのが人生は自らが舵をとって自分が決めていくんだってこと。そしてもっと自信を持ってほしい。とりあえずパートナーや上司に同意するんじゃなくて、嫌か嫌じゃないかを考えて意思表示することも大切。仕事も結婚も、あなたにとって何が一番幸せかとか、今生きづらいならそれを変えるのにはどうすればいいのかを考えて、そこは自分が主軸になってほしい。私が離婚後に感じたことだけど、これだけ自分の意見に自信がある人間なのに、めちゃくちゃ我慢してたなって気がついたの。パートナーや親、社会が悪いんじゃなくて、最終的に私が我慢すればスムーズにいくんだって全部背負ってたんだよね。当時はその状況をストレスに感じていなかったけど、背負ってたことに気がついた後の人生のほうがすごく自分らしく生きられてる。もし10年前の自分に何か言いたいことがあるか聞かれたら、それだなって思います。
Pick-up word
Victim Blaming(被害者非難)
犯罪の加害者ではなく、被害者を責めること。なかでも性暴力にあった女性に対して非難が起こりがちで、性犯罪で用いられることが多い。レイプ被害者へのセカンドレイプのひとつでもある。
#MeToo(ミートゥー)
2017年にアメリカで始まった、セクハラや性的暴行の被害体験を「#MeToo」をつけて投稿する運動。これまで沈黙せざるを得なかった人々の間に連帯を生み、性暴力に対する認識の甘さが明白に。
Sisterhood(シスターフッド)
1960〜80年代のウーマン・リブ運動の中で使用された言葉で、女性解放という大きな目標のための女性同士の精神的な繋がり。#MeTooとともに、女性の性被害の現状が明るみになるきっかけに。
Gender Gap(ジェンダーギャップ)
男女の違いによって生じる格差。ジェンダーギャップ指数とはWEF(世界経済フォーラム)が公表する、男女格差を示す指数で、日本は2021年に156カ国中120位と過去最低を記録した。
犬山紙子×シオリーヌ「性の話は人権問題」パートナーへの生理の伝え方などを対談
セルフプレジャーで生理痛が緩和!? SHELLYたちが膣トレ最新情報を語る[医師 監修]
お話ししてくれたのは……
長谷川ミラ(はせがわ・みら)
【PROFILE】
モデル。雑誌や広告などで活躍する傍ら、オールジェンダーアパレルブランド「Jam apparel(ジャム アパレル)」を設立。積極的に社会問題などについて発信するなど、マルチな活動が注目されている。『sweet』で、ウェルビーイングな世界を目指すことをテーマとした連載「VIRTUAL HUG」を掲載中。ナビゲーターをつとめるJ-WAVE「START LINE」は毎週金曜日16:30~20:00に放送中。
SHELLY(シェリー)
【PROFILE】
タレント。14歳でモデルとしてデビューしたのち、タレントやMCとしても幅広く活躍。コロナ禍で始動した、性教育やジェンダーのトピックを扱うYouTubeチャンネル『SHELLYのお風呂場』が話題に。4月からは新たにオトナのための性教育をテーマに、メンバー参加型コミュニティとしてオンラインサロン『オトナの保健室〜性・ココロ・体』を開設。
オンラインサロン:https://lounge.dmm.com/detail/4524/
Instagram:@shelly_official_shelly
SHELLYさんのYouTubeチャンネル「SHELLYのお風呂場」
若い世代が性に関する正しい知識を身につける重要性を感じたSHELLYさんが始めたYouTubeチャンネル「SHELLYのお風呂場」。安全なSEXについて、さらにはコンドームのつけ方やピルについて、ラブホテルでの過ごし方など、性にまつわる様々なトピックスを取り扱っている。
「SHELLYのお風呂場」はこちら
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styling_YUKO TOSHIMA(MILA), SAYAKA NODA(SHELLY)
hair & make-up_MIRI SAWAKI(MILA), JUNKO TAKAHASHI(SHELLY)
model & dialogue_MILA HASEGAWA, SHELLY
(sweet 2022年6月号)
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