大人が知っておきたい、 正しい「膣ケア」Q&A 前編

若く健やかな膣をキープするための基本は規則正しい生活と冷えの防止。でも& ROSY世代なら、正しい知識を持ってもっと積極的にケアしたい!デイリーケアから病気の不安まで、膣についての悩みや疑問に、シロノクリニック 恵比寿 副院長の佐藤美先生が答えます。

 

Q1 35歳から更年期にかけて膣は どのように変化しますか?

A.通常は30代まで膣は変化しません。変わっていくのは更年期から

膣の状態は出産経験があるかないかで違います。出産すると赤ちゃんの頭の大きさまで伸びるので、どうしてもゆるんだ状態に。ある程度は戻りますが、将来的にもゆるみやすくなるといえます。出産経験がない場合は、そのまま次第に膣内の粘膜が減ってヤセていきますが、硬くなりやすい傾向にあります。いずれも女性ホルモンが足りている30代から40歳くらいまで、それほど膣に変化はありません。更年期になると女性ホルモンの減少とともに粘膜がヤセていき、潤いのもとになる粘液も少なくなります。閉経後の膣は誰しも乾いてゆるんでいくことになるのです。

締まった膣(右)とゆるんだ膣(左)。出産や加齢で膣内はゆるんで広くなっていく

 

Q2 膣まわりの保湿 はしたほうがいいの? セルフケアの注意点を教えてください

A. 乾燥やムレによるトラブル防止のため保湿は有効です

デリケートゾーンは乾燥防止や見た目のためにも保湿したほうがいいです。ただし、いじり過ぎると毛嚢炎などのトラブルになるので注意してください。肌に安全な保湿成分で作られたクリームやジェルなどで、外陰部や膣まわりを優しくマッサージする感覚で塗ります。また、マイルドな洗浄力のソープなどできちんとていねいに洗うことも大切です。ただ、外陰部の保湿は膣ケアとは別物で、膣内のトラブルや性交痛を防止する手助けになるものではありません。

 

Q3 産後のゆるみや尿漏れが……。いますぐできる膣ケア って?

A. 骨盤底筋のトレーニングで改善が期待できます

尿道、膣、肛門の間にはこれらの収縮をつかさどる骨盤底筋群があります。尿漏れを改善するセルフケアとしては、この筋肉をトレーニングで鍛える以外に方法はありません。膣のゆるみ対策も同様です。尿道や膣の周囲にも細かい筋肉がありますが、自分の意志で鍛えることはできないのです。YouTubeや書籍で紹介されているトレーニング方法を試してみてください。また、日ごろから全身運動をすることも、骨盤底筋の強化を助けるために役立ちます。

Q4 膣内洗浄をしても大丈夫?

A. 洗っていいのは外陰部だけ。膣の内部は洗浄し過ぎないで

膣内は善玉菌によって酸性に保つ自浄作用があるので洗う必要はありません。膣フローラを洗い流してしまうとトラブルの原因になります。膣内洗浄は、セックスのあとや生理後に必ず専用の洗浄剤を使って行いましょう。

 

 

教えてくれたのは……

シロノクリニック 恵比寿 副院長
佐藤 美 先生

ヒアルロン酸注入やサーマクールなどのたるみ治療をはじめ、膣の引き締めレーザーや女性器形成、尿漏れ治療を多く手がける。患者の話をきちんと聞いて最適な治療を提案するのが信条。

 

ilust: YASUKO SHINDO
edit & text: KURI NAKAGOME
web edit: & ROSY編集部

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