「あれ!?どうして私、この人と結婚したんだろ?」。付き合っていた頃や新婚当初のワクワクした気持ちが、今ではすっかり過去の記憶に……。こんな気持ちで妊活なんてツラいかもと思っている人、実は少なくないのです。妊活に前向きになれる方法はないか、産婦人科専門医の先生に聞いてみました。
妊活と愛情表現を切り離すことも必要
推しのアイドルはいるのに、いつからか夫を異性として見られなくなってしまった。一緒に暮らせば、いい面もそうでない面も見えてくるもの。そんな中で妊活となると、さらにハードルが高くなっていきます。
「妊活をしていると、セックス自体も作業になってしまって、それが悩みになるという方も少なくありません。セックスは愛情表現のひとつではありますが、妊活と愛情表現を少し切り離してもいいのかもしれません。妊活が作業のようになってしまっていても、『赤ちゃんがほしい』というお互いの気持ちがひとつになっていて、同じ方向に向かっているのならば乗り越えられるのではと思います」
2人が生活していれば、アラも見えてくる
一緒に生活していると、恋人同士の時には見えなかった部分に気が付くことがあります。それをすんなり受け入れることができればいいのですが、そうもいかない時もあったりして、結果、異性として受け入れられなくなっていくことも。
「2人が生活していくなかで、アラが見えてくるのは当然のことです。もしかしたら女性側が思っているように、男性側も同じことを感じている場合があります。出産に立ち会ってから、女性として見られなくなったという声も聞いたことがあります」
パートナーのどこに惚れたのかを思い出して
では、もう一度お互いを異性として見るにはどうすればいいのでしょうか?
「初心を思い出してとは言いませんが、嫌なところばかりを見ないこと、探さないことです。お互い惹かれ合った部分にフォーカスしましょう。どの部分に惹かれたのかを思い出すことで、新しい気持ちや感情がきっと生まれるはずです。2人の時間を作る、会話を楽しむという具合にお互いを改めて知ることから始めてみるといいと思います」
フランス式育児で、魅力的な女性に
フランス人女性は、何歳になっても女性が女性であることを意識している方が多いそう。育児に関してもフランスならではの方法があるようです。
「私も読んで参考にしているのが、“フランス式育児”です。フランスの子育ては子ども中心ではなく、親中心の考えで子どもに振り回されることはありません。例えば、生後数か月で添い寝をやめ一人寝をさせたり、シッターや親に子どもを預けて夫婦でディナーを楽しむなど、夫婦の時間をきちんと確保しています。国民性ももちろんあるかと思いますが、見習うべきところはあります」
フランス人女性のようになる!というのは極端ですが、自分自身の魅力を磨く、意識することは大切かもしれません。きっとそれにパートナーが気づいて、二人の空気が少し変化するかもしれません。また、もし妊活が作業のようになってしまっても、その先の「赤ちゃんを授かりたい」という気持ちがひとつになっていれば、頑張ろうと思えるもの。ふたりでしっかり話し合い、同じ気持ちで妊活に取りくむことが重要です
教えてくれたのは…sowaka women’ s health clinic 竹元 葉 院長
【PROFILE】
順天堂大学医学部卒業。産婦人科専門医/医学博士。思春期から老年期まですべてのライフステージにおける身近なかかりつけ医として「sowaka women’ s health clinic」を開院。女性医師・女性スタッフのみで診療を行う。
取材・文=夏目 円