結婚を前提に同棲を始めた彼との新生活へのホンネ【ここからは、オトナのはなし】

女性の心の代弁者、人気作家LiLyの連載「ここからは、オトナのはなし」。赤裸々に語られる等身大の女性の結婚、恋愛、仕事、夫婦、セックス……。キラキラしたものとは違ったリアルなオトナの女性の姿がここに。

こころとカラダ、あと運命(けだるく秋へ……度 ★★★★☆)

ネガティブな言葉でエッセイを始めるのは、良くない。そんな私の中の思い込みが、PCに打ち込んだばかりの文字を消させる。だけどすぐにまた、同じ言葉が頭の中でよみがえる。

――「疲れた」。

その三文字を書いては消してを繰り返し、スイッチが入らない自分に更に疲労していたところに、ティロンッ!今では他のどんな着信音よりも聞きなれたLINE通知音とともに、女友達C(37)からの「疲れた」というメッセージがPC画面に飛んできた。
心配をかけすぎないように、きちんと語尾には小さな「w」がついている。
たった今、私もまったく同じ気持ちでいたことをすぐに伝えて原稿に戻った。語尾に「w」はあえてつけない。

――だって、うん。生きていれば疲れるよ、疲れたよね。別に、言ったっていいよ。

「リリ、もしもし?そうそう、こちらも今日も今日とて疲れている」
きちんと真面目に原稿に戻ったつもりだったのに、気づけば私はCに電話をかけている。
彼女の疲れの原因ならわかっている。Cが1年前から付き合っている恋人は、ある問題を抱えている。それは、だからといってすぐに嫌いになる種類のものではない。が、かといって彼の問題解決のために人生を捧げられるほどの愛があるかといえば、そこまでの自信もないという。

その問題と深刻さがわかったのは、「結婚を前提に」という彼の言葉とともに一緒に暮らし始めた後だった。

「いずれ無視できなくなる問題だということはわかってるの。だけど、今はとりあえずそこには向き合わずに一緒に暮らしてる。ありとあらゆるシーンで私はあえて見て見ぬ振り。でもね、目を背けている状況そのものに、心がジワリジワリと疲れるのよ。でも、疲れちゃっているからこそ、彼と向き合ってガッツリ話し合ったり、破局して同棲を解消して新しい生活を始めたり、とかそういうのに必要なパワーが今は湧かないの……」

「膨大なパワーが必要だよね、人生に変化を起こす時って。でも、そういうパワーって必要に迫られて体内から火山みたいに吹き出すものって感じがするの。人生に変化を起こすのは自分だけど、でも実は人生に変化を起こしているのは運命そのもの、というか。そのタイミングは自分で選べるようで、選べないというか」

くるべき時がくれば、なるようになる。結果が理想通りではなかったとしても、その言葉自体は、ポジティブな意味で。

〈続く〉

【Profile】LiLy/作家

出典: FASHION BOX

81年神奈川県出身。蠍座。N.Y.、フロリダでの海外生活を経て上智大学卒。著作多数。この連載からの最新刊『目もと隠して、オトナのはなし』が好評発売中!プライベートでは2児の母。

(otona MUSE編集部)
text:LiLy
illust:ekore
edit:SATOKO ISHIKAWA[vivace] , FASHION BOX
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