持ち物の棚卸しはしてきたものの、出し入れの多いキッチン収納に悩む読者サポーターの高之瀬さん。「減らした量をキープするための収納術」を生活研究家の阿部さんに指南いただきます。
【 アドバイザー 】阿部絢子さん
生活研究家、消費生活アドバイザー。1945年生まれ。大学卒業後、洗剤メーカー勤務を経て、百貨店の消費生活アドバイザーとして30年間務める。現在も家事研究家の第一人者として幅広く活躍中。著書に『住まいの老い支度』(講談社)など多数。
【 実践した人 】高之瀬晶子さん(56歳)
夫、長女、義母との4人暮らし。5 度の引っ越し、両親、義父との別れを経て、持ち物の見直しを続けている。「おわりの。はじまり。」というブログでその様子を伝えています。
悩み「食品棚を使いこなせない」
片づけは苦にならないものの、収納が苦手と自覚している高之瀬さん。特にキッチンまわりは出し入れが多く、なんとなく収めてしまっていたそう。
「片づけと収納は違うんです!」と阿部先生。「物の指定席を決めかつ、取り出しやすくしまいやすくないと、また物が増えてしまいます。まずは使用頻度を見極め、動線を考えてみましょう」
現状の問題点
(a)使用頻度がばらばらのものが点在
季節限定の道具や用途が限定される盤台など頻度の低いものと、頻度の高い圧力鍋が混在。空き瓶やストッカーが占領している棚もあり、スペースがもったいない。
(b)袋ものが隙間に
用途不明の袋ものが。家族が「なんとなく空いているので」放り込んでいるそう…。「『なんとなく』の場所をまずはなくしましょう」(阿部さん)
(c)要と不明のものが多数
右の戸棚には用途不明の日用品が入ったカゴと、頻度がばらばらの調理家電が。「この場所に家電と使用頻度の高い鍋を一緒に収納できるといいですね」(阿部さん)
(d)用途分けがあいまい
奥に用途不明のものが。空いている段もあり活用できていない。「上の段にストック食材が紛れ込んでいるのも問題。猫グッズもまとめましょう」(阿部さん)
Step(1) ツール類の頻度、季節を見極める
道具類、調味料・食材類、ストック類それぞれの使用頻度を見極めること。年1、年に数回、月に数回、週に数回、毎日の5段階に。
Step(2) 用途別に分類収納法を考える
ストックとスタメンがある基本調味料は、大きめのストッカー+小分け瓶に分けたり、麺類なら立てて収納。粉物は密閉容器など、作業効率を考えた収納に。そのほか、たとえば朝食にしか使わないものがあるなら「朝食コーナー」などに分けて収納しても使いやすい。
Step(3) 使用頻度&用途別に収める
使用頻度が低いものは上へ、高いものは肩から上下45度の位置に収めて。重くて頻度がそこそこ高いものは下のほうの段に。また棚ごとに「調味料」「乾物」「ストック」など用途も分類して場所を決め、収めましょう。
実践してみた結果がこちら!
(a)形が不ぞろいのものはカゴ引き出しにまとめて
形が不ぞろいのものはカゴにまとめた。上の段でもさっと取り出せる。
(b)よく使う調味料は肩から45度の特等席に
使用頻度が高いものをここに。すべて保存容器やカゴに分類しているから取り出しやすく、「家族がとりあえず放り込むこともなくなりそう」(阿部さん)
(c)調理家電、鍋をひとまとめ
使用頻度高めの鍋や調理家電をまとめることができたので、アクションがラクに。用途の限られるコンロなども隙間に無駄なく収納。出番の少ないツール類もカゴにまとめた。
(大人のおしゃれ手帖編集部)
photograph: Masamichi Takeda
編/ FASHION BOX
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