飲みすぎて顔がパンパン……そうなる前に食べたい、むくみに効く食品

カリウム・タンパク質が"むくみ"に効く?顔がパンパンになる前に食べたい食品とは

(2020年5月28日 更新)

細胞の内側や外側に余分な水分がたまるのがむくみです。特に、足と顔に症状が出やすく、水分を摂りすぎた翌朝に顔が膨らんで見える……などはよくあること。体質の影響も大きいむくみですが、食生活で改善することができます。特に、野菜に含まれるカリウムとたんぱく質の不足を補いましょう。

≪目次≫

教えてくれたのはこの方

飲みすぎて顔がパンパン……そうなる前に食べたい、むくみに効く食品
出典: FASHION BOX

静岡静脈瘤クリニック院長
佐野成一(さの・なりかず)先生

2003年、聖マリアンナ医科大学医学部卒業。2005年に東京慈恵会医科大学病院形成外科に入局し、2009年から岡山大学病院形成外科・リンパ浮腫治療班に加わる。2013年には東京医科歯科大学血管外科にてリンパ浮腫専門外来開設に尽力。2016年、地元である静岡に静岡静脈瘤クリニックを開業、リンパ浮腫と静脈瘤の専門医として治療に当たる。東京医科歯科大学血管外科・非常勤講師、リンパ浮腫療法士、日本医療リンパドレナージ協会認定セラピスト。監修書に『自分で治す下肢静脈瘤の本』 (宝島社) がある。

 

細胞の浸透圧に関わるカリウムとたんぱく質がむくみを解消

むくみは細胞と血管の間の水分のやりとりがうまくいかなくなった状態。特に、カギとなるのがカリウム。カリウムは細胞の中にあり、浸透圧を保つ働きがあります。人間の細胞がきゅうりだとすると、カリウムが多いと、きゅうりに水分がいっぱいあってみずみずしい状態。でも、そのきゅうりの外側に塩をまぶすと、ナトリウムの浸透圧で水分が細胞から流れ出し、きゅうりはしなびてしまいます。溶け出した水分は血液に流れ込みますが、一部が細胞の間にたまりむくんで見えるのです。これを避けるためには、塩分の摂りすぎはNGです。

また、たんぱく質の不足もむくみの原因として知られています。たんぱく質からできるアルブミンが、細胞の浸透圧に関係しているからです。ダイエットのために肉を控えていたのに、かえってむくんでしまった……では、本末転倒。バランスのよい食生活を。

飲みすぎて顔がパンパン……そうなる前に食べたい、むくみに効く食品
出典: FASHION BOX

ナトリウムとカリウムのバランスが悪いと、細胞の浸透圧が保たれません。

お茶の利尿効果は?

お茶には、利尿作用に関わるカリウムやカフェインが含まれています。カフェインは交感神経を活発にさせ、腎臓の血管を広げ、血流量を増やすので、尿の量も増えるのです。余分な水分が排出されるので、むくみ対策には有効。特に、どくだみ茶や杜仲茶は高い利尿作用で知られています。ただし、腎機能が弱っている人は控えめに。

飲みすぎて顔がパンパン……そうなる前に食べたい、むくみに効く食品
出典: FASHION BOX

【オススメ記事】
目覚めのコーヒーで便秘に!? 腸の専門家が“出る”食べ物&献立を指導!
明日のお通じにつながる! 夕方から夜の「腸活」習慣

 

むくみに効果のある食べ物

アボカド

細胞内液の浸透圧の調整や、神経細胞の伝達に関わっているのが、アボカドなどに含まれるカリウム。体の中に存在する、もっとも量が多いミネラルでとても大事な成分です。ナトリウムと相互に働いて、過剰になったナトリウムを体外に排出します。カリウムの不足は高血圧や脱力感をまねくので注意が必要。カリウムはほかに、ほうれん草、かぼちゃなどの野菜、鯛、さわらなどの魚、バナナ、納豆などにも含まれます。余分なカリウムは尿と一緒に排泄されますが、腎機能が低下している場合は、カリウムの制限が必要になります。

飲みすぎて顔がパンパン……そうなる前に食べたい、むくみに効く食品
出典: FASHION BOX

大豆

サポニンは、植物の根、葉、茎、特にマメ科の植物に多く含まれている配糖体の一種。水に溶けると泡立つので、せっけんを意味する「サポ」がついています。血液循環をうながす、体脂肪がたまるのを防ぐ、悪玉コレステロールを抑制する、免疫力を高めるなどの効果が知られています。すいかやきゅうり、冬瓜、ぶどうの果皮などにも含まれています。ごぼうは皮の部分に多いので、よく洗ってそのまま調理するのがおすすめ。漢方に使われる高麗人参やアマチャヅルも、サポニンが多く含まれています。

飲みすぎて顔がパンパン……そうなる前に食べたい、むくみに効く食品
出典: FASHION BOX

レモン

レモン、みかんなどを食べたときに、酸っぱいと感じる成分がクエン酸です。クエン酸は、糖や脂肪を代謝してエネルギーを生み出す、クエン酸回路を構成する重要なもの。これによって、乳酸などの疲労物質が代謝されます。また、クエン酸と一緒に摂ることで、鉄、マグネシウム、カルシウムなど体に吸収しにくいミネラルが摂りやすくなります。体内の老廃物の分解、排出が進むので、むくみ対策としても有効です。柑橘類のほか、梅干しや黒酢などにも含まれています。クエン酸は排出されやすいので、こまめに取ることが大切です。

飲みすぎて顔がパンパン……そうなる前に食べたい、むくみに効く食品
出典: FASHION BOX

卵などに豊富に含まれるたんぱく質は、筋肉や皮膚を作る大事な成分。近年では、全年代の女性のたんぱく質不足がいわれていますが、これが意外にもむくみの原因になっている場合が。血液中にはたんぱく質の一種であるアルブミンがあり、脂肪酸やミネラルを運んでいますが、これが不足すると浸透圧の影響で水分が血管の外に流れ、むくんでしまうのです。塩分や水分を多く摂らないのにむくんでいる人は、たんぱく質不足かも。夜、肉や魚を一品食べたから大丈夫……ではなく、朝、昼にも卵や乳製品、大豆製品などを取り入れましょう。

飲みすぎて顔がパンパン……そうなる前に食べたい、むくみに効く食品
出典: FASHION BOX

【オススメ記事】
便秘はもんで押し出せ! 今すぐできる快便ストレッチを美腸ナースが指南
コンビニ食で便秘に!? 脱水しがちな夏に知りたい腸を整える3ステップ

(抜粋)

飲みすぎて顔がパンパン……そうなる前に食べたい、むくみに効く食品
出典: FASHION BOX

TJ MOOK『足のボコボコ血管・クモの巣状血管がすっきり! よくわかる下肢静脈瘤の本』
https://tkj.jp/book/?cd=TD295774
監修:佐野成一

構成・文:田中絵真、前原雅子
イラスト:小野寺美恵
撮影:赤石 仁
編集:FASHION BOX
TJ MOOK『足のボコボコ血管・クモの巣状血管がすっきり! よくわかる下肢静脈瘤の本』
※ 画像・文章の無断転載はご遠慮ください

RELATED CONTENTS

関連コンテンツ