近年のビジネスシーンでは、外来語と呼ばれるカタカナ用語が飛び交うことが当たり前の光景になりました。ご紹介する外来語は業界を問わずよく使われる言葉です。きちんと学んでおきましょう。
教えてくれたのはこの方
吉田裕子(よしだ・ゆうこ)
国語講師。大学受験塾やカルチャースクール、企業研修などで教える。NHK Eテレ「テストの花道 ニューベンゼミ」に出演するなど、日本語・言葉遣いにかかわる仕事多数。著書『正しい日本語の使い方』(枻出版社)は12万部を突破。他に『品よく美しく伝わる「大和言葉」たしなみ帖』(永岡書店)、『美しい女性をつくる言葉のお作法』(かんき出版)、『たった一言で印象が変わる大人の日本語100』(ちくま新書)など。東京大学教養学部卒。
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覚えておくべき外来語1:クライアント(client)
依頼人、顧客。英語では特に弁護士や会計士、建築家などの依頼人を指すことが多いが、日本では広告業界を起点に広まり、幅広い業界で使われるようになった。IT用語では、サーバーのサービスを受けるコンピュータを指す。
ビジネスシーンでの使い方
クライアントを回って、新製品のカタログをお渡ししてまいります。
覚えておくべき外来語2:シミュレーション(simulation)
ある現象と同じ状況を模擬的に作り出し、実際の結果を予測すること。実際に模型を使っておこなう方法と、コンピュータ上にデータを入力して計算させる方法の二種類がある。
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ビジネスシーンでの使い方
この商品の売り上げ予測をシミュレーションしてみよう。
覚えておくべき外来語3:ユーザー(user)
利用者、消費者。商品やサービスを利用、購入する人たち全般を指し、企業から見れば一般の顧客に当たる。また、IT業界では、情報システムの開発に携わらないで、ソフトなどを利用する者を「エンドユーザー」と呼ぶ。
ビジネスシーンでの使い方
この商品を購入したユーザー、つまり消費者の傾向を分析いたします。
覚えておくべき外来語4:キャパシティ(capacity)
収容能力。劇場や会議室の定員、容量などを指すことが多いが、会社や機械の生産能力などにも使われる。また、個人に対しても、その人の仕事能力、スケジュールの余裕などを指して使う。
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ビジネスシーンでの使い方
今度のイベント会場のキャパシティはどのくらい?
覚えておくべき外来語5:インセンティブ(incentive)
「やる気を引き出すための刺激」を意味し、出来高払いの給料や報奨金のことを指す。優秀な成績を挙げた社員に対する報奨金制度はもちろん、消費者の購買意欲を刺激するプレゼントキャンペーンなどもこれに当たる。
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ビジネスシーンでの使い方
今月、うちの部署は目標を達成したから、全員にインセンティブが出るはずだ。
(参考)
書籍『一生分の教養が身につく! 大人の語彙力強化ノート』
https://tkj.jp/book/?cd=TD296221
著者:吉田裕子
編集協力/小芝俊亮、細谷健次朗、山口紗英(株式会社G.B.)
執筆協力/龍田昇
イラスト/イラスト工房
編集/FASHION BOX
(書籍『一生分の教養が身につく! 大人の語彙力強化ノート』)
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