国内外を食べ歩き、グルメ情報を発信する“タベアルキスト”ことマッキー牧元さんが、季節を味わう“旬な一皿”をご紹介。今回は、東京・白金の名店で出合った「冷製コーンスープ」が登場。旬真っ盛りのトウモロコシの甘さを極限まで引き出した逸品を、心ゆくまで味わいたい。
マッキー牧元
1955年生まれ、東京都出身。(株)味の手帖取締役編集顧問。国内外問わず年間600食ほど食べ歩き、グルメ情報を発信する“タベアルキスト”。近著に『超一流のサッポロ一番の作り方』(ぴあ刊)が発売中。
濃縮した純粋な甘さが、舌を優しく包み込む
ロッツォシチリア【東京・白金】
冷製コーンスープ
夏のスペシャリテのコーンスープ(800円)。この他に同じトウモロコシを使ったパンナコッタもおすすめ。
「なに、これ?」このスープを初めて飲んだ人は、一口含んだ瞬間、みな目を丸くして、驚くという。
それほどに甘い。旬真っ盛りのトウモロコシの甘さを、極限まで引き出したスープである。
しかしその甘さは、透明感があって美しい。エレガントさが漂っていて、頬が赤らむような、切なさも漂う。余韻が長く、夏の日差しが照り続けるかのように、いつまでも舌の上に留まる。
甘さが通り過ぎた後には、上から垂らされたオリーブオイルの青い香りが漂って、生のトウモロコシをかじったときの、初々しき瑞々しさが蘇る。
このスープには、トウモロコシ、牛乳、塩しか入っていない。トウモロコシの芯と身を煮て、少量の塩と牛乳を入れ、味を調整しただけである。
時期が来ると、ロッツォシチリアの中村シェフは、仕入れたゴールドラッシュを毎日かじりながら、糖度を確かめ、ここぞという日から、スープを作るのだという。
甘さのピークを見極める、中村シェフの眼力があってこその、傑作なのである。
\その他のオススメメニュー/
レモンやコーヒー、さくらんぼなどから作った自家製の食後酒が充実(4杯セットで1000円)。
粗挽き牛とホワイトアスパラ、赤ワインとマルサラ酒で作った、ラグーソースとフジッリ(1500円)。食べた瞬間に笑い出したくなる美味しいパスタ料理である。
ロッツォシチリア
住所:東京都港区白金1-1-12 内野マンション1F
電話:03-5447-1955
営業時間:18:00~L.O.23:00(フード)・L.O.25:00(ドリンク)、
日曜・月曜休み
アクセス/東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線白金高輪駅より徒歩約10分
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トウモロコシの「旬食深識(しゅんしょくしんしき)」
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原産は中南米。紀元前5千年ごろから大量栽培される。欧州には15世紀に伝播。以後、世界中に広まり、主要穀物となる。
店頭に出回るのは、スイートコーンという甘味種で、旬は6月~9月。身が柔らかく糖度が高いゴールドラッシュ、身が白く甘みが強いピュアホワイト、黄と白が混ざったピーターコーンなど多品種がある。
名の由来は中国の唐とその地からの伝来物を意味する唐土(もろこし)を合わせたもの。
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撮影_本野克佳
イラスト_キモトアユミ
文_マッキー牧元
編集_安藤彩紀[vivace], FASHION BOX
(MonoMaster編集部)
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