年齢とともに気になる“ぽっこりお腹”。内臓脂肪という言葉はよく耳にするけれど、そもそも内臓脂肪って何？という方も多いかもしれません。今回は、そんな内臓脂肪について、皮下脂肪との違いや、内臓脂肪がもたらす怖い病気をご紹介します。
内臓脂肪と皮下脂肪の違い
脂肪は、主に皮膚の下につく皮下脂肪と、内臓の周りにつく内臓脂肪の2種類に分類されます。
皮下脂肪型肥満
もともとぽっちゃりとした体形で、下半身周りの肉づきがいい女性に多いのが特徴です。皮下脂肪は、つきにくく落としづらいという性質があります。
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・お尻・太もも・腰周りの肉づきがよい
・代謝が悪く痩せづらい
・お腹がつまめる
内臓脂肪型肥満
お腹がぽっこりと出ている男性や、閉経後の女性に多いのが特徴です。内臓脂肪は蓄積されやすいものの、食事や運動ですぐに減らしやすいという性質があります。
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・内臓周りに脂肪がつき、お腹がぽっこり出ている
・代謝がよく痩せやすい
・お腹が出ているのにつまめない
皮下脂肪型肥満に比べ、糖尿病や動脈硬化、がんなど、深刻な病気の発症リスクを高めることがわかっており、早期の対策が必要です。
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第三の脂肪といわれる異所性脂肪にも注意
皮下脂肪や内臓脂肪の皮下組織に入りきらなくなった脂肪が、心臓や肝臓など、本来つくはずのない場所に蓄積されることもあります。内臓脂肪同様、様々な病気の発症リスクが高まるとされており、注意が必要です。
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内臓脂肪が原因となる怖い病気
1 高血糖・糖尿病
内臓脂肪の蓄積により、アディポサイトカインという物質がインスリンの働きを阻害してしまいます。結果、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの働きが弱くなり、高血糖や糖尿病を引き起こします。
2 高血圧
内臓脂肪の蓄積によってインスリンの働きが弱まると、体は危険を感じてインスリンを過剰に分泌するように。すると、過剰なインスリンが交感神経を刺激して、高血圧の引き金となります。
3 動脈硬化
内臓脂肪が増えると、動脈硬化を防ぐアディポネクチンという物質が体内で減少し、動脈硬化を引き起こします。また、動脈硬化により血管が狭くなると、心筋梗塞や脳梗塞などの発症リスクが高まります。
4 がん
内臓脂肪が増えると、インスリン値が上昇し、体に炎症が起こりやすくなります。また、エストロゲンなどの性ホルモンの値が変化する可能性があり、これらががんの発症リスクを高めると考えられています。
5 認知症
高血糖の状態が続くと、脳の記憶を司る海馬が萎縮してしまい記憶力が低下、認知症の引き金になると考えられています。また、動脈硬化の進行による脳梗塞が、認知症の要因になることもあります。
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肥満のなかでも、特に深刻なのが、メタボリックシンドロームです。これは、内臓脂肪型肥満をきっかけに、脂質異常や高血糖、高血圧となっている状態のことをいいます。この症状になると、心臓病や脳卒中、動脈硬化といった命に関わる深刻な疾患を招きやすくなってしまうことがわかっています。なんと、40歳以上の国民の、4人に1人がメタボリックシンドロームの疑いがあるといわれています。
内臓脂肪の増加は 「頻尿」や「加齢臭」を引き起こす！
内臓脂肪が増えると、膀胱が圧迫されて頻尿に。さらに、におい成分「ノネナール」の量が血中に増えて加齢臭が強くなることもあります。
内臓脂肪がつく原因
内臓脂肪がつく原因は、ズバリ糖質の摂り過ぎによるもの。甘いおやつや、ついついつまんでしまうスナック菓子、お酒を飲んだ後のシメのラーメン、こうした食生活が、知らず知らずのうちに内臓脂肪として蓄積され、メタボリックシンドロームを招いてしまうのです。
幸いにも、内臓脂肪は落としやすいので、糖質さえ控えれば、すぐに落とすことが可能です。
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このコンテンツの監修者は……
工藤孝文（くどう・たかふみ）
【Profile】
減量外来・糖尿病内科医。
福岡大学医学部卒業後、アイルランドとオーストラリアへ留学。 現在は福岡県みやま市の工藤内科にて、診療を行っている。NHK「ガッテン！」、NHK「あさイチ」、日本テレビ系「世界一受けたい授業」、TBS系「名医のTHE太鼓判！」、フジテレビ系「ホンマでっか!? TV」などテレビ出演多数。NHK「ガッテン！」では、著者出演回が、同番組の2018年度視聴率1位を獲得した。日本内科学会・日本肥満学会・日本糖尿病学会・日本東洋医学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・小児慢性特定疾病指定医。『1日1杯飲むだけダイエット やせる出汁（だし）』（アスコム）、『リバウンドしない血糖値の下げ方』（笠倉出版社）など著書多数。
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（抜粋）
TJ MOOK『内臓脂肪が落ちる！ 糖質オフスープ』
監修／工藤孝文
編集協力／引田光江（グループONES）、上野真依
イラスト／藤井昌子
WEB編集／FASHION BOX
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