婦人科のお悩みを、レディースクリニックのドクターに解決してもらう連載企画。今回は説得力のあるお話に定評がある、宮益坂メリーレディースクリニック・長岡美樹先生に“中年太り”についてうかがいました。
今回のお悩みは……「中年太りが止まりません!」
これまでと食べる量は変わらないのに太る一方で、去年の服が着られません。どうしたら体重の増加を食い止められるでしょうか?
解決してくれるドクターはこの方
宮益坂メリーレディースクリニック
院長 長岡美樹先生
ちょっとした困りごとや更年期の不安などを気軽に相談できる婦人科専門医。GLOW世代の患者さんも多く診ていてとても頼りになります。
☆解決案☆
『食事量を見直すとともに、たんぱく質&食物繊維は多め、炭水化物は控えめを肝に銘じる』
生命維持のために消費する基礎代謝が減るから太る!
食べたエネルギーは生命を維持するための基礎代謝に60〜75%、日常生活上の消費に15〜20%、食事からエネルギーへの変換に10〜15%程度が使われて、余った分は肝臓に貯められ、それでも余ると脂肪細胞に蓄えられて太ります。
この過剰なエネルギー摂取が太る原因。女性の基礎代謝量のピークは15才ですが、更年期では基礎代謝量が低下して小学2年生と同等になります。食べる量は変わらず、基礎代謝量が低下すれば太って当たり前です。
さらに、閉経時期になると女性ホルモンのエストロゲンの分泌量も減ります。エストロゲンは女性の健康を守るさまざまな働きをしているので、量が減ると男性と同じように肥満したり、血圧が上がったり、糖尿病の家系であれば糖尿病になりやすくなったりもします。
中年太りを食い止めるには、年齢に応じた必要なエネルギーと栄養素の量を知ることが大事です。
厚生労働省による日本人の食事摂取基準(2015)によると推定エネルギー必要量は、8〜9才で1500kcal、50〜69才で1650kcal。たんぱく質は8〜9才で30g、50〜69才で40g。食物繊維は8〜9才で12g以上、50〜69才で18g以上となっています。炭水化物は年齢に関係なく、摂取エネルギーの50〜65%、脂質も20〜30%が目安となります。
ですから、おおよその食事量は小学2年生程度にして、たんぱく質と野菜を多めに摂るのが理想。
「逆さお子様ランチ」のイメージです。大スペースに肉や魚などのたんぱく質、中スペースに野菜を、小スペースに炭水化物をのせると大人の食事バランスとなります。たんぱく質は肌、筋肉、髪など体のすべての材料になりますが、体内では作れませんので十分に。食物繊維は糖質の吸収をおさえたり、がんの予防にもなりますからたっぷりと。一方、炭水化物はその日に必要な分だけにとどめるのが鉄則です。
※ 画像・文章の無断転載はご遠慮ください
イラスト_MAIKO SEMBOKUYA
取材・文_黒川ともこ
編集_江川あゆみ[vivace],FASHION BOX
(GLOW2019年3月号)
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