CMでも耳にするようになったNISA。NISA(少額投資非課税制度)とは、投資で得た利益や配当金が非課税になる制度のこと。2014年からスタートした制度ですが、まだまだ知らない方も多いのではないでしょうか。松方ヒロさんがNISAについて教えてくださいました。
教えてくれたのはこの方
松方ヒロさん
ファイナンシャルプランナー。主に情報誌を中心に、お金の貯め方、使い方、増やし方について取材・執筆活動を続ける。
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NISAを使えば、投資で得た利益が非課税になる
通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、一般NISAやつみたてNISA口座での売買ならすべて非課税。課税口座に比べて、手元に入るお金の額が多くなります。
例:投資で10万円の利益が出た場合
通常の課税口座の場合
一般NISA口座の場合
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NISAを使う前に知っておくべき4つのポイント
POINT 1:開設できるのは1人1口座まで
NISA口座は1人1口座しか開けないので、欲しい商品の取り扱いがあるかなどを調べたうえで金融機関を選ぶことが大切です。また、一般NISAとつみたてNISAは併用できない点も注意。
POINT 2:すでに保有している金融商品を移すことはできない
非課税対象になるのは、NISA口座で新たに購入した金融商品だけ。すでに別の口座で保有している株や投資信託などを移すことはできません。一般NISAとつみたてNISA間での移管もNG。
POINT 3:非課税枠が余っても翌年以降には繰り越せない
NISAには制度ごとに年間の非課税枠が決まっています。その年に使わなかった分があったとしても、翌年以降への繰り越しはできません。売却で生じた空き枠の再利用も不可です。
POINT 4:損益通算ができない
NISA口座内で損失が発生しても、他の特定口座や一般口座で発生した利益と損益通算(利益から損失を差し引いて税金を減らすこと)はできません。損失の繰越控除も認められていません。
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それぞれの「NISA」の特徴とは?
■一般NISA
特徴
年120万円までなら最長で5年間(※)、投資で得た売却益や分配金が非課税になる。購入できる金融商品は投資信託のほか、株やREIT、ETFなど幅広い。中途換金したお金は自由に引き出せる。
※ロールオーバーすれば10年間
年間の投資上限額
120万円
非課税期間
5年
投資対象
上場株式、投資信託、ETF、REIT など
非課税で運用できるのは最長5年(ロールオーバーすれば10年)で、まとまった資金を運用したい人に向いているといえます。
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■つみたてNISA
特徴
非課税投資枠は年40万円まで。最長で20年間、売却益や配当金が非課税に。購入できる金融商品は金融庁が定めた投資信託やETFで、毎月など定期的な積み立てが条件。中途換金できる。
年間の投資上限額
40万円
非課税期間
20年
投資対象
金融庁が長期の資産形成に向くと定めた投資信託やETF
少額ずつコツコツ分散投資し、長期的な資産形成を目指す人に向きます。
■ジュニアNISA
特徴
日本に居住する19歳までの未成年者が利用できる制度。運用や管理は親などが行う。年80万円の投資なら最長で5年間、投資で得た利益が非課税に。18歳になるまで資金の払い出しはNG。
年間の投資上限額
80万円
非課税期間
5年
投資対象
上場株式、投資信託、ETF、REIT など
子どもの将来のために資産形成したい人などは検討を。
(抜粋)
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監修:梅田泰宏、西山美紀、松浦建二、松岡賢治、松方ヒロ
執筆・編集/山口佐知子、西山美紀、松岡賢治、松浦建二、木村 敬、松方ヒロ
イラスト/大野文彰(大野デザイン事務所)、水谷慶大、achaca
編集/FASHION BOX
(TJ MOOK『お金の不安をなくす本』)
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